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ZoomとYouTubeを利用したオンラインイベント開催について

1. 背景

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、エンジニア界隈に於いてもオフラインでの勉強会などのイベント開催が厳しくなってきました。また、さまざまな企業においてWFH(Wor From Home)が推進されており、弊社(株式会社LayerX)においても、契約して入居して間もないオフィスを解約する運びとなっております。私としても今までオフラインで開催していたイベントスキームのリビルドが必要なのではないかと考え、勉強会のオンライン開催に関して積極的に取り組み始めました。

2. 開催実績・謝辞

というわけで、私としては昨日のCADDi 様との共催である 下町.rs にてオンラインイベントの立ち上げとオフライン開催を含めると既に27回目となる blockchain.tokyo のオンライン化への切り替えを担当しました。また、ライブ配信の心得をインターネットプラス研究所 様から色々とご指導ご鞭撻いただきましたことを、心から御礼申し上げます。bitFlyer Blockchain 様と共催であったblockchain.tokyo #26については 、不手際により配信オペレーショントラブルが発生し、多大なご迷惑をお掛けしたことも重ねてお詫び申し上げます。(現在は反省を活かし、盤石なオペレーション体制のブラッシュアップを重ねています)

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3. 本記事におけるオンラインイベントについて

一概にオンラインイベントといっても様々なバリエーションがあるため、本記事においては通常のオフライン技術勉強会でよく見られる、登壇者が発表を行い質疑応答を行う形式 にフォーカスを当てて説明していきます。

有識者によるパネルディスカッションや、ゲーム系のオフラインイベントによくある実際にプロダクトを触ってみる形式についても、現在どのような形の開催するとよいのかを考えていますので、そちらも折を見て記事化できればと思います。

3. 開催にあたって必要な事項

オンラインイベント開催にあたっては、3つ段階があると考えており、以下3つ分けて説明していきます。

3.1. イベント開催全体の前準備

1つ目は、オフラインイベントと同様に connpass 等で開催概要や開催日時を伝える、イベント開催全体の前準備 です。connpass については最近開催場所をオンラインに設定できるようになっているので、そちらで設定すると参加にわかりやすく伝えることができます。オフラインイベントと比べると開催場所の確保や入館証の準備・配布、当日の懇親会における飲食物の準備などが不要であるため、比較的全体のオペレーションコストが下げられるのもオンライン開催のメリットといえます。

別途オンラインならではの懇親会の実施方法についても、ねるねるねるねしています。

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3.2. 配信環境の整備・前準備

2つ目は、当日に配信をスムーズにイベントを開催するための、配信環境の整備・前準備 です。開催方法については、さまざまな方法が考えられますが、登壇者・視聴者双方における通常利用しているツールによる習熟性 を鑑みた時に一番スムーズに開催できる方法を採用することが不要不急なオペレーショントラブルを防ぐことができるのではと考え、「Zoom にて配信し、YouTube にて閲覧する」 という形態が今の所ベストなのではないかと考えております。今の所のベストプラクティスとして、下記のようなアーキテクチャで開催を行っております。

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このように、登壇者(運営者)側と視聴者側を明確に分けて疎結合にすることによって、Zoom Webinar の最低プランである100人を超えた人数に配信できるようになります。加えて、YouTubeへ自動的にアーカイブされて視聴可能になるため、バックナンバーへのアクセスも容易に促すことができます。

3.2.1 実際に必要なもの

実際に必要なものとしては、下記が挙げられます。
余裕を持ってスケジューリングや登壇依頼をするのがよいです。

・Zoom の有料ライセンス + Zoom Webinar のアドオン契約
・YouTube でのチャンネル作成とライブ配信許可申請(24時間程度必要)
・視聴者向け YouTube Studio でライブ配信イベントの作成
・登壇者向け Zoom Webinar のスケジュール・ストリームキーの設定
・各登壇者配信環境確認とストリーミングの確認(リハーサル)

3.2.1. Zoom Webinar の準備

Zoom Webinar のスケジューリングはアプリからは行えないため、Web にてスケジューリングを行います。スケジューリング後は、登壇者に Zoom Webinar のリンク共有と、YouTubeライブ配信作成後にライブストリーミングの設定(ストリーム先URL、どの配信に流し込むかのストリームキー)必要があります。

