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【書き起こし】青山繁晴議員に聞く!皇位継承 【官邸キャップ篠原の「永田町ウラ話」10】

元動画:https://www.youtube.com/watch?v=SNi02VIROpw

ここから書き起こし
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篠原裕明テレビ東京官邸キャップ(以下、篠原):官邸キャップ篠原の永田町裏話。第10回の今日は、またまた政治家の方にお越しいただきました。本日お越しいただいたのは、青山繁晴参議院議員です。よろしくお願いいたします。

青山繁晴参議院議員(以下、青山):よろしくお願いします。国会議員ですけど、旧来のタイプの政治家になったつもりはないので。いちいちそんなこと言うことないんですけど、一応、参議院議員であって、旧来の政治家をやっているのではない。政治献金も一円も受け取りませんし、パーティもやらない。団体支持も一切お断り。

篠原:そして活発に提言活動、実際の政策に繋がるような活動もされてますよね。

青山:僕は、異業種の人よ出でよと呼びかけてるので、世襲であったり、あるいは団体の代表も必要なところもありますよね。あるけれども、主として本当は、中小企業であったり、色んな専門分野で苦労なさってる方が議員に新たになるべきだと思うから、そのいわばちょっと言い過ぎですけど、一種のモデルケースというか、ちょっと僭越なんで参考例として、政治献金を受けなくても、政治献金受けたら必ず、例えば外国が化けて献金したりすることもありえますしね。そういうことをしなくても、議員はやれて、そして旧来の政治家とはまた違う生き方も出来ますよ、という参考例としてやってるつもりだから。こういう提言とか、今日のテーマのような提言でも、こういう提言をすれば例えば総理でも、真正面から聞いてくれることもあり得ますよ、と。

篠原:今日のテーマと青山さんからお話ありましたが、今日は青山さんにお聞きするのはですね、安定的な皇位継承について。やはり今、皇位継承をする皇族の方が少なくなってきている中で、どのように天皇というものを安定的に次代につないでいくか。その議論を活発にされている青山さんにお話を伺うということになっています。

青山:ありがとうございます。

篠原:もう皆さん、青山さんをよくご存知だと思いますけども、ちょっと改めてプロフィールを簡単にご紹介させて頂ければ。

青山:いやいや知らない人がほとんど...

篠原:1952年、昭和27年の神戸市長田区のお生まれで、慶応大学文学部に入学されるんですが、経済を学びたいとして早稲田大学の政治経済学部に入り直されると。

青山:よくご存知で。慶応は今でも大好きですけどね、学内明るい雰囲気で。ただ文学部で哲学やろうとして、若気の至りですけど、学問が死んでいるように見えたんで、直に世の中を良くする仕事に就きたいなと思ったんで、そうするとやっぱり根っこは経済ですから、慶応の経済に転部願いを出そうとしたら、今は正直知らないですけど、僕の当時、転部制度がなくて。もっかい頭から受け直すしかないって言われて。

篠原:あまりそういうことをする人がいなかったでしょうからね。

青山:友達もいなかった。それで、どうせなら一人で早慶戦やろうと思って、親にほぼ勘当されながら、親からしたら訳分かんない。慶応と早稲田何が違うんだと言われましたけど親父に。それで早稲田大学の政治経済学部、それも途中入学をお聞きしたら、政治経済学部にはなかったので。今もないと思いますが、社会科学部っていうところだけだったんで、それで頭から受け直したんです。

篠原:なるほど。それで1年生から。で、その後、共同通信に入社されて政治部に配属されて、この前お亡くなりになった中曽根元総理、そしてまた、竹下総理の総理番を務められました。また、当時、昭和天皇が御不例だったということもあって、昭和天皇の吐血という事実をですね、独自に報道をされたと。その後、自民党担当、防衛省担当、外務省担当を務められて、ペルーの大使館の人質事件を。

