ファンを辞めると決めたときのこと

もともとは演劇が好きな1ユーザーだった。
重量級の演劇ヲタとは言えなかったと思う。
そもそもの入り口は少女マンガだった。
役者というものはなんてすごいんだろうと。別人になれるということの凄さに感動し、わたしもそうでありたいと願った時期もあった。
実際、演劇部だったこともあるし、テープに録音してたこともある(時代がバレる)。

その後はSPA!の連載で鴻上さんを知り、そこから第三舞台を知り、戯曲を山程読み漁って。
当時はまだお高かったVHSをなんとか借りて見てた。

大学時代は演劇論を授業で齧ったこともある。

でもわたしは、それを仕事にしようとは思わなかった。

入り口が入り口だったから、いつしか私は所謂オタクになっていて、舞台から足が遠ざかる日々ではあったけれど、そこに来たのは2.5次元。
あっという間に舞台の世界に出戻り。

そこからはや何年。

小劇場の世界にふとしたことで足を踏み入れることになり、そこからどっぷり。
手の届く距離で、汗のかかる近さで、その熱量に目眩を起こしながら、演劇って素敵だなって思った。
わたしはずっとファンとしてここにいるんだって思ってた。

思ってたんだけど。

気がついたら、ファンじゃなくなってて。

そんなガッツリ関わるつもりはなかった。得意とするところだけをちょっとだけお手伝いできたら光栄だな。そんなくらい。

でも、尊敬すべき人と出会い、近くにいることになって、こんな中途半端な形で関わったらだめだなって思った。

これから20年芝居をする。

まだ、芝居だけでごはんを食べたりできていない、そんな中にいて、そしてもう若くない中で、今から、改めて、20年芝居をするって決めたって言った。

だから、わたしも覚悟を決めた。
20年芝居するんだと、決断したその人の横を一緒に走ろうと思った。
ファンで居ることの楽しさはあるし、そうでなくなることの苦しさもきっとあるけれど。
付いていきたいと、思ったから。

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