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35歳。祝いのプロであるわたしは、自分の人生の節目をどのように祝ったか。<誕生日までのやることリスト>

2020年9月19日、35歳になりました。

母が私を産んだのが35歳、そう考えると私も随分大人になったのだな、と妙に納得してしまう年齢になった。

父の他界、カラダと心の悲鳴、休職してニュージーランド暮らし、新型コロナ、母の癌宣告、CRAZYからの半独立、ブランドの立ち上げ・・・と。

34歳はなにかと変化と決断が多い1年で、そりゃもうジェットコースターのようだった。書き出すだけで出来事の多いこと、多いこと、、、、目まぐるしい。

ちなみに、34歳の誕生日は病床にいる父と共に過ごし、父のこれ以上の延命治療を断った日で、「死と向き合うことは、生と向き合うことだ」と命のリアルを身を持って感じたのがたったの1年前のことだなんて驚きだ。

実は私にとって「35歳」は、昔から「どんな風に迎えたいだろう」と考えていた節目の年だった。

「30歳」も特別だったけど、それ以上に「35歳」は、40代に向かう大きな人生の切り替わりタイミングな気がして。だから35歳で独立しよう!とか、35歳で子供を産もう!とか、35歳で海外に拠点を移そう!とか、20代の頃からかなり色々とライフプランを描いていたのだけど・・・

でも実際はその「35歳」は自然とやってきて、自分でも驚くほど気張ることも、何かを決めることもなく、流れるように人生の変わり目の波に乗った感覚で迎えたのだった。

私は普段「お祝いのプロ」として、人生の節目をとても大切にしている。

節目を意図的に持つということが、人生を肯定する機会にも、そこから人生をはじめるきっかけにもなると知っているからだ。

結婚式、誕生日、成人式、お食い初め、還暦・・・・人生にはいくつもの「節目」や「お祝い」のタイミングがあるのだけど、ただ単にその祝賀的出来事だけが取り上げられていて、世の中の、人生の、「祝いが形骸化していること」を私は危惧している。

成人式が、誕生日が、お食い初めが、めでたいわけじゃない。

どんな気持ちでその日を迎えるか、どんな風に自分の節目を捉えるか、どんな時間を大切な人と共有するか、そもそも「何を祝うのか?」を考えることのほうが人生においては大切なんじゃないだろうか。

そのほうが美しくて、そのほうが人生を豊かにする、本質的な「祝い」になるとわたしは信じている。

大切にしたいのは、「誕生日のその日」以上にそこにいたるプロセス。

だから今日は、自身のライフログ(人生記録)を兼ねて、「祝い」を仕事にする私が、「35歳という人生の節目」をどんな風に迎えたのか、その日に向かうプロセスの中で、何を見つめ、何を共有し、何を準備したかを書き記しておきたいと思う。

「今年の誕生日は人生の節目だ」と感じている人にとっては、「誕生日を迎えるまでにやることリスト」として活用してもらえたら嬉しい。

わたしを支えてくれている方々と、フォローしてくださる皆さんへ心からの感謝を込めて、35歳最初のnoteです。

まずは節目を迎えるために、過去を手放す。

9月19日を迎える前に、私は5日間のリトリート休暇を取った。

帰国後は個人での仕事も増やしていたので、どんどん仕事と遊びの垣根がなくなっていく。さらにはほとんどがオンラインに切り替わり、働くと休みも曖昧になって、休みのような仕事のような毎日を過ごしていた。だからこそ「この期間だけは一切タスクをしない!」と決めて前々からカレンダーをブロック、関係者には連絡が取れなくなることを伝えるようにして、人生のためのひとり休暇を意図的に取った。

私の人生においては、どんなタスクよりも立ち止まって人生をみつめなおす時間が最優先だ。

35歳を迎えるまでにやりたいことは、手放すこと。純度高く「今」を生きるために、心もカラダも物理的にも不要なモノを手放してもっと身軽になりたかった。

1日目:本気の断捨離&部屋の大掃除

初日は丸一日かけて断捨離。こんまりメソッドに沿って、35歳になる私が心ときめくものだけを選択。おかげでお洋服は半分に減り、ダンボール数箱分の服や本を譲ったり売ったり。気持ちよく新しい自分を迎え入れられる状態になれた。

<誕生日までのやることリスト①:断捨離>新しい人生において、いるもの、いらないものを見定めて、不要なモノを手放そう。家を掃除し、身の回りを整えて、綺麗な部屋でスッキリと迎えられるように。