青山:まず当時は防衛庁なんですけど、防衛庁に結構長く担当でいまして、防衛計画大綱を初めて見直したり、オウム自衛官が居たり大変な時期でした。その後、外務省担当に移って、たまさかペルー日本大使公邸人質事件。日本が初めて体験した国際テロ事件に遭遇しまして、あれなかったら、議員に絶対なってないし。そのまま共同通信に。僕はすごく馴染んでやってましたから、そのままいったと思いますけど。ペルー事件の話したらそれだけで番組終わっちゃうから、一言だけ申せば、要はあの時、強行突入があって、強行突入ありましたねでは済まされない真実があって、それを日本人の人質の方々がその後ペルーで仕事しなきゃいけないのに勇気をもって僕に証言してくださって、それを全文記事にして共同に送ったんですが、当然デスクからこれは配信できないと。要するに、中南米は独裁者が多いので、何が起きるかわからない。僕も賛成して。でも、人質の方の証言に顔向けできないですから、その時、内心では辞めようと決心しまして、それ以外にも、色々降り積もることはあることあったです。常に人を批判してるだけでいいのかと思ったこともあったり、本に細かく経緯はもう既にとっくに書いてますけど。共同通信は今でも大好きですけれども、組織としては好きだけども、決心をして辞めて、それでシンクタンクを作るんですけど。その前に、三菱総研に呼ばれて、それでシンクタンクっていうものはこういうもんだとわかると同時に、この一言だけ申せば、三菱総研がって意味じゃないですけど、なんと日本のシンクタンクってね。シンクタンクって民間の知恵じゃないですか、基本的には。それが全部、政府の決めた方針に合うように調査研究して。

篠原:お得意さんですよね。役所が。

青山:その通り。それだとグルグル同じとこ回ってるだけでね。団体支持を受けて当選する国会議員と同じで、同じとこ回ってるだけなんですよ。それで、三菱総研の時の仲間と一緒に、「独立」総合研究所。

篠原:日本初の独立系シンクタンク、ということで独立総合研究所、通称「独研」を設立されたと。様々な分野で提言。

青山:危機管理、海洋資源。海洋資源は実際に借金して、船出して、メタンハイドレートを中心に海を調査するんですよね。売上がないから利益ゼロです。売らないから。たくさん見つけましたけど、売らないんで利益ゼロです。それも後に続く人にこういう生き方があると。全て実務だけやったんです。記者時代ずっと批判だけでしたから。

篠原:言論活動というよりも、当事者意識を持って、それぞれの分野で。

青山:ちょうど45(歳)だったんですけども、人様を批判して給料を19年間頂いたんで、後半は実務だけやろうと決心したんですね。国会議員になるとは夢にも思ってないです。

篠原:2016年の夏の参院選でですね、安倍総理から直接要請されて出馬されて、全国区の比例で出られたんですが、もう。

青山:安倍さんの電話は一旦断ったんですけどね。最終的には配偶者含め、周りが被害者の救出も取り組まないと間に合わないという意見が多くて、それで決心した一つの理由です。

篠原:割と直前の出馬でしたよね。

青山:割と直前じゃなくて、公示までもう数日。党本部から慌てて色んなお見えになって、選挙プランナーも来られて、全部お断りしまして。団体支持も二つ云々と言われましたが、それもお断りして、遊説だけです。今日これネット番組だと思うんですけど、ネットの時代じゃなかったら間違いなく当選してないです。

篠原:私もネットで拝見しました、よく。池に落ちた方をブワっと救われる。

青山:尼崎でね。あれはたまたまですけど。ああいうアクションよりも、演説してる時に自分の名前言わないとかね。それから手袋絶対しないとかやってたんですが、知らない人が動画アップしてくれて、その動画のスピードが速い時代になってたから、それで今まで自由民主党に投票してない人、投票に行かなかった人が多く投票してくださって、今に至ってる。ということは、当選した後も政治献金普通にもらったり、団体支持を受けて団体の陳情聞いたりするわけにそもそもいかないじゃないですか。

篠原:ということで、48万票余りを獲得されて、現在に至るということですね。現在、日本の尊厳と国益を護る会の代表幹事、事実上会長というような立場ですよね。まとめる立場。

