バグか、仕様か。答えを決めるのは誰だろう
マネーフォワードでプロダクトオーナーを担当しておりますアキマチです。あまり自分の考えや思いを発信するのは得意ではないのですが、今年はチャレンジしてみよう!と思い、noteをはじめてみました。
得意ではない(というか好きではない)理由が
・自分の考えは誰しもが受け容れてくれるものではない
・そんなの分かってる、意味がないという否定的な意見が多いと嫌だなあ
という、ものすごくネガティブな理由ですが(当社にはあまり多くないタイプかもしれませんね…)、もしかしたら誰かの琴線に触れる内容もあるかもしれない!と思いたち、自身の成長のためにも記事を書いていこうと思います。
とあるサービスを利用して
先日とあるサービスを利用していました。
1. ある地点から半径●m以内にいないと見れない仮番号がある
2. その仮番号でOKであれば、半径●m以内にいる状態で「承認」が必要(仮番号発表から1時間以内)
3. 承認後、確定した本番号が見れる
4. 番号順に入場する
と、ざっくりこのようなサービスだったのですが、実際は1のとき、決められた半径以内にいなくてもうっすらと仮番号が見えてしまうという状態になっていました。
これはバグでしょうか。仕様でしょうか。
バグか、仕様か
ユーザーの私としては、仮番号が見れるほうが何かと便利でした。
私の自宅はちょうど半径●mに微妙に届かない位置で、仮番号を見てから「決められた半径内に1時間以内に移動して承認する」ことは十分に間に合いました。
番号を見てから行動するか決めることができたので、うっすらと見える番号は私にとっては便利な「仕様」でした。
では、もし私がサービス提供者だったとして考えてみるとどうでしょうか。
・仮番号が見えてしまうと、その番号では承認をしてくれないユーザーがあまりに多く、本番号になったときの差が多く生じてしまうかもしれない
・決められた半径内にいないとそもそも承認できないので、承認できないユーザーには仮番号を見せたくない
などの理由があり、「バグ」だったのかもしれません。
答えを決めるのは誰だろう
では、改めて「バグですか?仕様ですか?」という問いの答えについて考えてみたいと思います。
私は「バグか仕様かは問題ではない」という答えになるかな、と考えています。
…それじゃ答えになってないじゃん!という感じですが、なぜそう思うかというと以下になります。
1. ユーザーが求めている機能は、バグか仕様かは関係なく提供すべき価値だから
2. とはいえ、提供者側が意図的に「このように使ってほしい」と思う提供価値からずれていないかは考える必要がある
3. あるユーザーにとってバグ(不便)で、あるユーザーにとって仕様(便利)になるような機能は提供方法を見直す必要がある
あえて正解を決めるならば、それはユーザーが決めるべきことだと私は思います。
とはいえ、「3.あるユーザーにとってバグで、あるユーザーにとって仕様になる場合は提供方法を見直す必要がある」と記載したとおり、その機能の提供方法が本当にベストなのかは考える必要があります。
今回の例で考えてみる
私の自宅はちょうど半径●mに微妙に届かない位置で、仮番号を見てから「決められた半径内に1時間以内に移動して承認する」ことは十分に間に合いました。なので私にとっては便利な仕様でした。
では、半径●mに全く届かず仮番号を見てから「決められた半径内に1時間以内に移動して承認する」ことができないユーザーからするとどうでしょうか。仮番号がどうであれ、あらかじめ承認に間に合う位置に移動している方もいると思います。
また、サービス提供者からすると「承認するつもりはないけど、番号だけみたいからエントリーした」みたいなユーザーはできるだけ少なくしたいかもしれません。
それらを総合的に踏まえて、バグか仕様かの答えが決まるのかな、と考えています。
さいごに
たまに「バグですか?仕様ですか?」といったやり取りを見聞きすることがありますが、そのたびに私はなんとなく違和感がありました。
「バグか、仕様か」という判断は、特にお客様対応にあたって必要なことは多々あります。
お客様からご質問いただいた機能の質問について、もしバグなのであれば、直します。仕様なのであれば、機能としては正しいです。という回答が必要になるためです。
でも本当に大事なのは、それがユーザーが求めている機能なのであれば、バグか仕様か自体は問題ではなく、どのような機能が求められているかを正しく把握し、機能として価値提供していくべきだと考えています。