【解剖学】口腔(口、舌、唾液腺) について
理学療法士を目指す大学四年生です。
本日も国家試験対策として今回は口腔について深堀りしていきたいと思います。今回は口腔の解剖についてです。
口腔の解剖
【口腔の構造】
口腔の内面は口腔粘膜に覆われています。食物摂取の際の摩擦から口腔を守るために、粘膜上皮は重層扁平上皮からできています。
口蓋:口腔の天井(前2/3は硬口蓋、後1/3は軟口蓋に分かれる)
口蓋垂:軟口蓋の後方中央にぶら下がっている。(喉ぼとけ)
口峡:口腔から咽頭への通路
口蓋帆:軟口蓋の後部
ポイント
嚥下運動の際、軟口蓋は挙上し鼻腔と咽頭のつながりを閉じます。
舌の解剖
【主な機能】
①食物を圧縮したり変形させるなどの機械的処理
②咀嚼と嚥下の補助機能
③触覚、温感、味覚などの感覚受容
【舌の構造】
舌は前方から舌尖(舌先)、舌体(舌背)、舌根に分けられます。
舌体(下背)- 乳頭が存在する。(食物を移動させる働きをもつ)
舌根部:舌扁桃が存在する。
舌筋は横紋筋
【舌に関係する神経】
感覚:前2/3:三叉神経 後1/3:舌咽神経
味覚:前2/3:顔面神経 後1/3:舌咽神経
運動:舌下神経
唾液腺の解剖
【唾液の役割】
唾液の作用は口腔内の洗浄,催滑,消化,溶菌,歯の保護作用
【唾液腺種類】
唾液線は三種類あります。いずれも線維性被膜によって覆われています。
耳下腺:漿液性
胸鎖乳突筋の前方にある。
顎下線:純粘液性
口腔底にある。
舌下線:粘液性
口腔底の粘膜舌にある。
割合としては顎下腺(6割)、耳下腺(3割)、舌下線(1割)の順に分泌される。
粘液性:ムチンを多く含む(ネバネバ)
漿液性:プチアリンを多く含む(サラサラ)
【唾液の基礎知識】
唾液:PH 6.8~7.0 弱酸性 分泌量:1~1.5L/日
アミラーゼ(プチアリン):デンプンをマルトースにする(加水分解)
ムチン:粘膜保護・食べ物をまとめる
国試過去問
唾液について誤っているのはどれか。
1.プチアリンを含む。
2.酸性である。
3.食塊形成に関与する。
4.分泌は副交感神経の興奮で促進される。
5.耳下腺から分泌される。
A 2
唾液について正しいのはどれか。
1.1日の分泌量は1~1.5リットルである。
2.分泌が増すと口腔内pHは低下する。
3.蛋白質を分解する。
4.交感神経の興奮で分泌する。
5.唾液分泌中枢は中脳にある。
A 1
口腔内の消化について誤っているのはどれか。
1.唾液は食物を溶かして味覚受容体を刺激する。
2.唾液アミラーゼはでん粉を加水分解する。
3.嚥下の口腔期では舌運動が主体である。
4.ムチンは食塊・口腔を滑らかにする。
5.咀嚼運動は反射の影響を受けない随意運動である。
A 4
正しいのはどれか
1.舌筋は平滑筋である。
2.舌筋は舌下神経支配である。
3.味覚は三叉神経支配である。
4.口蓋帆は軟口蓋の前方にある。
5.舌根は口峡の上壁である。
A 2
舌の機能と神経支配との組合せで誤っているのはどれか
1.運動 ───────── 舌下神経
2.前2/3の体性感覚 ─── 三叉神経
3.後1/3の体性感覚 ─── 舌咽神経
4.前2/3の味覚 ───── 顔面神経
5.後1/3の味覚 ───── 迷走神経
A 5
https://minds.jcqhc.or.jp/n/pub/3/pub0082/G0000530/0004/0004
https://ameblo.jp/karadacocoro/entry-11347609020.html
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