青山:なるべくみんなの意見を吸い上げたいってことで、代表ってしないで代表幹事。幹事はたくさんいらっしゃるんで、というスタートにしました。

篠原:で、この護る会が、先ごろ安倍総理に皇位継承について提言をされました。具体的には、今の男系男子、青山さんは父系というお言葉を使われてますけども、その神武天皇以来この男系の流れで繋いできた、父系の流れで繋いできた流れを維持すべきだと。そのためには、現状この先には、今、秋篠宮悠仁親王殿下が将来的には皇位継承者そのお一人になる可能性が大きいということで。

青山:いや、悠仁親王殿下におかれては、既に皇位継承者として指定されてますから、第2位の順位付いてますから、ご無事にお育ちになれば天皇陛下になられることは、これもう動かないです。

篠原:その先の世代。その先の世代が先細ってしまう可能性がある(青山:その通りです)という問題意識のもと、その場合は、1947年昭和22年に皇族だった方々が51人、民間に臣籍降下、皇籍離脱をしているんですが、その方たちの中から男系の男子を、父系の男子を探して、大体目星はついている?

青山:いや、もう。例えば政府機関に調査してもらったんですね。議員という立場をしっかり国民のために使わなきゃいけないんで。参議院の決算委員会で質問しますよ、という質問予告をまず致して、政府側に。そのための前提として、仰った旧宮家に皇位継承者、しかも父系で繋がる未婚の男子がどれ位いらっしゃいますかってことを、ある政府機関にお願いして、文書で回答がありまして。

篠原:だいたい今、何人くらいだと?

青山:15歳までの男子の方が5人と、20代前半の男子のがお二人と、少なくとも計7人。文書にはお名前を全部書いてありましたが、それは議員としての節度であって、今、私たちと同じ一般の戸籍を持ちですから、当然、個人情報とプライバシーありますから、それは一切どこでも公表しないです。でも、人数だけは予め政府側とも協議して、7人と。それから調査してくれた、いっこに断られたんですよ。ある政府機関に。やっぱり色々波紋を呼ぶんじゃないかと。で、一つは引き受けてくれたんで、そことも協議をして、7人ってことは国民にお知らせしてるわけですね。

篠原:一説には10人という説、数え方というか色々ある。

青山:例えば僕が申し上げたのは、15歳未満とか、20代前半の未婚の方ですよね。でも、幅を広げればもちろんもっともっといるわけですけど。ただ、これも大きな誤解があって、そういう方々に皇族をお戻り頂いた時に、すぐに天皇になる可能性は、世の中何があるか分からないってことを置いとくと、別にすると、無いわけですよね。というのは、悠仁親王殿下がまだ中学生でいらっしゃいますから、やがて、十年か経って即位されて、そっからまたさらに数十年おそらくは経て、譲位かもしれませんけれども、いずれにせよそれだけ長い時間があって、次の天皇陛下ですから。そうすると、今回復帰された方が仮に、例えば15歳未満であっても、その方は皇族には戻られるけども、即位を恐らくなさらないです。元々専門が危機管理なんで、全ての場合を考えなきゃいけないけど、きちんとその安全が確保され、健康でいらしたら、今言ったことになるわけですから、敢えて範囲を狭めて、つまり、その方々のお子様、まだ生まれてらっしゃらない、まだ結婚もなさってない、その先の話ですよってことのために、一応対象を絞ってお願いしたんです。

篠原:その結果7人と。

青山:今んとこ大事なとこで、政府見解で7人ってことでは全くありませんからね。それは誤解なきよう。こちらの方で質問する立場としてこういう条件で調査してくださいってお願いをして、それで政府機関が調べて回答ですから、政府見解ではない。

篠原:参考情報という。

青山:参考情報です。正確な表現です。

篠原:で、そういう7人ぐらいいるような旧宮家の男系男子を継がれてる方に、将来的に皇族に戻っていただくのが良いのではないかというのが、今、青山さん達、護る会が考えている。

青山:一番大事な根っこですよね。同時に、そのやり方、やり方っていう言い方はちょっと不遜ですけど。要するに方法論については色々あって、つまり皇族の方々のことを決めている法律を、難しい言葉ですけど、皇室典範っていうわけです。名前は難しいけど、要は普通の法律です。