マイウェビナー_-_Zoom

ウェビナー情報_-_Zoom

ウェビナー情報_-_Zoom

3.2.2. YouTube Studio にてライブ配信の作成

次に、視聴者向けのライブ配信ページを作成します。具体的には「YouTube Studio からエンコーダ配信を選択し、公開スケジュールを設定し、限定公開で作成する」 という形で作成します。作成後に表示されるストリームURLとストリームキーを Zoom Webinar 側に設定すれば一通り配信環境の整備が完了となります。ライブ詳細ページの右上に共有マークがあるので、そこから実際の視聴者に周知するURLが取得できます。

チャンネルのダッシュボード_-_YouTube_Studio

ライブ配信_-_YouTube_Studio

ライブ配信_-_YouTube_Studio (1)

3.2.3. 登壇者・運営者を集めてリハーサルの実施

全員を集めてのリハーサルは必須ではありませんが、各々の画面共有ができるか、音質は問題ないか、当日のオペレーションのすり合わせに齟齬がないか、という観点で、上記で設定した Zoom Webinar と YouTube ライブ配信管理画面上で一通りオペレーションを確認しておくと安心です。もし、全員の参加が難しければ、下記のようなオペレーションに関するドキュメントを共有しておき、当日1時間ほど余裕をもって確認すれば大丈夫かと思います。

3.3.で説明するドキュメントでは、リハーサル用のライブ配信を作って予行演習を行いましたが、ストリームが流れているかどうか等はライブ管理画面から確認できるので、別に作る必要はないかと思います。

注意点としては、右上の「ライブ配信を開始」 ボタンを一度押してしまうと、同一のURLで再度ライブ配信が行えないので、リハーサル中に誤って開始してしまわないように注意しましょう。

3.3. 当日の運営オペレーション

2つ目が大分長くなりましたが、3つ目は 当日の運営オペレーション です。
当日のオペレーションがスムーズであればあるほど、参加者のみなさんに質の良い体験がお届けできるので、最低限しっかり当日、「いつ」「誰が」「何をするか」をしっかりすり合わせておくと良いかと思います。

下町.rs においては、下記のようなオペレーションドキュメントを作成し、本番開始前に確認を行うことによって、スムーズな運営を心がけました。(それでもやはり完璧ではなく...)

下町_rsオペレーション_md

3.3.1. 登壇の流れ

イベントが始まってから、画面の切り替えやマイク・カメラのオンオフは誰が行うのかを判断するのは微妙に難しいのですが、「登壇者自らがマイク・カメラのオンオフ、画面共有の開始を行う」 というのが現状ベストプラクティスだと考えています。他の人が画面共有を実施していても、自分の画面共有に切り替えられる設定ができるので、そのように設定しておくと良さそうです。
Zoom Webinar を管理するホスト側としては、状況を見て切り忘れ等の補助をホストの権力で行う状況にしておくとスムーズに感じています。具体的には下記のような流れで実施しました。

・パネリストは基本的に「マイクをミュート・動画配信もオフ」にしておく
・司会から「〜さん発表お願いします」と声をかけられるまで待つ
・声をかけられたら、「マイクのミュートを解除、動画配信をオン、画面共有の開始」
・発表時間の残り時間を利用して、Slidoで上がった質問事項に回答する
・登壇者の「〜発表を終わります」を検知して、運営側が画面共有を切り替える
・登壇者は発表終わったら「マイクをミュート・動画配信もオフ」にする

3.3.2 Tips

記事を書きながら思った Tips を下記にメモしておきます。

・画面共有については、各発表が終わっても終了させずに次の登壇者が共有を上書きするようにするとシームレスになる
・オペレーションのやり取りは Zoom Webinar のパネリスト間のチャットで行うとよい
・発表中に音声や画面共有について不備が合った場合、チャットだと気づかないので運営者が声で助言するのがよい
・Zoom Webinar からストリーム配信すると、右下にウォーターマークが入ってしまう、ビジネスアカウントにすればカスタマイズできるらしい

4. 絶賛採用中

さまざまなイベントのオンライン化も含め、「すべての経済活動を、デジタル化する。」というミッションのもと、DXを推進していきたいメンバーを募集中です(イベント運営も手伝って下さい)

5. 最後に

なんか堅い感じになっちゃったんですが、わきあいあいイベントするのが一番だとおもうので、みんなでたのしくオンラインイベントを開催しましょう!

質問事項等はTwitter(@akinama3)までおきがるにどうぞ!

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