ア・ラ・カンパーニュ(à la campagne)

ア・ラ・カンパーニュ(à la campagne)
タルトケーキのお店。

わたしにとって、このお店はなんだか特別。

東京でも何店舗かあるから知ってる方もいるかもしれない。
わたしにとっては東京の店舗での特別感はあまりない。

東京で見つけた時、
「え？à la campagneって、à la campagne？？チェーン店だったの？？」

わたしは、東京でも食べれるんだって喜びと、少し残念な思い(嫉妬というのか・・神戸だけであって欲しかったというか・・)をもった。

調べると、à la campagneは1991年に神戸で生まれた、こだわりタルトのお店なんだって。

わたしが初めて行ったのは、いつだかの年末年始。
神戸の三宮にあるà la campagne。
神社にお詣りして、お茶しようとなった。
神社の近くに、木の外観のこじんまりした佇まいの小さなケーキ屋さんがあった。
そこがà la campagneだった。

入り口入るとすぐ、ショーウィンドウに目に麗しい美味しそうなタルトケーキたちがたくさん並んでいた。

“わぁ・・美味しそう♡”

年末年始は、夜中だか明け方くらいまで営業となっていた。
小さくてすぐに満席になってしまいそうだったけど、運良くすぐに２階へ案内された。

コートを脱ぎ、寒さを凌ぎつつ、メニューを見たり、実物のケーキを見に行ったりしながら、どれにしようと迷うこの時間。
わくわく楽しい時間。

わたしは大好きなブルーベリーのタルトを選んだ。

そして、紅茶。
わたしはこの頃、まだコーヒーが飲めなくて、紅茶は好きだった。
アッサム、アールグレイ、ダージリンなどの定番と他にもなんかあった。
どの紅茶がいいかなぁ・・と、これもタルト程じゃないけど、ちょこっと迷う楽しい時間。

アールグレイ。ミルクを入れて。

わたしは、その当時お付き合いしていた彼氏と一緒に行ってて、それぞれ好みの違うタルト、お茶をチョイスし、運ばれてくるのをお喋りしながら待った。
お店の外装と同じく、内装、椅子や机も木のぬくもりがある可愛らしい感じで、わたしはうきうきした。

年末年始に夜中まで空いてるカフェって、当時はそんなに多くはなく、わたしたちが案内された後、訪れる人が増えてウェイティング状態だった。
そんな忙しそうな中でも、店員さんの女性は感じ良くて、それにわたしはにこにこした。

運ばれてきたタルトたち、紅茶たちを見て、またにこにこなった。
お皿やカップ、カトラリー、小さなミルクポット、お砂糖までも可愛かった。
それらと、美味しそうなタルト、厚手の丸みのあるころんとしたマグカップに入った紅茶ぜんぶ楽しんだ。

わたしは、昔からころんとしたモノが好きだ。
靴も尖ってるのじゃなくて、ころんとしたフォルムが好きだ。
アルプスの少女ハイジのふっくらころんとしたパン。
パンを入れている周りがころんとした木のお皿。
スープが入った木のころんとした器、スープスプーン。

ころん。ころん。ころん。　・・可愛い♡

à la campagneの紅茶の入ったマグカップは、陶器だけどハイジを連想させた。

カフェでお茶すること自体、少し特別感と大人感もあった当時の若いわたしは、このお店がとても気に入った。
それから、三宮でお茶する時に何度か行った。

こういう思い出って、たいてい誰かと行った思い出が色濃くあって、それにお店が結びつく、みたいなことが多いと思う。

わたしは、ある音楽を聴くと直結して思い出す記憶がある。
誰かとの過去の中で、その音楽がかかってて、聴くとそれが思い出される。

でも、à la campagneに関しては、それがない。
というか、ぽんやりしてる。

書いたように、初めて行ったのは当時お付き合いしていたひととなのだけれど、わたしの中で、
“ええっと・・誰だっけ・・このくらいの時期だと、あのひとかな？”
といったぐあいで、彼との思い出があるから、というわけではなく、なにやらぽんやり、楽しく笑って喋って食べての映像の記憶だけがわたしにはある。
具体的な話の内容もてんで覚えちゃいない。
なんかヘンテコだなと思う。

お店の入り口までのちょっとした木の階段や、立ててあった看板、ショーウインドゥ、木の椅子や机、棚、そういうのの方がはっきりしてる。

神戸・三宮のà la campagneの佇まいと店員さんと何度か行ってぽんやりした楽しい記憶。
それで、わたしの中でà la campagneに特別な感覚がある。

東京でも２、３回行ったと思う。

東京のお店は、広くて、ちょっとチェーン店感があって実はなんだかなーって思ってた。
店員さんの感じも神戸のときとは違う。
味も、あれれ？こんなだっけ？もっと美味しかった気がする、って思った。
や、まぁそれなりに美味しいんだけどね。
見た目は美味しそうだけど、味は普通だなーって。
(偉そうだけど、別にそういうわけではなく、わたしはそう思う)

こないだきみちゃんと行った。
楽しい記憶。
美味しさが1.5倍増しになったかも。