篠原:法律ですね。典範というんですけど、法律なんです。国会が議決する。

青山:そん中に9条と15条というのが特に大事で、後でネットで読んで頂ければいいんですけども、要するに養子を取ることができない。皇族は。それから女子はですね、女性の日本国民はどういう方であっても、皇族とご結婚なされれば、皇族となる。

篠原:今の皇后陛下も上皇后陛下も民間人から皇族になられている。

青山:仰る通りです。でも、男性は皇族、つまり女性皇族とご結婚なさっても決して皇族になることはできません、と。で、その二つのことを僕らの提言ですね、法改正でもいいんだけど、本当やっぱり与野党で後で静かに協議するためには、特例法。一昨年のご譲位の時と同じように、特例を今回に限りってことで、養子にお迎えになることもできるし、婿養子になることもできるしというのを、提言の中に細かく正確に書く込んでいるわけです。

篠原:今の皇室典範、皇室のあり方を定める法律が、かなりその限定的、家を広げるにあたっては限定的な運用というか、決まりになってるわけですよね。養子を取れないとか。

青山:そうですね。ただし、それはね、敗戦後にそうなったよりも、根本精神としては、例えば日本の歴史ですと、藤原の一族とか、そういう力の強かった皇族じゃない方々が天皇陛下の中に、朝廷に入られてしまったり、天皇陛下になられたりというのをいわば防いで、ずっと歴史が保たれているので。だから同時に、欧米や中国の皇帝や王様のような権力を欲しいままにすることなくて、人のために国民のためにお祈りになるという存在を続けてこられたので、そういう意味では今の皇室典範の、養子を取ることができません、あるいは...

篠原:ある種、合理的ではあったんですね。

青山:そうです。むしろ、伝統を守る皇室典範ということができるから、だからこそ便宜的じゃなくて、特例の方がいいんじゃないか。つまりGHQが異常事態を作ったわけですから。これ、右とか左とか、保守とか革新とか関係無くですね。事実としてGHQが権限を振るって、さっき仰った臣籍降下、この言葉難しい?

篠原:そうですね。

青山:「臣籍」ってのは、大「臣」の戸「籍」と書くんですけど、これ、庶民の戸籍のことですから。降下はおりるって事ですよね。それ自体が異常事態だから、難しい話をひとつもしてなくて、ごく当たり前に普通にできることをしましょうって言ってるだけなんですね、この提言は。

篠原:今、ちょっとお話が出てきました、GHQが作った特別な事態というのが、この1947年ですね、51人の当時の皇族の方々が民間人に降っていくと事態がありました。当時のですね、ちょっとお待ち下さい。

青山:個人的見解を申しますと、昨日今日急に皇位継承のことを考え出したわけじゃありませんので、さっき記者時代のお話を丁寧にしていただきましたけども、あの時ちょうど、仰った通り昭和天皇の崩御が近づいてきたので、当時まだ側近の方がかなり生き残っていらして、(今では)全部亡くなりましたけどね。京都の白川通りまで会いに行ったり、色々したわけですけど、その時にお聞きした話から僕の、いわば考えること、調べることが始まったんですけれども、あの戦争に負けた時に、どなたもご存知の通り東京裁判ってのがあって、その時に例えばソ連ですとか、あるいは中華民国は、天皇陛下に対して、例えばソ連などは死刑を要求したと言われてますし、そうでなくても廃位、天皇陛下のご存在を無くしてしまえと。そういう要求はあったけども、アメリカないしアメリカ軍は、実際に日本を占領しなきゃいけないので、そんなことをすると日本がゲリラ列島になってしまう。いつまでも終わらない。だから当時の今上陛下、今でいえば昭和天皇はお守りするけれども、やがて日本を支えた力である根幹の力である、皇位っていうものを弱めていくためには、将来的に日本が落ち着いた後に気が付いたら、もう天皇陛下のなり手がいらっしゃらないという事態を、おそらく作ろうとして、この出してもらった多くの皇族の方々、つまり天皇陛下の直接の弟君以外は、庶民の戸籍にしまうと、そういうことをやったんだろうと。単なる推測だけではないです。個人的見解ですけど、アメリカ側にも色々聞いて、見事に当時の人は本当にいなくなっちゃいましたけど。

篠原:ここの皇籍離脱が、今の皇位継承者の減少の原因?

