mRNAワクチンに対する危機感の無さ

AKIRAです。
本日は趣向を変えて。


従来型ワクチン

従来型のワクチンとmRNAワクチンには、コンセプトの観点で大きな違いがあります。

タンパクワクチンや不活化ワクチンはそもそもウイルスの力価がゼロなので感染のリスクがありません。
しかし、免疫原性が低いという弱点が改善点として挙げられていました。

mRNAワクチンの問題点

何度もいくつかの記事で、mRNAワクチンの問題点について述べてきた私ですが、そもそも私が危機感を抱いた最初のタイミングは日本で1回目接種が始まる直前でした。

というのも、mRNA自体そもそもが生理活性物質で使用後ごみのように廃棄される挙句、どの細胞に導入されるのかわからないランダム性があるといった、臨床で使用するにはあまりにもガタガタしたコンセプトだったので、「こんなものをワクチンとして利用しようと思ったのはなんでだろう?」と疑問に思ったほどです。

しかし、日本が1回目接種から2回目接種に移ろうとするときに、さらなる違和感に飲み込まれてしまいました。
ブースター接種の意味は?と。

その時ちょうどmicroRNAの勉強をしていましたので、そのときにmodRNAの話を知ったのです。modRNAとは、RNAを構成する塩基の一部が人工合成されたRNAのことを指します。とはいえ、そのmodRNAはmicroRNAに使われていたものなので、ワクチンとは何の関係もありませんでした。(ついでに言うとシュードウリジンでもなかったです)

ただ、ふと思ったのです。嫌な予感がしました。
まさかそんなことはないよな、と。

RNAの分解を防ぐためにそんなことしてねえよな?と。
……そうして、1メチルシュードウリジンの塩基修飾を知ったのです。そうして、心の中で。

「ついにやりやがったな」

と独り呟いたのでした。

遺伝子発現制御

塩基修飾を使うということは、RNAを排除するシステムにRNAが引っ掛からないようにするということ。
裏を返せば、それだけ分解されにくくなるということ。役割を終えたRNAをどうやって細胞から追い出すつもりだったのか、不思議でした。

そう思って厚生労働省やワクチン関連のページを見てみれば、「RNAは分解される」と書いてあるし。

いやいや、それがホントならスパイクタンパクの発現前にRNA分解されますやん。

と私は一人、目の前のPCに突っ込むばかり。

真剣に向き合う専門家は数えるほどしかいない

研究の世界は閉ざされた世界です。
専門の業界に沈み込めば、それだけ沼にはまっていく。真横のお隣さんの畑の様子すら十分にうかがえないほど、ほかの小分野の事情に疎くなります。

しかし、それでもmRNA技術は生命科学の遺伝子工学ではほとんど基礎的な分野の話であり、遺伝子発現制御の研究テーマを専攻している人間なら誰でもわかる話なのです。正直、私が記事に書いている内容もそのほとんどが教科書レベルの話であり、分からないとしたらそれは何も知らない一般人くらいなものです。

はっきり言って、今なおワクチン接種に積極的な研究者は目下重大な問題に対して向き合う気がないようにしか見えません。
重大な問題と認識していないのであればそれは明らかな勉強不足だし、違和感を覚えないのであればそれはノウハウの無さを露呈しています。正直生命科学研究に携わっている人間とは思えない発想です。

遺伝子発現制御技術の課題点

ウイルスベクターやトランスフェクションといった遺伝子工学技術で、我々は細胞の中で特定の遺伝子を高発現させる、あるいは安定発現させることができます。

しかし、この遺伝子発現の技術には、大きな課題点があります。
それが、導入したベクターやプラスミドをどうやって細胞から除去するのか、といった点です。論文やその手の分野では、もはや周知の事実であるゆえにほとんど語られることはありませんが、昔の総説をあさったりするとその話を書いているものも出てきます。

このリンクは、昔というよりも数年~十数年前程度の総説ですが、この総説で解説されている核酸医薬品の種類は、siRNAやmiRNAなどのタンパク質を合成しないRNAで、ヒトゲノム上に存在する遺伝子にかかわるRNA製剤のみしか扱っていません。

なぜだと思います?
無論、安全上の理由のためです。

siRNAなんてまさしくその最たるもので、標的の配列を狙って発現調節を行うため、オフターゲット効果(狙ったもの以外に効果が出てしまうこと)が起こりにくいのです。
miRNAなんて、以前私の記事で解説した通り、ヒトの細胞の中で合成されているものでもあります。

mRNAワクチンとはコンセプトからしてレベルが違うのです。

http://nats.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20180618124758-27E955BDA63726C5DFF127C456137296CDF27CCC6BFEA88D51803DD53017E875.pdf

そして、この↑の総説は、核酸医薬品についての安全性評価モデルについて書いています。
総説の内容としては、非臨床試験(動物実験も含む)の試験過程の見直しですが、かなり複雑な過程を通過して上がってきているのがわかると思います。

著作権上の問題を避けるため、本記事でその内容を載せることは控えさせていただきますが、毒性試験一つとっても細かい内容が検証されていることがわかるかと思います。開発ステージも厳密に、そして長期間にわたる検証の必要性を説いています
これは、遺伝子製剤が発現をいつまで保つのかがわかっていないために、どうしても長期間(少なくとも数年)の評価が必要なためです。

必要な検証をやってない

本当にいい加減にしてほしいですね。
中途半端な技術を使うとどうなるかをわかっていない証拠。
一般の方にはこの情報は普及しないのでなおのこと性質が悪い。

まあ、つまりはそういうことです。
私が詐欺だと断じた理由はここにあります。

せめて、今すぐ必要な細胞レベルの検証はやるべきでしょうね。

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