「道しるべ」は、スウェーデン出身の第二代 国連事務総長 ダグ・ハマーショルドが書き綴った心の日記です。ハマーショルドは1961年にコンゴでの和平ミッション遂行中、搭乗機が墜落して事故死するまで国連事務総長を務め、後にノーベル平和賞を受賞しています。ライフネット生命創業者で、立命館アジア太平洋大学学長でもある出口治明さんも紹介されています
国連事務総長という表舞台の陰で、彼は孤独に包まれながら、この日記の中で自分の見つめ、悩み、苦しみ、そして、自身と対話をしています。この本は、私たちに、彼の高貴な精神にふれさせてくれるだけでなく、彼が私たちと同じように、日々、自信を無くし、他人に嫉妬し、うなだれる様子も垣間見せてくれます。
私はこの先、毎年、必ずこの本を開き、自分の人生の「道しるべ」として何度も読み返すことになると思います。文語調の翻訳も素晴らしく、読書のすばらしさを再認識させてくれる一冊です。