行動活性化の原理と実践 - 純粋タクトとトラッキングの観点から
どうもアキオです
今回は下記の本を読んで,
自分が特に好きな行動療法である「行動活性化」について
詳しく説明されていたので,それをアウトプットしてみました。
はじめてまなぶ行動療法
私が行動療法の中で特に好きなのは行動活性化です。
なぜなら、行動活性化は自分自身に対してもセルフマネジメントとして活用できるからです。生活リズムが乱れたり、朝起きるのが難しくなったりした時に、行動活性化の手法を用いることで、自分の行動を適切に調整していくことができます。
行動活性化の概要
行動活性化は、うつ病をはじめとする心理的問題に対して用いられる効果的な心理療法の一つです。
行動活性化では、まず自分の行動に対するアセスメントを行います。毎日の行動を記録し、それぞれの行動に対して「楽しさ」と「重要度」を5段階で評価します。これにより、自分の行動パターンを明確にし、適応的な行動を増やしていくことができます。
私自身、一時期Excelを使って行動活性化に取り組んでいました。
自分の行動の記録を1週間程度した後に、今度は、行動計画表を作成し、目標とする行動を設定します。
ただし、私の経験から言うと、あまりに厳格な計画は逆効果だと感じています。ある程度の柔軟性を持たせることが、継続的に取り組むコツです。
計画に沿って行動し、セラピストからの正のフィードバックを受けることで、適応的な行動が強化されていきます。
言語行動
ここで、言語行動の観点から行動活性化の原理を見ていきましょう。
言語行動とは、言葉を用いてコミュニケーションを行う行動のことを指します。言語行動分析(Verbal Behavior Analysis)では、言語行動を機能的に分類することで、言語の獲得や言語を用いたコミュニケーションの問題を理解し、介入方法を検討します。
言語行動は、大きく以下の2つに分類されます。
マンド(Mand) 要求や依頼など、話し手が聞き手に特定の行動を求める言語行動。例えば、「水をください」というマンドは、聞き手に水を渡す行動を求めています。
タクト(Tact) 事物や事象の叙述や報告を行う言語行動。例えば、「今日は晴れだ」というタクトは、現在の天気について述べています。タクトは、純粋タクト(正確な叙述)と不純タクト(不正確な叙述)に分けられます。
行動活性化において、言語行動、特にタクトが重要な役割を果たします。自分の行動を正確に記録・報告することは、純粋タクトに当たります。この純粋タクトに基づいて行動することを、「トラッキング」といいます。
はい、いきなりトラッキングが登場しました。トラッキングについてもう少し詳しく説明を加えます。
トラッキング
トラッキングとは、話し手が発した叙述的言語行動(タクト)を聞き手が参照し、それに基づいて行動することを指します。例えば、「水だ」というタクトを聞いた人が、その情報を参考にして水を取りに行く行動がトラッキングに当たります。
行動活性化においては、このトラッキングの概念が自己管理の文脈で用いられます。つまり、自分の行動を正確に記録し(純粋タクト)、それを参照して適切な行動を選択・実行する(トラッキング)ことが、行動活性化の中核をなしているのです。
私は、この「純粋タクト」と「トラッキング」の概念に強く惹かれました。自分の行動を客観的に見つめ、適切にフィードバックを与えることの重要性を実感しています。行動活性化は、まさにこの原理を実践に移す方法論だと言えるでしょう。
以上のように、行動活性化は、自分の行動を適切にアセスメントし、計画に沿って実行していくことで、適応的な行動を増やしていく心理療法です。言語行動の観点から見ると、「純粋タクト」と「トラッキング」が行動活性化の原理として重要な役割を果たしていることがわかります。
【まとめ】
行動活性化は、うつ病などの心理的問題に対する効果的な心理療法
自分の行動を記録・評価し、適応的な行動を増やしていく
言語行動の観点から見ると、「純粋タクト」と「トラッキング」が重要
自分の行動を正確に把握し(純粋タクト)、それを参照して適切に行動する(トラッキング)ことが行動活性化の核心
では今回はこのへんで
皆さんも行動活性化を利用して自分自身の行動をマネジメントしてみてくださいね