そろそろ、冬じたく
熱にうなされてる最中
飯寿司の材料が続々と届いた
それどころではなかったが
荷物だけは受け取った
そうか、もう１０月も下旬か
今年は特に秋が少ないように思える
それから３日目の朝
咳と痰が異常に止まらないが
概ね、体が回復しつつある
軽い肺炎だろう
今朝はずいぶん冷えるな、と思い
曇った窓のわずかな晴れ間を覗くと
手稲山がうっすら雪化粧していた
おおお
部屋着のままベランダに出て
大きく深呼吸してみた
途端、凛とする空気が
鼻腔を急に冷やして
ただでさえ咳が止まらないのに
刺激を入れたもんだから
今までにないくらい咳き込んでしまった
涙と鼻水とよだれを流し
やっと外の景色に意識を向ける
ここからは
定山渓・小樽方面の山々が見渡せる
こんな景色を見ると
去年の冬から、もう１年経ってしまった
などと年寄り臭いことを思ってしまう
何でも初物、というように
雪景色も初物の美しさに勝るものはない
時間が経って、雪と土みたいのが混ざると
とてもきれいとは言えなくなる
眠った身体を起こすために
放置していた材料をキッチンに運び
飯寿司の準備に取り掛かる
大根、キャベツ、ニンジンを適当に刻んで
秋鮭をさばいて下処理した
すると１０時過ぎにゆうパックが届いた
オホーツクの友人からだ
中を開けると
バナナソックスなるものが入っていた
踵がない、微妙なカーブの靴下だ
なるほど、なのでバナナなのか
よく見ると、網目が裏表を巧みに使って
足に合うようストレッチになっている
どこの誰だか知らないが
マルティナさんという人の
魔法の毛糸を使用するらしい
凄く軽くて、ふわふわしてる
これで冬は心配なしだ
飯寿司を作った
毛糸の靴下が届いた
山に雪が降った
そろそろ冬じたくだ
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