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もう一人の僕

 弟が胃痛で受診した、ピロリが陽性だったので私も検査することになった。
5歳以上は感染しないもので、おそらく祖父母から貰ったんだろう。

 中3の受験前には胃痛が当たり前で、毎日胃薬を飲んでいたし、寒い日にお腹を満腹にすると吐いてしまう為一人前を完食できない。
あと高級なお肉と油ラーメンの前にはスクラートGを飲まないと食べれない。
私にはこれが当たり前だったけど、よく考えたら異常だったのかもしれない。

結果発表では基準値の10倍の値が出た。
「あーこれ間違いないねッw」と医者が笑ってた。
なにわろてんねん。笑いながらオッサンは二択を提案してきた。

内視鏡検査なし自費で内服(1万円)
内視鏡検査あり、市からの補助金で内服治療(3千円)
私の地域では胃がんリスク検診は割引で受けられた。
このクリニックには内視鏡がなかったので、利益を優先したのか自費治療を強く勧めてくる。

内視鏡苦しいよぉ〜??とかお薬さっと飲んで治した方がいいよ!!とか。

けど皆気をつけてね!!
若いうちの癌は進行しやすいし、胃炎による変形のしかたによっては今後も継続的に観察が必要な場合もあるので!!発覚したらちゃんと内視鏡したほうがいいよ!!!
そもそも内視鏡しないと補助でない時点で検査推奨がスタンダードってことだし、癌になってからヤブを恨んでも遅いからね・・・・

内視鏡しない事へのデメリットを言わなかったので奴は恐らくヤブなんだけど、やんわり三回くらい断ってようやく解放された。

私は即座にスマホで沈静ありで内視鏡件数の多いクリニックを調べた。
これはマジで覚えといたほうがいい、

内視鏡検査はクリニックによって沈静麻酔の有無がある。


(しかも紹介案内の紙には提携先の病院名と住所電話番号だけがいくつも並んでおり情報はない。)

鼻から入れるカメラは小さく苦痛も少ない。
が、今回のように確定診断の際は解像度の高いお口からのカメラでほぼ確定なのだ。
つまり、めちゃ太い
そんな時に沈静が助けてくれる。

メリットは精神的苦痛が少ないこと、デメリットは意識的に協力できないので見えづらい部分があること、麻酔のリスク。あと自費での課金が少し必要なこと。(詳しくは調べてね!)

でもそんなんどうでも良い、地獄のような時間が金でどうにかなるならそうしたい。

 当日朝、色々検査を済ませ点滴を入れられる。
吐き気どめを筋肉注射されて痛い顔をしてたら。
「痛いことばっかでごめんねぇ」と言われた。
老人の多い病院のため、私はおばちゃん看護師から赤ちゃんだと思われていた。

 胃の泡を消す液を飲む、ほのかな塩に独特の匂いで非常にまずい。
そして麻酔を口に含む、口の中が痺れて喉がモヤッとする!何回飲み込んでも喉元がスッキリしないのでストレスだ。早く終わってくれの気持ちになった。

 いよいよベッドに寝かせられる、ファイバーは細めのギョニソーくらいの太さだったので今すぐ逃げ出したくなったが大人なので我慢した。
麻酔を点滴から流して、さっきの看護師さんが来た。
トントンと背中を叩かれて、私はついに赤ちゃんになった。

「まつげ長いね~!良く言われるでしょ!」
突然看護師に言われふへへと愛想笑いする赤ちゃん私。

ギャグボールみたいな器具を噛んでいるので喋れないまま(これ・・・マツエクです…)と思った。
記憶はそこで終わっている。

というか四畳半神話体系のエンディングみたいだ。
覚醒直前、めっちゃ苦しかった気がする…が、時間が急に倍速の早送りになっていてギュッと短縮されて苦しさを味わっているようだった。

他の方が夢うつつと言っていたけどまさにそれで、夜中に地震で起きちゃった!けどまたすぐ寝ちゃった!の感覚に近いのかもしれない。
だからホースが気持ち悪いときとかで意識が戻ったときだけ覚えてるから短く感じるのかも?

 とにかく完全に覚醒してからは、麻酔が効きづらい体質らしくマシマシに足したこと、目が開いてて普通に意識があるような振る舞いだったことを聞いた。その記憶は全く無い。

 酒でベロベロになった時も常人を装うように訓練されているから、その人格が変わっていてくれたのかもしれない。
ありがとう、もう一人の僕。

今は喉の激痛だけが残っているだけで普通に元気になっている。

以上が私のレポートです、今後誰かが受ける時の参考になりますように!!


PS、鎮静は急変に備えて検査中ずっと付き添いが必要、運転して帰れません!!
その日の記憶が消えることもあるので予定は入れないこと!!

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