2日目、3日目:ご褒美トリップ

互いに35歳を迎える&一緒に働いて丸1年になる記念に、大切な相棒とのご褒美トリップ。

前から行きたかったお宿、松本十帖へ。「未来の感性と出会う場所」というコンセプトもぴったりな気がして選んだ。

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<誕生日までのやることリスト②:クリエイティブタイムを取る>インスピレーションが湧く場所で、ゆっくりと本を読んだり、友達と語り合ったりしよう。新しい年にやりたいことや未来を考えるクリエイティブな時間を。

3日目〜5日目:デジタルデトックス&リトリート

友人とのご褒美トリップ後は、一人ローカル線に乗って原生林に囲まれたホリスティックリトリート施設へ。日本にこんな場所があったのか!と感動してしまった北アルプスの麓にある穂高養生園

誕生日を迎える前に、自然に囲まれた環境でデジタルデトックスと、人生をみつめなおす時間を取るためにこの場所を訪れた。

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3日間は21時就寝、5時起床。自然の中で毎朝夕に瞑想とヨガをして、温泉に入って、心とカラダを整える。一日二食のマクロビ料理は手間暇かけた愛情の味がして、手を合わせて何度も感謝して食べた。顎が疲れるくらいしっかり噛んでゆっくりと。心とカラダが繋がる感覚をじっくり味わうように。

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おかげでニュージーランドにいた時の感覚を取り戻し、じっくりと34年間の人生をもう一度見つめなおした上で、これからの人生と今後のビジネスについて考えた。どんどんとやりたいことが溢れてきて、あぁ、これからの人生が楽しみだと心底思えた。

<誕生日までのやることリスト③:デトックス&人生の振返り>自分を縛っているものから解き放とう。これまでの人生を棚卸しして、これまでの人生を肯定する。その上で一度身も心もリセットしてから、未来を考える。歳を重ねるのが楽しみだと思える時間を。

ここまでが、誕生日の5日前のこと。

34歳最後の日をどう迎えたいか、を考える。

実は誕生日を迎える2ヶ月ほど前から、私の35歳を迎えるプロセスははじまっていた。

変化が大きかった34歳。さらには新型コロナウィルスの影響で、NZから帰国直後から外出自粛となり、私は1月以来ほとんどの人とリアルで合わないまま9ヶ月が経っていた。

だからやっぱり35歳になる瞬間は、友達のような仕事仲間のような境界線が曖昧なみんなと直接会って、ゆるゆる語りながら、美味しいごはんがただ食べたかった。

大好きなみんながいればそれだけで最高。なにもいらない。欲しいのはみんなの笑い声と、この日の思い出だけ。なんなら私の誕生日を口実に久々の夜遊びを楽しんでほしいと思った。

私が祝われる日じゃなく、みんなの人生も祝う日。

早速「家族の節目、小さな結婚式や食事会を丁寧にプロデュースしてくれる人と言えば」と頭に浮かんだ旧友のプロデューサーに相談をしてブレストをスタート。会いたい人はたくさんいるけれど、このご時世なのでワンテーブルに座れる人数だけの小さな食事会。私がお祝いしたい人、帰国してから会えていない人を中心に招待することにした。

「ゆるやかであったかい。準備しすぎず、力が抜けていて、非日常を日常になじませるような、ハレの日にしすぎないけど特別な日。34歳最後の日は、ただ大好きな人と直接会って笑って話す時間を過ごしたい」

こんな風に私の場合は、35歳の誕生日当日じゃなくて、34歳最後の日をどんな風に締めくくりたいか?を考えるに至った。

<誕生日までのやることリスト④:どんな誕生日を迎えたいかを考える>誰と迎えたいか(パートナーと2人で?家族と一緒に?友達とワイワイと?)どんな雰囲気の日にしたいか(パァーッと騒ぎたい?しっぽり語り合いたい?一生忘れない感動が欲しい?)どんな当日を迎えたいか、しっかり考えてみよう。

私の誕生日会じゃなくて、みんなを祝う食事会がしたい。

場所は、IWAI Omotesando

最初の構想と開発まで携わっていた「人生を祝う場所」。結婚式だけではなく人生の節目を祝う場所であるここで、オープン以来何度もプライベートパーティーを企画したけど叶わず、やっと今回初めて実施することができた。

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ゲストは全員が私にとって大切な人。お祝いしたい人。だからこの日は私の「誕生日会」を口実に、みんなにお祝いを届けられる食事会にしたくて。

パーティー中は中々全員とゆっくりと話せないから、IWAIスタイルでゲスト一人ひとりに伝えたいことは手紙にしたためた。

それぞれとの時間を思い出しながら、「あなたがわたしにとってどんな存在か」を改めて言葉にして、その人へのお祝いメッセージも綴った。

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そして全員の手紙を、こういう文章を締めくくった。

出会ってくれてありがとう。
34歳のわたしの人生のそばにいてくれてありがとう。
そして、34歳最後の日にこうして一緒に過ごせることがとても幸せです。
世界が大きく変化した2020年。
元気に集って過ごせる今を祝って、みんなで思いっきり祝杯をあげよう!

