近所のばあちゃんの不思議
幼なじみの家は、ばあちゃんがものすごい権力を握っていた。粋なばあちゃんは元芸妓だったらしく、キセルをカンっとしてフーとしていた。らしい。
嫁である幼なじみのお母さんは結構大変だろう。と容易に想像できるほどの気の強さで、物事をハッキリというタイプで、内弁慶のくせにぼやっとしたうちの祖母とはあまり仲も良くなかっただろうな。とも想像がつく。
その近所のばあちゃんは幼なじみの父親である長男を溺愛した。
長男はある時、余命3ヶ月の前立腺癌を宣告された。
嫁であるおばさんは、管理栄養士であり、いろいろな情報を集めて、マクロビを学び、あらゆることを試していた。
おばさんは、底抜けに明るい人で、どこにいても笑いを生み出す福の神のような人だった。感性の鋭い方で、見えない世界との接触もあった。
当然、占いやら、見える人に見てもらうこともあった。御嶽山に一緒に登った先生の足が宙に浮いていたことも目撃していた。
ある日、あんたのとこの婆さんは、息子を守っている。といわれたらしい。その時はピンとこなかった言葉が夫が亡くなった後にわかった。
おじさんは、驚くことにその後13年生きた。
途中でばあちゃんの方が認知症や病気にかかり、全てを託されていたおばさんは大変だったろう。
おじさんの葬儀を終えて2週間後にばあちゃんが亡くなった。
ばあちゃんはお役目を無事に終え、この世を去ったのだね。
さて、わたしはどんな役目があるのか、これからシングルマザーになる身でね。第二の人生です。このタイミングでふと思い出した。ばーちゃん話でした。
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