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それはお金で買えますか?

少し前になりますが、オックスファムの報告で「世界の富豪トップ10、パンデミック中に資産が倍増」という記事がありました。2020年3月の時点で約80兆円だったトップ10人の資産が、コロナ禍を経た2021年11月には約172兆円になってましたという話。その2年弱の間、では自分は何をしていたかと言うと、そこそこ忙しかったですが、お金はほとんど稼ぎませんでした。ちょっと笑えるくらいに、お金を稼がないタイプの労働ばっかりしてました。でもこの記事を見た時に、例えば惨めさとか、虚しさとか、格差に対する嘆きとか、不平等な世の中への憤りとか、そういうネガティブな感情もまったく湧いてこなかったんです。むしろこの数字を見て、うん、だいぶオモロくなってきた、と思ってしまったのでした。

* お金の価値ってどのくらい?

172兆って、これだけ極端な数字となると、やはり実体経済からは乖離していると思います。お金って、元々は物品の交換を利便化したり最適化するために作られたものでしたけど、その役割に照らしていうなら、172兆って、たぶんもうお金じゃないですね。別の何かを表した数字です。もちろん貨幣には価値の貯蔵という役割もあって、そのために富の偏在を加速させるという性質があるわけですが、数字が現実からあまりにかけ離れたものになってしまうと、そもそも貨幣という数字が表している価値、例えば10人の大富豪が保有している172兆円分の価値って何なんだろうって、いよいよ分からなくなってくると思うんです。

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近所で駆除された鹿や猪141頭を解体し、お肉を食べる(食べてもらう)活動を続けてきました。ジビエ肉(主に鹿肉)をささっと調理し、おいしく食…

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