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本格的なリモートプロダクション時代へ


リモートプロダクションとスマホ


最近リモートプロダクションで配信をすることが増えてきました。
10月に熊本と佐賀よりスマホカメラ (LM-Cam:  https://www.lm-cam.net/ )を利用した、リモートプロダクションを実施しました。
今回のnoteは佐賀県様・ユニゾンシステムズ様よりの仕事の様子です。


配信システム

リモートの構成

配信システム図

カメラ: iPhone+LM-Camの1カメラで試合を撮影、同じ構成の1カメラで得点板を撮影。
光回線よりカメラ信号(SRT)を全て佐賀県の基山町よりリモートセンター(今回は渋谷LiveMedia本社:約1100Km)に伝送。本来は北九州のスタジオにPCを用意出来れば、NGN接続でWAN内伝送することも可能ですが、今回は熊本の配信で北九州スタジオを利用していたので、渋谷のpc4台で実施。
渋谷センターに用意されたpc+vMixにて映像を受信・PinP合成・蓋画・簡易CG運用を実施。
ネットワークは基本フレッツで、NGN+isp(IPoEベースで基本MAP-Eベースで統一)の運用を行い、時間や曜日による変動を極力ない形での運用を実現。
渋谷センターのpc+vMixは全て基山町体育館のスタッフにてリモート操作。
渋谷センターのpc+vMixより配信映像を佐賀県様のSAGA2024国スポ・全障スポに配信。

カメラ配置

構成としては以下の通り。4面にそれぞれ2台のiPhone/LM-Camを用意、決勝戦は別のコートでしたので、1コート目、3コート目を其々移動して対応。

カメラ配置

wifi

今回は電源ケーブルの養生なども極力減らすことを想定していたことより、全てのwifiについてPOE給電ベースで用意。センターにPOE-HUB (Netgear)を用意して、LAN線を2階の観客席前の手すりまで延長。その先にPOE対応wifi-apを用意。今回はS社とB社を用意。

電源ケーブルがない状態での設置が出来たことより、相当な時間や労力を減らすことが出来た。

スマホカメラ

今回は手摺りのクリップを用意し、全てのスマホ・カメラを手摺りに設置。
同時に落下防止策として金属ケーブルで対策を実施。
バッテリー接続し、10時間運用にも対応した状態で中継。

手摺り用クリップと落下防止用ケーブル

スマホをベースとした配信システムの最大のメリットはwifiで映像を伝送することにより、
1. 「ケーブルがない!」・・・パチパチパチ!
2.  電源もスマホバッテリーを用意し、接続して利用。
その為、クリップで手摺りに取付けを行えれば、画角やwifiの確認は必要ですが、他の作業(電源の確保やケーブル敷設+養生)が不要。
とても楽です。

スイッチ操作と監視

実際のスイッチング用pcは全て渋谷にある為、操作はPARSECを使ったリモート操作で実施。画面の右から2台目が操作pcで渋谷の4台を全てここから操作。(右から3台目がクラウドスイッチ管理用pc・・・レポートご期待ください。)
また、監視用pcが右側のpcで4面の配信画像を全てここで監視。

配信基地
(と言っても実際の配信は渋谷からです。。。)

実際の配信映像は以下。

全体的に

リモートプロダクションは最近は安定的な運用が可能になってきました。
実際には機材が基地(渋谷または北九州)にあるため、大きな機材の移動が不要だったり、基本設定は済んでいるので、準備が基本カメラだけだったりと相当な工数が減ってはいるのですが、やはり監視業務を現地で行う必要があることや、pcのモニターで監視出来る面には限りがあるなど、また操作pcが1台では4−5台の操作が限界かな?など色々課題がありそうです。

ただ、実際には準決勝から決勝、その後の表彰式なども配信をするために、カメラの移動をしました。スマホ+バッテリーが基本ですので、クリップから三脚への移設はありますが、簡単にカメラ位置などの変更が可能であり、柔軟な運営は可能でした。

クラウドスイッチも・・・・

今回はクラウドスイッチの検証も実施。レポートは別途。。。

今回も新しいことへのチャレンジをさせて頂きました、佐賀県様と株式会社ユニゾンシステムズ様には大変感謝しています。
ありがとうございました!

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