アキマーキュリー

にちじょうの違和感を丁寧に掬っていきたい

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最近の記事

花屋

初めて行く花屋に行った。 インスタで見つけたお洒落な花屋。 木造の蔵を整美した建物で、 お花だけでなく器や蕎麦猪口があって和みの空間だった。 お花もきれいだったけど、 一番美しかったのは店員のお父さんが娘さんに語りかける言葉。 その花屋はご夫婦で経営していると思われた。 しばらく店内を見ていたら、娘さんと思われる小学生くらいの小さな女の子が店に入ってきて お父さんが大好きなのか、パンダみたいに足にまとわりついて甘えていた。 「どうしたのですか?」 「なにしましょ

    • ノックのマナー

      路面店巡りの途中、コンビニのトイレを借りた。 腰を下ろすと、程よい足腰の疲労に気付いた。 間もなく外から足音が近づいてきて 扉の向こうで止まった直後、ノックされた。 返事をしなくても、鍵がかかっているから まさか入ってくることはない。 それに、赤くなっているから分かるだろうと思った。 すると、またノックされた。 どうしてわざわざ確かめる必要があるのだろうと 少々疑問に思ったが、さすがに無視するほど余裕がなかった訳ではないので、 ソフトな拳をつくり手を伸ばした。 コン

      • 枕詞(まくらことば)

        近場でも“旅”という文字が入ると 待ち合わせはわくわくする。 先日友人と「日帰り温泉旅行」に行った。 と言ってもバスで30分程度の距離だ。 私たちは温泉施設から出ている「無料送迎バス」に乗って、街から離れたその施設へ向かった。 そんな行きのマイクロバスで、ちょっと気になる出来事があった。 後ろから2番目くらいに席を決め、出発まで待つ。 乗客はまばらで、 前列には5、6名のご年配方。 中列にも2、3名のご年配方。 みんなこの温泉行きの乗り物に 少しの“非日常”を期待する顔

        • 道案内

          よく道を聞かれる。 それも日本人以外に。 ラッシュ時の電車の中で 有線のイヤホンをしていながら話かけられたこともある。 ただ英語は喋れない。 親しみにくい雰囲気もあると自覚している。 でもなぜか、道はよく聞かれる。 【東京】 寄り道をしつつ、ふらふら目的地に向かうつもりだった。 しばらくしてここがどこか分からなくなってしまった。 端っこに寄りGoogleマップを開いたその時、 視界の隅で二人組の異国人を捕らえた。 あのとき、確かに嫌な予感はした。 授業中、指名されたくない