【フランス】モン・サン・ミシェル2
島は京都の清水寺と似ている印象だった。
修道院までの参道の坂道にお土産屋さんがひしめいていて、眺めの良い中腹には観光客用の名物レストランが並んでいた。
清水寺では緩やかな坂だが、この参道はかなりの急角度であった。息を切らしながら登った。
上部にある修道院は荘厳で落ち着きがあった。暗い室内に漏れる光の陰影が美しかったが、何より良かったのは最上部に近いテラスだった。
どこまでも続く海原を遠くまで望め、心地よい潮風を感じられた。
ゴシック調の彫り物があるテラスから水平線を眺めていると、自身に持つ時代がなくなり、昔も今も時間が無くなるような、そんな感覚を感じた。
ずっとテラスにいたかったけれど、バスの時間が不安だったので、早々に修道院を後にし名物のふわふわオムレツを頂いた。
残った時間にお土産屋さんを物色したのだが、セントジェームスのカットソー が売られていた。しかも当時の日本で10000円くらいのものが、なんと!3000円だった。
なるほど、セントジェームスのマークはモン・サン・ミシェルだ。
私はカットソー を4着も購入して、言葉の不安から早めに帰りのバスに乗ったのだった。