見出し画像

鹿の精肉処理に役立った13の道具

2020年に初めて鹿を解体し精肉にして以来、予算の許す範囲内で道具を買い揃え、使い心地を試してきました。今では、ほとんどの部位をキレイに処理して真空保存できるようになりました。

猟友会のメンバーなど、猟師さんの間では、長年引き継がれてきた精肉処理の方法があると思いますし、食肉加工業を仕事にされている方であれば、衛生基準の高い処理法や生産効率の良い道具をたくさん持っていらっしゃると思います。ですのでこの記事では、私のような一般人(駆除された鹿を趣味で精肉処理して食べている素人)が、突然運び込まれた鹿の脚など肉の塊を精肉処理しなければいけなくなった時に役立つ13の道具を紹介していきます。


1.  ボーニングナイフ (骨スキ包丁)

精肉作業時には、解体時とは違うナイフを使っています。今使っているのは、フリードリッヒ・ハーダーの刃渡り155mmのスティッキングナイフ(写真上)です。食肉加工用のナイフになります。使用感は、精肉作業に限らず調理中や調理後の肉のカッティングも、だいたいこれ一本でなんでもできるオールマイティなナイフといったところです。セールだったので買っただけでしたが、とりあえず不自由なく作業ができています。

ただ、もし精肉処理の効率アップのために、もう一本ナイフを買うとしたら、次はボーニングナイフ(写真下:解体講習会でプロの業者さんが使っていたナイフです)を買いたいと思っています。身幅が狭く、少ししなりがある方が細かい作業がしやすいと思います。ボーニングナイフとは、西洋の骨スキ包丁のことですが、私は値段の手頃さから西洋のナイフを使っています。日本の骨スキ(角)包丁も一本持ちたいという憧れはありますが、今は予算の関係上持っていません。

フリードリッヒ・ハーダー(スティッキングナイフ)
ディック(ボーニングナイフ)


2. ナイフシャープナー

刃物は切れ味が命です。どんなに良いナイフを購入しても、切れ味が落ちてきたのでは意味がありません。そこで必要となるのが、使い勝手のいいシャープナーです。解体用ナイフの砥石として紹介した「刃の黒幕」も良いのですが、刃の黒幕はどちらかというとモーラナイフや普段使いの包丁を作業後にしっかりと手入れする時に役立つ砥石です。精肉作業中は、サッと研いで切れ味を回復させ作業を途切れさせないことが重要なため、砥石よりシャープナーや研ぎ棒の方が便利です。

写真上は、うちの冷蔵庫にマグネットでくっつけてある普段使いのシャープナー。写真下は、最近購入したダイヤモンド研ぎ棒です。応急処置的に使うものなので、どんなものでも構いません。家庭用の簡易なものでも必要十分な切れ味に回復します。その点、ダイヤモンド研ぎ棒は、数回刃を滑らせただけで怖いくらいの切れ味に戻ります。

ナイフシャープナー
ダイヤモンド研ぎ棒 


3. 銀の爪

精肉作業中は細かい作業が多いですが、指先が滑るとイライラ度がアップします。皮を剥いだ鹿の肉は筋膜に包まれてヌルヌルしていて、スジや身を引っ張ろうとしたり、毛などのちょっとした汚れを指先で掴もうとすると逃げていってうまくいきません。そんな時に役立つのが魚の骨取りですが、中でも一番オススメなのが「銀の爪」です。以前参加した鹿の解体講習会の時に、プロの解体業者さんが勧めてくださったもので、使ってみたら他の骨取りとは全然違いました。細かい部分も、柔らかい部分も、どこでもビシッと掴むことができ、ぜんぜん滑りません。今はこれなしでは作業できないというくらい作業効率に貢献してくれている必需品です。

銀の爪



4. 牛乳パック

ここから先は

2,314字 / 12画像
今後も新しい発見やレシピなどを追加していく予定です。有料マガジン「ジビエ連絡帳」を一度ご購入ただくと、マガジン内の記事(過去から未来まで)を全て、半永久的にご覧いただけます。

近所で駆除された鹿や猪141頭を解体し、お肉を食べる(食べてもらう)活動を続けてきました。ジビエ肉(主に鹿肉)をささっと調理し、おいしく食…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?