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ニュース(ライブ)中継としてのLM-Cam



経緯

札幌テレビ様の要望を受けて、ニュース収集・中継用としてLM-Camにトークバック(Talk-back)機能(連絡回線)を昨年末に開発をしてリリースをしました。
色々と検証やネットワークのパラメーターなどを調整されていたようですが、、

5月8日に

北海道は突然の雪になり、その際に北見地方の降雪状況を中継するためにLM-Camをを使った初中継をされました。
現地の記者はイヤホンマイクをiPhoneにつけ、LM-Camのtalk-back機能より確保したオーダーワイヤー回線より、本社の中継連絡の指示を聞きながら、
カメラワークを行ったようです。
iPhoneマイクから拾った現場音も利用され、TalkBack機能によって、スムーズな中継となったと評価を頂きました。

回線は

ネットワークは通常のキャリアの4G/5G ネットワーク契約のSIMを利用された模様です。
場所が山間部で伝送レートを稼げない状況と判断されたようで、解像度を1280×720に設定し、H.264、AutoAjustBitrate ONで3Mbps程度のビットレートで伝送をされたようですが、実際は3Mbps程度確保できていた模様です。
スマホはIPhone-SE(第2世代)を利用。

本社では

本社側vMixとpcを用意されて、現地LM-Camよりの伝送はSRTストリームをを受けて、vMixにて受信。
TalkBack送信もVmixで構築。
伝送された映像1280×720はvMixにて1920×1080iに変換して、SDI出力され中継素材として生番組にて利用されました。

ライブ中継に必要なもの・・

本部で必要なものは

  1. ネット回線(フレッツ):広帯域のネット回線であればフレッツ以外でもOK。なお、Fletsだと以下可能

    1. 支局とのNGN接続などでISPフリーのネットワーク構築が簡易に可能であり、WAN (Wide Area Network) の構築により素材の伝送や同一構内的なやり取りが可能です

  2. ISPは

    1. 固定IPは必須 (公衆網でSRT通信をする為には必須です。)

    2. IPoE契約が好ましい(一般的にPPPoE契約をされる方が多いのですが、現在NTTの支局のネットワーク機材が更新されないため、輻輳の原因になっているため、お勧めしません。。)

  3. FIrewallは必須?かと。やはり外部のネットと繋がりますので、 ルーター兼用も可能ですので検討すべきですね。

  4. ルーター (NEC/YAMAHAがお勧めです)

    1. ISP接続および社内ネットワーク用Gatewayとして

    2. 上記支局などとのNGN接続も可能。我々が良く使うルーターは以下のようなものです。

      1. yamaha https://network.yamaha.com/products/routers/rtx1220/index

      2. NEC https://jpn.nec.com/univerge/ix/Info/ix2107.html

  5. vMix-PCで以下の機能を実現します。

    1. 基本vMixで映像・音声を受信

    2. トークバック機能もvMix機能を利用

    3. ライブ映像をSDI出力として番組へ

      1. デスクトップ型+キャプチャーボード (SDI in/out) 付き: vMixはwindowsでのみ作動しますので、windows PCが必須です。また、出力としてSDIを使われるケースが殆どだと思いますので、市販のpcにキャプチャーボードを入れることも可能です。

ライブ中継現場で必要なものは、

基本iPhoneとLM-Camとキャリア回線だけです。

  1. LM-Cam: Appleストアよりダウンロードください。

  2. iPhoneは札幌テレビ様のiPhone-SE(第2世代)も大丈夫ですが、出来れば 11以降推奨です。なお、5G-SA(Stand Alone) SIM対応(別途理由は記述します)はiPhone14/15以降

  3. SIMについては、4G/5G契約が必要です。

    1. ただし、5G-SA 契約SIMが望ましいです。5G-SA(Stand Alone)について:現在の4G/5G契約のSIMは基本4Gネットワークに接続し、4Gの状態が悪い時だけ5Gに繋ぐような設定となっているため、伝送速度が安定しません。

    2. 一方の5G-SA(Stand Alone)は、SIMが別となりますが、基本5Gを掴んだら5G電波状態が悪くならない限り5Gを掴み続けます。そのため回線状態が安定するため、映像伝送などの広帯域(3Mbps〜)が必要なケースでは安定した伝送を実現します。ただし、5Gエリアは未だ限定的です。

    3. 参考までに

      1. https://www.au.com/mobile/area/map/ au 5Gエリアマップ

      2. https://www.softbank.jp/mobile/network/area/map/  softbank 5Gエリアマップ

  4. mobile battery:これはオプションです。一般的なモバイルバッテリーで対応してください。なお、長時間の運用などがある場合はモバイルバッテリーは必須です。

    1. なお、LM-Camを利用する場合、一般的なiPhone11,12ですと3時間程度でバッテリーを使い切りますので、10,000mAがあると連続使用がその3倍ほどになります。我々が良く使っているバッテリーは以下のようなものです。https://www.ankerjapan.com/products/a1623?variant=39363912335521

  5. handy ジンバルもあると便利です。やはり手ブレ対策としてライブ中継などではあると便利です。iPhoneはやはり小ささが売りではありますが、小さいが故に手ブレは避けられません。ライブ撮影を安定させる為にはジンバルはお勧めです。例えば https://www.dji.com/jp/om-5

全体としては

今回札幌テレビ様の要望でトークバック機能を開発しましたが、配信の機能としてのSRT通信や5G-SAを同時に検証・開発をしていますが、やはり5G-SAの安定度は群を抜いています。

5Gの時代・・・

5G-SAに加え5G-Slicingという一種の帯域確保型のサービスも控えています。当面はビジネス向けだとは思うのですが、5Gのエリアが本格普及期に入ってきたことにより今後ライブ中継や配信の流れも大きな転換期に入ってきていると感じています。過去でいうと、

  • i-modeがガラケーに搭載されたら・電話からメール・メッセンジャーに変わっていった・・・

  • iPhoneが出てきて本当に携帯は魔法のランプになった・・・撫でると何にでも変身!(カーナビ・ゲーム機・・・・)

  • 3G/4Gが普及して映像を本格的に携帯で見る時代に・・・

5GはAIに比較すると小さい変革かもしれませんが、今までと同じレベルで生活様式が変わるかも・・・

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