青山:現在の原因です。ただし、さっき普通のことを言ってるだけだと申しましたが、大昔から皇位継承者ってのは少なくなる事態が何度も起きてます。

篠原:十代ぐらいから、継体天皇とかあの辺りから。

青山:仰る通りで。古墳時代に例えば、朝廷の中に父方でつながる神武天皇まで繋がる人がいなくなったので、でも、天皇家ってお家で考えると歴史が長いから、裾野とっても広いです。だから、10親等とか、それ以上とか離れている人まで含めればいっぱい父方で繋がる男子はいらっしゃるから、今の福井県、昔の言い方だと越前まで探しに行ったら立派な方がいらっしゃったんで、即位して頂いて、その天皇陛下が崩御された後に継体天皇。体を継ぐ。

篠原:趣深い、意味合いの深い名前ですよね。

青山:非常に他のお名前と全く違うお名前が、継体天皇となってるのは、そういうことであろうと。これは、色んな学者で意見はありますけれども。実は、提言作る前に当然、学者とたくさんすり合わせをし、学者のチェックも受けてますから。

篠原:そもそも宮家という存在自体が天皇家の皇位継承を守るためというか。

青山:仰る通りです。これは、ちょっと僕の個人的見解を入れますけれども、要するに天皇陛下のご存在がある種脅かされ始めたのが、鎌倉時代からの武家の力が強くなった。その時に権力は武家、征夷大将軍が持っていいけれども、日本の根幹としての天皇陛下のご存在を守るためには、父系で、男性でも女性でもいいんですが、父系で繋がるお方を確保するために作ったのが宮家なんですよね。鎌倉から室町にかけて作っていったんですよね。だから本来は、さっき男性でも女性でもいいと申しましたが、基本的には、父系の男子で繋げていくのが一番繋げやすいので、基本的に宮家は、元々ご当主は男性なんです。女性がご当主に見える時でも、それはご当主が亡くなったので、財産管理をなさったりして、しばらく間を継ぐと。繋げるという。

篠原:今の高円宮家の久子殿下などはそうですね。高円宮のご当主ですけども、それは憲仁親王殿下が亡くなったので奥様が。

青山:よく勉強されてると思います。ただし、学者の中にはもちろん色々意見あるんですけど。ただし、僕の本来の専門分野で言っても外交安全保障でも、学者100人いたら100説あるんですよ。そうでないと食っていけないですから。

篠原:学説は。

青山:学説は学説として、直に政(まつりごと)を預かる立法府や行政府は、リアルに考えなきゃいけませんから。

篠原:そうですね。で、今、ずっとお話しになりましたこの皇籍離脱の宮家、伏見、東伏見、山階、久邇、北白川、閑院、賀陽、東久邇、梨本、朝香、竹田。竹田さんはよく末裔の方が言論活動されてますね。

青山:僕はテレビで二度ぐらいお会いしたのと、あと橿原(かしはら)神宮で一度たまたま一緒に儀式に参加したことがあるぐらいで。

篠原:神武天皇を祀っている。

青山:すいません、直接のお付き合いはないんですけど、お書きになったご本とか正確にお書きになってるんで、拝読してます。

篠原:あとは閑院さんとかは、歴史お詳しい方は、閑院参謀総長宮という参謀総長の大殿下がいらっしゃるお家ですね。

青山:当時は天皇陛下も軍服をよくお召になって。

篠原:大元帥ですからね。後は東久邇さんは、東久邇稔彦王、東久邇宮総理大臣宮ということで、歴史の教科書にも出てくる。そういう方々が皇族だったんですけども民間に降っていった。その結果として、先ほど青山さん仰いましたけども、昭和天皇の弟宮の皆様を中心とした昭和天皇の弟の秩父宮、そして高松宮、三笠宮さまを中心とした皇族だけになってしまったと。

青山:急にシュリンク、縮んだわけですよね。かつての時代は、お子様がすぐ亡くなる時代もありました。ある種ゆっくり危機が起きたんですけど、突然、外国によって危機的状況の根っこが作られたっていうのは、さっき私が申しました通り、異様な事態なんですね。

篠原:青山さんとしては、これはGHQの当時の思惑?

