でき太くん三澤のひとりごと その149
◇ 能力開発のポイント
さて、私のように20年以上子どもたちの学習をサポートさせていただく仕事をしていると、「能力開発のポイント」がわかってきます。
数多くの成功例、それと同じくらいうまくいかなかった事例。
そうした経験から、少しずつポイントがわかってきました。
まず一番重要なポイントは「継続性」です。
これはお子さんの能力開発や学業の面で成功されているご家庭では、ほぼ100パーセントといってよいくらい共通していることです。ひとつのことを淡々と、土曜日も日曜日も、クリスマスでもお正月でも続けています。
習慣化に値すると決めた「課題」を、日々淡々と継続しているのです。
ただ、この「継続すること」が、実は一番むずかしかったりします。
日々生活をしていると、さまざまなことが起きてきます。
子どもが急に熱を出してしまったり、、、
学校の宿題が急に増えたり、、、
習い事が本格的になり時間がなくなってきたり、、、
お母さまがフルタイムの仕事をはじめて、ゆっくり子どもの学習を見てあげられなくなったり、、、
私たちの生活には、こういった「続けること」を妨げるようなことがいくつも起きてきます。
もちろん、成功されているご家庭でもそういった問題は起きています。
では、成功されているご家庭ではその問題をどのように解決しているのでしょうか。
ここが知りたいところです。
まず、確実に習慣化させたい課題(確実に力をつけていけると判断した教材)については、学校に登校するまでの朝の時間帯で取り組んでいる事例が多いです。私の主観では、80パーセント以上が「朝学習」である印象を持っています。
継続性があるご家庭は、朝の時間帯の使い方が非常に上手だと思います。
「朝」の時間帯を上手に使えるようになると、上述したような継続性を妨げる問題は概ね解決してきます。
たとえばもし、お子さんが急に熱を出してしまったとき。
健康あっての学習ですから、当然こういうときは学習を進めることはできません。まずはゆっくり身体を休めることが必要です。
体調がよくなったら学習の再開となるわけですが、朝の時間帯の使い方が上手なご家庭では、学習リズムを取り戻すのが早い印象があります。理由が何かわかりませんが、体調をくずして数日学習を休んでも、またすぐに元の生活リズムに戻っていきます。
私はこの理由は、朝という1日のスタートとなる時間帯を「主体的に活用している」ということが影響しているのではないかと思っております。
朝はいつも慌ただしい。毎朝お母さんが子どもを起こしにいく。
学校はいつも遅刻ギリギリで、朝食もそこそこに登校。
このような主体性がなく、いつもだれかに促されて1日をスタートするようなケースだと、体調を崩したあとに、そのままズルズルと学習リズムを崩してしまうという事例が多いからです。
1日のスタートとなる「朝」を、どのように過ごすか。
これが「継続性」にも大きな影響を与えているように思います。
以前、東京の有名な進学校に通われているお子さんの学習をサポートさせていただいたこともありましたが、このお子さんは、夜は遅くても10時くらいには寝て、朝は4時に起きます。そこから宿題やら自分の課題を取り組み、登校します。放課後は、習い事をいくつか消化し、帰宅後は宿題をできる範囲まで片付ける。その後は夕食、おふろ、就寝というような流れです。
その当時の私は、「4時って、まるで僧侶みたい、、」と思ったものですが、物事を継続し、確実に結果を出していくにはこういう時間の使い方の工夫が必要なのだなと感じたものです。
私がこの仕事を始めたばかりの頃は完全な夜型で、就寝は概ね午前2時か3時でしたが、「朝から充実しているお子さんたち」に影響され、ある時期から朝型に移行していきました。
自分がもし「朝型」に変わったら、どのような変化が起きるのか。ちょっと試してみたい。
そういう好奇心もあったように思います。
夜型から朝型への移行は、最初は本当に大変だったのを覚えています。
この大変さを乗り越え、しっかり朝型の流れが定着したのは、その当時学習サポートを担当をさせていただいていたお子さんたちのおかげだと思っています。
「子どもがしっかり朝から主体的に活動できているのに、自分ができていないのは情けない」
そういう思いが、自分を奮い立たせてくれました。
3ヶ月ほどすると、次第に朝型も定着し、苦もなく過ごすことができるようになってきました。
やはり、新しい流れが生活の一部となるにはこのくらいの時間がかかるのですね。
朝型の流れが定着して、まず最初に感じたことは「充実感」です。
朝という1日の始まりの時間帯に、自分の課題をしっかり消化する。
1日が主体的にスタートする。
1日を自分の意思でスタートしている。
これが、充実感へとつながっていくのだと思います。
朝型になってから、仕事の効率も変わったように思います。
夜遅くまでズルズルと仕事を引きずるのではなく、午前中から一気に仕事を進め、16時頃には概ね仕事は終える。
それによって読書の時間も増え、自分をさらに向上させていくことができる。半年もすると、朝型は実にいいなと実感するようになっておりました。
「継続性」の鍵を握るのは、朝の過ごし方にある。
このことは知っておいて損はないのではないかと思います。
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