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茶琴神明 第三回伝統音楽レクチャーライブ

コロナ禍とともにスタートした「音楽で紐とく《にほん》」は、昨年のコロナ禍で、何とかオンラインでにほんの音楽について発信しておきたい、と師匠自らがyoutube 動画で始めた講話シリーズです。そして、今回は満を持して、家元をお招きしてのリアルな演奏会と相成りました。

まずはじめに、箏曲「春の曲」。古今和歌集の春の和歌を吉沢検校が琴の調べに乗せて、紡ぎ出す春の情景。いつの代も巡り来る春を想い、こころを落ち着かせることができるのは、にほんの唄舞のこころなのか、とうっとりと聞き惚れます。

そして、家元による本邦初公開の新曲は「大和の四季」です。恥ずかしながら、プロの長唄を拝聴するのは初めてで、少し緊張していました。家元とお弟子さんの「初春の~、」という第一声で、思わず身をのり出します。まさに新年の幕開けのように、厳かにそして力強く、まるで大舞台の最前列にいるかのように、圧倒されました。それから、繰り広げられる、大和の四季折々の唄に筝と三味線が調子をつけていきます。

唄のこころと、糸の調べが奏でる音楽は、季節が巡り、人もうつりかわり、この世が花の一生のように形を変え、新しいいのちが生まれてくるようです。それぞれが、声や楽器を通してとても繊細な振動を発して、観ている人のこころを震わせます。家元のお人柄もあり、にほんを大事に思う気持ちが込められ、そうした温かさに包まれているような気分になります。我が師匠も弾き唄いを二回も演奏しながら、にほんの音楽の解説を行い、お客様をお迎えする準備から応対まですべてをこなし、こまやかな気遣いが行き届き、みなさん笑顔でお帰りになられました。

コロナ禍ではありますが、ほっこりした気分になる演奏会。来月、5月には「勧進帳」が予定されています。こちらも楽しみにしています。

◼️茶琴神明(佐倉・古民家カフェ)
http://www.chagoto-shinmei.jp/

◼️茶琴神明(Youtube チャンネル・会員のみ)
https://www.youtube.com/channel/UC51IXLL9J-_1pWtP9x3qc4A


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