脳は「考えないこと」ができない

突然ですが、皆さんに質問です。
「 10秒間 ”赤色” を想像しないでください」

どうだろうか。いくらかの人は “赤色” を想像してしまったと思う。そして多くの人は、 “赤色” を想像しないために “赤色” を意識したと思う。

脳は「考えないこと」ができないのだ。例えば、あなたが先月別れたばかりの元カノを忘れられないとする。あなたは元カノを忘れようと意識すればするほど、元カノを忘れられなくなる。すなわち、脳は「考えない」ようにするほど「考えてしまう」パラドックスに陥るのだ。

例えば、仕事や勉強でもそうだろう。集中するためにスマホを触らないようにしようと意識するほど、スマホの存在が気になってしまう。脳に特定のものを意識しないように言い聞かせることは逆効果なのだ。

では、どうすれば実際に脳が「考えない状況」を作れるのだろうか。

ここでもう一問、皆さんに質問です。
「 “赤色” を想像してください」

皆さんは “赤色” を想像したと思う。ここで “緑色” を想像したひとはいないだろう。そんなのは当たり前じゃないかと言われそうだが、これが脳が「考えない状況」を作る方法なのだ。

脳は「考えない」ことはできないが、「考える」ことはできる。そして「考える」ことには容量がある。いくら容量のいいひとでも、 “27 × 34” を暗算しながら、昨日の夕飯を思い出しながら、 “緑色” を想像できるひとはいないだろう。つまり、「考えたくないこと」がある場合は、他に考えるべきことをたくさん作ることで脳が「考えない」状況を作り出すことができるのだ。

元カノのことを忘れられないあなたも、新しい女の子を見つけて、休日は趣味に没頭すれば、元カノのことを考えなくて済む。仕事や勉強中にスマホが気になってしまう場合は、他のやるべき仕事や勉強のことを考えたり、あるいは読書や運動について考えると、スマホが気にならなくなる。(それで仕事や勉強が進むかはまた別問題だが)

つまり、まとめると脳は「考えないこと」ができないように作られている。「考えたくないこと」がある場合は、「他の考えるべきこと」を見つける努力をしようというお話でした。

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