ワンテーブルを囲む。境界線が曖昧な空間をつくる。

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普段IWAIはそこまでお花は飾らずシンプルが美しいのだけど、この日のキーワードをもとに、私らしい空間に仕上げたいと信頼するフローリスト TSUBAKIさんにお願いをした。

私らしい色を取り入れた空間にしたくて、ゲストのドレスコードはワインレッドか秋色の装いで、とアナウンス。ドレスコードを設けることで、少しハレの日を意識してもらった。個人的にはドレスコードがあるほうがこういうパーティーはより一層楽しくなると思っている。

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ちなみに6年前の29歳を迎える誕生日は、私自身の結婚式当日。そのウェディングのテーマカラーもワインレッド。この頃からずっと変わらず私のパーソナルカラーだった。

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時代は移り変わっていて、なんだか6年前なんてはるか昔のことのようだけど、好きなものは変わらないんだなということを改めて実感した。

<誕生日までのやることリスト⑤:自分が好きなコトや、やりたかったことを思い出してみる>改めて本当に自分が好きなことはなにか。昔やりたかったけど諦めたことはなにか。やらずに後悔していることはないかを考えることで、誕生日までの過ごし方が変わるかもしれない。

とにかく特別すぎないリラックスできる空間に。ホームパーティーの延長線上、ハレとケのあいだくらいの、ゲストとホストとの境界線までも曖昧にした食事会を目指した。

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今の私を表現するお料理。

唯一のコンテンツはIWAIのお料理。シェフたちにお願いして、今の私を表現する6つのキーワードを渡してメニューを考えてもらった。

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どれも絶品!特にニュージーランドの伝統料理ハンギ(右上の紙で包まれているもの)は、現地と同じやり方でわざわざ土の中で温めて作ってくれたり、パティシエは私のインスタを読み返して私が好きなニュージーランド産のフィジョアを取り寄せてデザートにしてくれたり、こういう心遣いが、IWAIシェフの本当にすごいところ。

どれも愛情がたくさんこもっていて、本当に美味しくて、料理を食べることで今の私を知ってもらうことができた。

さらにはサプライズで大きな釜の飯を出してくれて。

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夫と二人で御飯をよそってゲストに振る舞った。これが6年目の夫婦の風景。

まさか何度もスタッフ側で見ていたこの光景を自分がやる側になるとは想像してなかったなぁ。嬉しい。

ほんと素晴らしい料理とサービスは、IWAIチームのおかげ♡

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全員との今を切り撮りたい。

あとは、34歳のわたしの人生を共にしてくれた人たちとの今を切り取るように写真を撮ったり。思い出話をしたり。

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私以外にも9月生まれの人が多かったので、みんなの誕生日もお祝いしたくて、サプライズケーキで一緒にふぅーしたり。

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<誕生日までのやることリスト⑥:忘れられない一瞬を残す>節目の日には写真や映像を必ず残す。その日の温度や空気が滲み出るような写真があることは人生を豊かにする。家族写真を撮るのもオススメ。

ちなみにこの34歳最後の日のことを考えはじめた2ヶ月前にざっと出したやりたいことはこんな感じだった。ほとんどが当初やりたいと思ったことをそのまま実現した形になった。

-みんな一緒のテーブルでごはんを食べたい
-ポートレート(2ショットで写真撮りたい)
-わたしからの手紙(みんなのお祝いをしたい)
-シンボリックなお花を飾りたい
-席次はなし
-料理はワンプレート(ストーリーが語れるもの)

誕生日は、新しい関係をはじめる日にもなる。

そして最後に。

この写真は、CRAZY WEDDING創業者の山川咲とわたし。

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昨年お互いにいろんなことが重なって、2020年に入ってすぐ私は長期の休みをとって海外へ、そして咲さんはCRAZYから独立。帰国してからも一度も会ってなかったわたしたちは、久しぶりの再会にお互いにながーい手紙を用意していた。(この日を迎えるまでにも実は色んなドラマがあったのだ)

