【森の家④】〜古家をひとつ買いました〜
3年半続いた物件探しは、気がつくと限界集落を中心に最終段階へと向かっていた。別荘地ではなく、置き去りになったニュータウンでもなく、ゆっくりと衰退に向かう昔ながらの里山の集落。まだ重機も何もなかった時代に、手作業で切り拓かれた段々畑があり、自然本来の地形に抗わない謙虚な佇まいが心地よかった。
過疎地の集落を見ていくと、集落(区)にもそれぞれに色があり、どんな集落のどこに住むかで、その後の暮らしのあり方は随分と違うものになりそうだった。たとえば集落内の民家10軒のうち、人が住ん