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XP祭り2023に参加してきました!平鍋さん、ことねさん、きょんさんのセッション聴講しました

XP祭り2023に参加してきました。
各セッションの感想を書きたいと思います。午前の市谷さんのセッション、川口さんのセッションについてはこちら↓です。

川口さんのセッションについてはこちら↓です。

平鍋健児さん - 『形の合成に関するノート 付記Ⅱ』の数学解説

クリストファー・アレグザンダーの「形の合成に関するノート」の付記Ⅱの「人口600のインドの農村の構成」に関するお話でした。私の語彙で書くよりそのままconfengineから引用した方が良いと思うので、以下引用します。

当然、ニーズの集合は、「こちらのニーズを満たせばあちらが満たせない」といった関係(リンク)を持っています。付記IIでは、ある条件を満足する点の集合を、どのようにサブシステム分割すれば、サブシステム間の情報伝達を最小にすることができるか、という問題を、数学的に定義し、それを考察しています。

confengine 平鍋健児さん - 『形の合成に関するノート 付記Ⅱ』の数学解説

まず、何が面白かったかというと、形の合成に関するノートでこれだけ熱心に都市がツリー構造であるかを数学的に分析をしたアレグザンダーが次の年に、都市はツリーではなくセミラティス構造だ、と言っているという話でした。アレグザンダーがパターンランゲージを生み出せた理由が少し分かったような気になりました。次回、コンウェイの法則を数学的に解く話を聞けるということで楽しみです。

Mirei (Kotone) Itaya さん - 「変えずに変わる」変化戦略:自分と向き合いみんなで変わる

ことねさんの発表をリアタイで見るのはスクラムフェス福岡以来。とても楽しみにしていました。
運動してますか?という問いからはじまりました。どれだけ健康のために運動をしなさい、と言っても論理的な損得勘定では人は変わらない。つまり、スクラムが良い、アジャイルが良い、ということをいくら伝えても人を変えることは難しい、という話につながっていきます。
私個人の感想ですが、世の中にはトップダウンの突然の押し付けでもスクラムやアジャイルがうまく行ってしまっている事例があるから、スクラムやアジャイルが目的になってもうまくいく、という誤解につながるのかなぁと
思いました。
話を戻して、以前の状態はCTOがタスクをチームに割り振っていたところから、ことねさんがリーダーとなってチームとしてタスクを受け入れるような体制に変わったそうです。
RSGTに参加した時、ことねさんはご自身が変わったと思っていました。私もそう思ってました。しかし、そうではなく、その時にはことねさんの内側に抑え込んでいた考えが表出しただけで、何かが変わったわけではなかったと後で気づいたそうです。そして、変わったのはリーダーを任せられた時で、この時から変わらなきゃいけない!と思い始めたとのことでした。
「人を変えるのではなく自分が変わる」まさに午前中に市谷さんがお話していた答え合わせができた、というお話で締めくくられました。

16年取り組んできた市谷さんと似たお話をしていることねさんはすごいなぁと感心して聞いていました。

kyon_mmさん / masahiro hiranoさん - スタートアップのためのアジャイルプラクティス -論文100本ノック-

スタートアップにいたことがないらしいkyon_mmさん。スタートアップについても知見を広めたいとのことで論文を読み始めたそうです。
最初に感想ですが、そもそもアジャイルに関して学術的な論文が存在しているということ自体私は知らなかったので、まずその時点で学びがありました。また、スタートアップに身を置いている私としてはこういった学術的な裏付けが存在していると、会社に対して話をしやすいとも思ったので、有効に活用していきたいと思いました。
論文のリンクをmoriyuyaさんがDiscord上で貼ってくれていたので、後でまとめて貼っておきます。

 Software Engineering Knowledge Areas in Startup Companies: a mapping study

最初の論文ではいきなり『スタートアップで重要になる「小さいスコープを見つけるプラクティス」「新機能を追加しながら製品の完全性を維持するプラクティス」「技術的意思決定とビジネス目標決定を紐づけるプラクティス」「エンジニアリングプロセスに関するプクティス」に関する研究がほぼない』という話から始まり、面白いなぁと興味を引かれていきました。

Agile Development Practices Applied to Software

DiscordでLeanに「かんばん」しかないという点が話題になっていました。そもそもプロダクトマネジメントはソフトウェアではなく、経営学の領域であるために、学術領域ではプロダクトマネジメントやLeanに踏み込めていないという話は夜の懇親会でkyon_mmさんから聞いてなるほどなーとなりました。

Hacking or Engineering? Towards an Extended Software Engineering Model

「スタートアップの年数と開発プロセスは独立した事象であり、やらないところはいつまでたってもやらない。それが技術的負債となり、長期的には問題を引き起こすリスクとなる」
これは非常に納得。なんでみんな言うことなのに、当人たちは気付けないんだろうなぁと思いました。目の前のことで頭いっぱいになってしまうんでしょうね。きっと。

A Case Study about Startups' Software Development Practices: A Preliminary Result

9つのカテゴリでプラクティスを分割し、それぞれをどんなフェーズ、関連性を持って導入を進めれば良いか記載されています。全体が分かんないから何やったら良いか分からないというところに対して全体を俯瞰してみれる図になっているので、その点は良いという話でした。Customer-driven Developmentというのは聞きな

資料抜粋

れない言葉でしたが、興味を持ちました。

How developers feel about tools: an investigation on software startup professionals experience with virtual Kanban boards

カンバンボードに関する研究。スタートアップはお金使えるところも限られているから全て一つのところに情報を集約すると良い。
弊社では色々ツールを導入するところを変えているため、情報が拡散しているという現状もあり、「一つに集約する」ということを意識したいなぁと思いました。

Assessment Models for Evaluating the Combined use of Agile, User-Centered Design and Lean Startup in the Context of Software Development: A Grey Literature Review

灰色文献について勉強できました。
灰色文献というのは、学術出版や書籍出版ではなく、ブログ記事などの文献のことだそうです。

An Empirical Investigation on Software Practices in Growth Phase Startups

スタートアップのアンチパターン、ではなく、ad-hocなプロジェクトマネジメントとか、ad-hocなテストとか、ad-hocでも良いからちゃんとしよう、って感じが現実感があって良いなぁと思いました。

発表資料抜粋

引用論文

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