長く愛用しているもの。
引き続き「いいもの」について考える日々が続いている。ここしばらくそればっかり。
「あなたが長く愛用しているものを3つ持ってきてください」
少し先に控えている面接の〝持ち物〟に、そう書かれていた。
長く愛用しているもの。
大事にしているもの。
ずっと愛用できるくらい丈夫なもの。
これはアタマで考えるのではなく感覚で選ぶやつで、形のかわった自己紹介なんだなと思っている。そして、それだけでちょっと面接が楽しみになってしまうあたりが私の素直でいいところ。
さて何を持っていこうか。
ひとつは、その質問をみたときにすぐにコレだ!と思い浮かんだ。
高校生の頃、家族が多摩動物公園に行ったときに買ってきてくれたおみやげのマグカップ。20ン年ものか。五味太郎さんのゾウのイラストが描かれている。私は家族でお出かけなんてイヤだと留守番をしていた。
動物園のおみやげにこんなにオシャレなものがあるのかーともらったときにビックリしたのを覚えている。ライトグレーの地にこげ茶のシンプルな線で描かれたゾウ。ひとめで気に入った。
ほうじ茶、緑茶、紅茶、ハーブティ、ホットココア、コーヒー、、あたたかい飲み物を飲むときはいつも使っていた。ココアを淹れたときのカップとの色の組み合わせが優しくて好きだった。
もちろん今も使っている。そして当時のツンツンした娘へのあたたかい親の愛情も今頃になってあらためてかみしめている。
もうひとつは、クライミング用のFAZAのブラシ。岩についたチョークを落とすために使う。ブルガリアのブランドで木を削って作られたそのブラシはひとつひとつ手作りで、木目を活かしたものもあればペイントされているものもある。
外岩に行きはじめたときにビビットなピンクのブラシをクライミング仲間からもらった。まだ3年モノだけれど、これからもずっと大切に使う予定。きっとクライミングがなかったら、私は暮らしや生き方、考え方、いいものとは、環境とは、自然とは、みたいなことを深く考えることもなかったし、文章を書くこともなかったし、一人暮らしや転職なども考えなかったかもしれない。それほどまでに影響を受けたものを素通りはできない。これから長く愛用していくものとして持っていきたい。
最後のひとつは、悩んでいるけどやっぱり大大大好きなデニムだろうか。年季の入ったLevi's501。これも15年?もっと?くらい履き続けているもの。愛用していることすら忘れてしまうくらいだけれど、いくつになっても白Tシャツとデニムの似合う人でありたいという思いは昔も今も変わらない。
だいたいこれで決まりかな。
長く愛されるものにはきっと理由がある。
好きな理由の奥には
そこにはきっと私の大事だと思うことがある。
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