青山:GHQの思惑の深読みは僕の個人的見解ですが、GHQが実は占領下って言うだけでやったことであって、国民にもお伺いしてないし、当時は被占領国家の国民ですから、国に主権がない。

篠原:Occupied Japan。

青山:Occupied Japanです。だから異様というのは、これは個人的見解じゃなくて、右も左もないことだと思います。

篠原:で、昭和天皇はその51人の方が臣籍降下する際には、やがて皇族に戻る日もあるかもしれないから身を慎んでいなさい、みたいなことを仰ったという話も。

青山:それは説なんですけど、その言葉通りか分かりませんが、その大御心が伝わったからこそ、菊栄親睦会っていう。

篠原:旧皇族の皆さんと皇族の皆さんの親睦の会があるんですよね。

青山:ネット番組だからといって普段と違うこと言ったら僕はしないですけど、でも、一つ踏み込んでお話しますとね。さっきちらって言いましたけど、国会議員になる前から、僕の(専門)分野の一つが国家の危機管理なんですよね。皇位継承って国家の危機管理の範疇なんで、昭和天皇の吐血下血に直面したこともあって、ずっと前から旧宮家の復帰があるべきだって申してたんで。するとですね、ある大使がね、外国にいらっしゃる大使、僕の信頼してる人がですね、「ちょっと会いたい」ってわざわざ来られて、何の用事かと思ったら、「青山さん、旧宮家の人を言ってるけど、旧宮家の方で外国に来られた時に、大使館にとってはすごく大変だったこともあります」と。「そういうことを考えると、宮家の復活は反対です」と言われたんで、それは、天皇陛下も右左無く言えば人間でいらっしゃいますから、いろんな個性の強い方もいらっしゃって。そうすると時代の空気で、えっ?ということもありえるでしょう。でも、あくまで宮家の復活というのは、一括で、バーンと全部復活ですという話をしたことがなくて、あくまでまず本人のご希望だし、それからご本人が希望されればそれで良しということではなくて、長い年月経ってますから、皇族になられるについて、やっぱり政府はそれなりの責任を持たなきゃいけないから、場合によっては立法府も特例法を作るんだったら、責任を一旦担うわけですから。当然、そういうことを全部総合的に考えるんであって、どなたでも、とにかくそういう経緯があれば全部(の旧宮家の方々が皇族に復帰する)って話ではありませんよ、と。たぶんね、そういう方は仮にいらっしゃるとしても、実際そういう大使がご指摘なさったことがあったかどうか、僕のルートも調べたんですが、実は確認できなかったですけど、ただ、大使が嘘言ったとは全く思いませんが、たぶんご本人が希望されないですよね。

篠原:なるほど。そういう方は。

青山:これはあくまで推測です。された時には、最終的には陛下のご存在も含めて全部政府が責任を担うものだし、もっかい言うと立法府もその責任を担うものですから、あくまで民主主義国家なので。そこは僕は心配するに当たりませんということを申し上げたんです。

篠原:ご本人のご意思と国会審議や政府の検討の中で適切な...

青山:国会審議には馴染まないと思うんですが、悪い意味じゃなくてあくまで水面下で。つまり、個人のお暮らしぶりとか、お考えにまつわることですからね。あくまで皇族に戻られるまでは、一般の方ですから、そこはどんなに注意してもしすぎることはないぐらい注意深くやらないといけないです。日本の、まさしく尊厳を守るためにもですね。でも、それをまさかやらないってことも逆にありえないですよね。旧宮家だったら、どうぞという風に、政府が言うんだったら、それは日本は民主国家なのかってことに、民主主義なのかってことになりますから。両方合わさる話だと思います。