2015年、わたしは29歳でCRAZYにジョインして以来、共に理想を描き、人生のすべてをかけて事業を愛し、青春のような日々を丸5年間過ごしてきた。紛れもなく、29歳から34歳の私の人生を最も大きく突き動かし、刺激したのはこの人。たくさんぶつかったし、喧嘩もしたし、関係性に悩んだこともあった。だからこそ34歳最後の日にちゃんと向き合いたいと思った。

この日をきっかけに、35歳からの5年間は、師弟関係でも、同僚でもない、ただの友達としての新しい関係がはじまる気がした。

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いつだって人生ははじめられる。でもその機会は勝手には訪れない。やっぱり「人生の節目」をどう迎えるのか、人生を味わえるかはそれに限る。

たとえば、ちゃんと好きだと伝えるか。
こころに留めておくか。それだけで、一瞬先の人生はちがう。
挑み続けるか。歩みを止めて諦めるか。
それだけで、明日の景色は変わる。

節目を意図的に持つことが、人生を肯定する機会にも、人生をはじめるきっかけにもなる。

だからわたしは、35歳という数字を祝いたいわけでもなく、誕生日を祝いたかったわけでもなく、35歳をどう迎えるかに向き合い続けた。

どんな気持ちでその日を迎えるか、どんな風に自分の節目を捉えるか、どんな時間を大切な人と共有するか、そもそも「何を祝うのか?」を考えることのほうが人生においては大切なんじゃないだろうか。

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そんなこんなでお開きになった食事会。全員をお見送りしてからひとり余韻に浸りながら残ったご飯を食べ、夫とタクシーの中で35歳を迎えたのでした。

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ちなみに裏話が1つあって、今回サービススタッフとして入ってくれていたかわいい女性。実は彼女、昨年12月に私が初めて実施したライフログ講座の受講生!!IWAIで実施したわたしの講座をきっかけに前職やめて転職。サービススタッフとしてIWAIに配属希望を出して、晴れてIWAIに配属になってすぐに、人生が変わるきっかけとなったわたしの案件を担当することになったという、嘘のような本当の話を当日教えてくれた。

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驚いたと同時に、人生は全て繋がっているのだとじんわり感動した出来事でもあった。

なんだか人生のご褒美みたいな日だったなぁと、この連休中まだ余韻を味わっている。

人生の節目となる誕生日までのやることリスト

1)断捨離:新しい人生において、いるもの、いらないものを見定めて、不要なモノを手放そう
2)クリエイティブタイムを取る:インスピレーションが湧く場所で、ゆっくりと本を読んだり、友達と語り合ったりしよう。
3)デトックス&人生の振返り:自分を縛っているものから解き放とう。これまでの人生を肯定してから未来を描こう。
4)どんな誕生日を迎えたいかを考える:誰と、どんな雰囲気で、当日を迎えたいかしっかり考えてみよう。
5)自分が好きなコトや、やりたかったことを思い出してみる:本当に自分が好きなことはなにか。昔やりたかったけど諦めたことはなにか。やらずに後悔していることはないかを振り返ってみよう。
6)忘れられない一瞬を残す:節目の日には必ず写真を撮る。その日の温度や空気が滲み出るような写真があることは人生を豊かにします。

ぜひ、誕生日をもうすぐ迎えるという人は、「どんな風にその日を迎えたいか?」という視点で、人生の節目の迎え方を見つめなおしてみてください。

自分で人生の節目をデザインする

なんとなくで日々を過ごさない。自分をもっと深く知って、大切なものに改めて気づくきっかけになるはずです。

35歳からの人生

改めてわたしは30代がほんとに楽しい。さらにいうと、今が人生で一番楽しいし、自分らしい。そんな風に30代後半に突入できたことは幸せだと思う。歳を重ねるのが本当に楽しみで仕方ない。

いろいろと変化が大きかった34歳を経て、35歳は場所にも責任にも縛られず、もっとゆるやかにしなやかに。今を軽やかに生きていこうと思います。

人生を謳歌できるかどうかは、どれだけ納得感を持って今を生きているか。どれだけ節目を意識して、今を大切にしているかだと私は想う。

改めて、いつも応援してくださるみなさんと、記事を読んで下さるみなさんに心からの感謝を込めて。

気張らず、自然体で、これからも人生を祝うことで、じんわりと世界を温めていきたいと思っています。

35歳のオア明奈も、よろしくお願いします。

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Photo : Ayato Ozawa 

Special thanks : Emi Ito, Yuki Ishioka, Misako Hinode, Ryuzo Hayashi
IWAI,TSUBAKI,Haute rent to runway

2020.9.19  Akina Orr 





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