デジタル社会で抹殺される人
こんにちは、堀北晃生です。
幕末の志士、「新選組」の局長と言えば、近藤勇をイメージされると思います。
しかし、元々は二人いたというのはご存知ですか?
それは芹沢鴨(せりざわかも)です。
この芹沢鴨は、仲間であった新選組から、殺されてしまったのです。
なぜか?
新選組は当時、京都の治安が悪くなったため、街の警備員のような活動をしていました。
そのことにより、治安が良くなり少しでも安心して生活ができるような街になったことで感謝されるようになりました。
京都の街を歩くだけで、新選組はチヤホヤされるようになったのです。
しかし、この局長であった芹沢鴨は、周りから褒め称えられることが続き、謙虚さのかけらもなくなりました。
そして、肩で風を切るほどの横柄な態度を取るようになったのです。
芹沢鴨は大酒飲みで有名ですが、よく京都の至るところで飲み歩いていました。
そして、その店主が態度が悪いと文句をいい、斬り殺すこともあったそうです。
また酒の場で態度が悪いと女性に文句を言い非道得な行為を繰り返していたそうです。
「俺は金を払っている客だ」
というようなことを言ってわがまま言いたい放題やっていたそうです。
そのうち、芹沢鴨が来るとなると、店側も警戒し、トラブルが起こらないように身構えていたそうです。
そこで、当時新選組を守護職に任命した、松平容保(まつだいらかたもり)は、
「あの芹沢鴨をなんとかせい」
ということで新選組に命令したそうです。
「なんとかとは、どのようなことでしょうか」
と聞き返すと、松平容保は「もちろん斬(き)れということだ」といいました。
そこで、文久3年(1863年)9月18日雨の日の夜。(*諸説あり)
芹沢鴨が夜寝ているところに、新選組の土方歳三をはじめ4名のメンバーで、局長の芹沢鴨を刺殺したのです。
芹沢鴨は敵ではなく仲間であった新選組に斬り殺されてしまったということです。
時代を超えたどの世界にも、社会人としてのマナーがあります。
言っていいことと言ってはいけないことがあると思います。
一社会人として常識のある言葉を選び、周りの秩序を保ちながら言葉を選ぶことは大人として当然なことだと思います。
芹沢鴨のように「俺は金を払っている客だ」と言いたい放題わがままをいい、周りの空気も読まずに輪を乱す行為は、最終的に社会から抹殺されてしまいます。
昔のように品性のない、チンピラのような人がこういった態度を取るのはよく見るかもしれません。
しかし、今は普通のサラリーマンだったり、ごく一般的な人がそのように変貌してしまうことがあります。
飲食店でも酔っ払って店員に絡んでいる人をたまに見かけますが、よくよく見ると安臭いチンピラではなくごく普通の社会人。
一社会人として失格ですね。
周りの人から冷めた目線で見られているのに、恐らく本人はそれすら気が付かないでしょう。
このデジタル社会の中では、いきなり背中から斬り殺されることはないと思います。
しかし、数多くの情報に触れる私たちは、自然にいろんなものに対して、ラベル付けをしていきます。
「あの人は危ない人」
「あの人はキレる人」
そういった気持ちは言葉にはせずに、心の中でタグ付けし、表面的な付き合いだけに制限し、相手を自然な形で無視するようになります。
そのような態度を取る人を見ると、周りの人の心にはこのような声が聞こえているはずです。
・あの姿を見た家族はどう思うのか?
・横柄な態度をふるう姿を先祖はどう見るのか?
・生み育ててくれた両親はどう思うのか?
かわいそうですが、これが社会の現実です。
お金を払ってサービスを受けるのは、払った側が偉いのではなく、双方の取引関係に過ぎません。
それをあたかも金を払っているから、偉いなどと言って暴言を吐くのは、愚の骨頂ですね。
芹沢鴨のように斬られることはなくても、「無視」という形で社会から抹消されるかもしれません。
デジタル社会と言えども、ルールとマナーがある立派なコミュニティです。
相手を侮辱したり、デリカシーのない質問を平気で人前ですることは周りの人の志気を下げる最低の行為だと思います。
「もしかしたら自分がそうなっていないか?」
言葉の選び方や普段の態度も、見直すことも必要かもしれませんね。
追伸:先日京都に用事があり、芹沢鴨が暗殺された、八木家というところに行ってきました。
映画「燃えよ剣」では広いところで暗殺されていますが実際はかなり狭いところで斬られたそうです。
横柄な態度は社会から抹殺されるのは、昔も今も変わらないかもしれませんね。
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