篠原:国会に法案、特例法なりが出てくるまでにいろんな検討があって、ご本人の意思を確認して、適切な人が選ばれていくであろうと。そういうことですね。

青山:そうです。希望的観測で選ばれるであろう、ではなくて責任と申した通り、そのような環境を整えた上で、さっきちらっと仰った特例法に関することで言えば、国会審議の時に与野党が普段通り争ったりすることも、なるべく回避できるんではないかと。穏やかに進めることができるのではないかと。

篠原:今、青山さんに仰っていただいていることはですね。皇位継承については色々な考え方がありまして、青山さんが仰っているのは、青山さんのお言葉だと父系、男女じゃなくて父母で表現すべきだという考えで、父系男子を維持していく、今までの流れを維持していく。その為には旧宮家の復帰が必要なのではないかという考え方。で、2番目としては、女性天皇。男系の女性天皇ですね。父親に天皇の流れ持つ女性皇族が皇位に就く。そこまでは認めてはいいんじゃないか。今の現実で言えば、愛子内親王殿下が天皇に就くことはOKなんじゃないかっていう考え方。

青山:誤解ないように、護る会は2番も受け入れられませんってことを申し上げているので。それはお話しないといけないですね。

篠原:で、3番目。その男系に限らずですね、女系、母親が天皇の流れを汲む方でも皇族であれば、(青山:母系ですね)女性でも母系でも、天皇になることを容認するのがいいんじゃないかという考え方がありまして、青山さんは1番のお考え方?

青山:1番のみです。父系のみです。

篠原:お聞きしたいんです。2番の愛子内親王殿下を天皇になっていただくのはいいんじゃないか。一般の感覚からすると結構支持されやすい。ここについて青山さんはどういうお考えですか?

青山:篠原キャップのおかれては、本当はご存知の上でお聞きになってないだろうと思うんですが、紙も用意して頂いてる通り、過去に日本の歴史の中で、8人10代の女性天皇、女系じゃなくて女性の天皇はいらっしゃるわけです。

篠原:男系の女性天皇ですね。

青山:一番最初が推古天皇で、こういう方がいらっしゃるってのは、これは学校でも日本史の中で習った人はいらっしゃると思います。

篠原:推古天皇はそうですね。

青山:持統天皇なんかもよく歴史に登場しますよね。で、10代8人と書いてるのは念のため、要するに重祚(ちょうそ)っていいまして、二度即位された方がいらっしゃるんで、10代で人数としては8人なんですが、大事なことですね、この方々は全員、即位されてからは、結婚もなさらないし、お子ももうけることがなかった、もうけられなかったわけですね。そうすると現実問題として、これは提言にはそこまでをお名前を出して踏み込んで書いたりはしてませんけど、節度を持って。でも、僕の個人の立場で解説を敢えてすれば、愛子内親王殿下におかれては、即位されて、女性天皇に過去の8人の方と同じようになられることは、少なとも即位されてからはご結婚できない。あるいはご結婚なさってもお子様をもうけることはできない。で、古き時代には、江戸時代までの古き時代には、実質それがあったわけです。現に。これは父系の男子の数が足りなくなって、あるいは他の事情で、とりあえず崩御されてすぐ時間がないとかの理由で中継ぎをおやりなったわけですけど、現代の素晴らしいまだ少女と言うか、若い女性でらっしゃる愛子内親王殿下に即位されたら、その後は少なくてもご結婚できませんよ、あるいはお子様をもうけることが結婚なさってもできませんよ、と。そんなことを言うこと自体が信じがたい人権侵害だし、日本国民にも国際社会にもいったいどうやって説明するのか。同時に、天皇皇后両陛下や、あるいは上皇上皇后両陛下にとっても、お言葉には一切されないと思いますけど、大変なお苦しみになりかねないですよね。だから、ちゃんとこういうことは分かっていたら、なんとなく良いじゃないですかという話になるはずがなくて。で、それは国民がおかしいと僕は1ミリも言ってなくてですね。申し上げてるのは、学校で教えてないから。僕も教わってないし、篠原キャップも教わってない。

