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旅に出る。私のそれは、自分に飽きているサインなのだと思う。

自分の当たり前の中で生きてるうちは、”その界隈”としか分かり合えない。世界を狭めていたのは、紛れもなく自分自身だ。

小さな箱に自らおさめてしまう自分が、失敗を恐れて正解を置きにいく自分が、ハレーションを起こさないようにうまく立ち回る自分が、時々とんでもなくつまらなくなる。

だから私にとって自分で自分を解放して、枠を外す儀式みたいな、自分の中に出来上がった当たり前を壊す習慣が一人旅なのだと思う。

旅に出る。
私のそれは、紛れもなく今の自分に飽きているサインだ。

知らなかったことを知り、トラブルを乗り越え安堵したり、新しい出会いを楽しんだり、不安になったり、孤独で寂しくなったりしながら旅をする。意識的にそういう風にしないと本来の自分を見失ってしまうような弱い人間であり、でもいつでも仕事をストップしてゼロになる勇気はある。

ひとりぼっちの自分が、世界と繋がっている感触を確かめる。自分が生きているのは世界のほんの一部なのだと気づけて笑えてくる。そうやって旅での経験、見たもの感じたものがアイデアになり、仕事になり、血肉になり、私という個性として人生に反映されていく。それがたまらなく楽しいし、それが私の人生なのだと思う。

コロナになる前は1年に1ヶ月は旅をしていたのがここ3年パタリと途絶えていたが、昨年末に仕事でシンガポールに行ったのをきっかけに「そろそろ行くタイミングだな」と自分の中で確信めいたものがあった。

「今は好きな映画を二度見るようなことよりも、見たことないものを見にいったほうがいいね。」

ある人の一言に後押しされて、2020年コロナでロックダウンになる前の3ヶ月を暮らした大好きなニュージーランドに再度行く予定だったのを急遽変更。

行き先は、インドだ。

学生時代にも勇気が出なくていけなかったインドに、まさか37歳にしていくことになるとは。直前に申請したビザと到着した日から数日の宿だけ予約して片道切符でバタバタと出発。いつ帰るかは決めてないけど、3年ぶりに背負ったバックパックはずっしり重たかった。


最近、自分の当たり前が凝り固まってることに気づいていた。そしてそんな自分に飽きていた。

5年前。イスラエルとパレスチナを旅した時、自分の当たり前がガラガラと崩れる音がした。宗教、異文化、匂い、感覚、見るもの全てが新しくて猛烈に思考と感情が刷新された。

今回もあの時みたいに自分の中に育った当たり前を壊す旅をしたいなと。刺激的で冒険的で、それでいて自分と深く繋がるような。それにはきっとインドは最高の行き先だと思えてならなかった。

見たかったものを、目をかっぽじって見て、聴きたかったものを、耳を澄ませて聴く。そして心で感じて、湧き上がる新しい感覚を自分の中に取り込んできたい。

Break my standard, Live a new standard.

まず向かうは南インド。
インドの理想郷と呼ばれる世界最大のエコビレッジ、オーロヴィルへ。

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