ドラマについての考察①

今期のドラマでは「その女、ジルバ」が好評なようですが、この作品のテーマである「人生讃歌」から思い出されるのが、2003年に放送された「すいか」というドラマです。

「すいか」は「野ブタ。をプロデュース」や「Q10」を手掛けた脚本家木皿泉のオリジナル作品で、30代半ばの独身OLがハピネス三茶という賄い付き下宿に入居したことをきっかけに、何気ない日常の素晴らしさを知っていくさまを丁寧に描いたドラマです。

美男美女も出てこなければ大した事件も起こらないとても地味なドラマなのですが、それでこんなに面白い作品が作れるのかと感動したものです。

「ジルバ」との共通点としては、年齢を重ね人生に煮詰まった主人公が世間の常識(と信じられているもの)に縛られない人々と出会うことにより自由な心を獲得していくというプロットと、「全ての人生=多様性を肯定する」「どんな人生も素晴らしい」という力強いメッセージ性が挙げられます。

一見つまらなかったり惨めに思える人生であっても、少し視点を変えるだけでとても豊かさに溢れたものに変わる。

「ジルバ」が好きな方には「すいか」をはじめとした木皿泉の作品も気に入ってもらえるのではと思います。(「昨夜のカレー、明日のパン」もおすすめです。)


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