篠原:学校で教わったのは小学校6年生の時に、憲法上に天皇というのが出てきて、ご公務をされて判子を押されてる写真がちょっと出てくるくらいです。

青山:御名御璽(ぎょめいぎょじ)ですね。そういうことであって、女性天皇についても、女性の天皇陛下が推古天皇や持統天皇のようにいらっしゃって、お歌も詠まれて云々あるけれども、じゃあ、皇位継承のこととどういう関係があるのか。もっと根幹で、なぜ天皇陛下のご存在が護られなければいけないのか、皇位を続けるってどういう意味なのか、その意義付け自体を学校で習ってないので、私達日本人は本当に真面目なんで、専門上、世界を歩いてきましたけど、こんな真面目な国民いなくて、学校で教わってないと本当知らないんですよ。あるいは考える時間がない。僕、今でも東京大学と近畿大学で教鞭をとっていますけれども、東大は毎週です。近大は遠いんで年に2回になっちゃってますけど、学生諸君を見てると、例えば東京大学の学生諸君って受験勉強の勝利者ですが、受験勉強の勝利者ってことは、逆にこういうことをむしろ知らないんです。試験に出ることしか頭にないですから。それを変えたいから東大行って教えてんですけど。だから国民に責任があるんじゃなくて、GHQの臣籍降下から始まって、しかし1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効して、主権を取り戻した時から、実は日本の伝統はこうです、と。その伝統を守るのか、さっき仰った、例えば母系の継承にして、天皇家じゃない、例えば女性皇族が外国の方と結婚されて、外国の方が天皇陛下になってもいいっていう、そういう時代にしてもいいのかっていう、僕は「こうしなさい」って言ってんじゃなくて、「こういう選択肢ですよ」ってことを見せる教育(を学校で)してないので。だから、実は重大な選択になることもわからないまま、愛子内親王殿下におかれては、あんなに素晴らしい方でいらっしゃるから、天皇陛下になって頂きたいっていう、いわば素朴な声が政治の世界まで来てしまって、それが政党によっては、それを実質的に押し出すようなことになってるんで、少なくとも、最後の選択はあくまで国民なんで。憲法改正と同じで。少なくとも選択肢がこうで、伝統を守るんだったら、伝統を守りやり方は、はっきり言うとこれしかないんです、と。で、その時に...

篠原:今の青山さんが考えていらっしゃる案。

青山:ええ。というか別に、僕たちの案じゃなくて、いわば物理的にそれしかないわけですけど。それを男性、女性って説明すると、これ国際社会にとっても大きな関心事なので、必ず誤解招くから試しに僕は、皇室を持ってないアメリカ人に、father's line、ね。

篠原:父系。

青山:本当はもうちょっと違う言い方あるんですけど、丸めてfather's lineと言った瞬間に分かるんです。つまり、家っていうのはどこにもあるから。氏(うじ)じゃなくて家があるから。お父さんでJohnsonって名前繋がってるよね(と説明すると)、一発でわかるんで、そうかそうかとわかるんですよ。だから、今日も長話になってるけど、一見。本当は根っこはすごくシンプルな素朴な話で、来し方(こしかた)を見れば、皇位継承の危機は、何度も何度もあったわけですね。仰った古墳時代からね。先人のやり方があるわけですから、先人のやり方を続けたら、だから護る会とか僕とかの意見じゃなくて、今までやってきたのと同じやり方をやれますよって選択肢と、いやいやもう全然違うやり方で、mother's line、本当は母系というのは切れてしまうから、本当は継承じゃないんだけども、じゃあそっちに行って、ブツブツに切れる血統でいいのかという選択肢を国民に理解していただくのは、私達の務めだと思うんです。出したのは総理だけど、本当は、それを通じて国民の主権者の方々にどうぞお考えくださいませんかっていう提言なんです。

篠原:まさに、男系維持、旧宮家復帰について安倍総理に提言をされましたけれども、この時の安倍総理の反応というのはいかがだったんでしょうか?

青山:予想外の事ばっかりで、まず正直、みんなで苦労して提言をまとめている時に、総理が直接受け取ってくれると思ってなかった。

篠原:なかなか政治的にはセンシティブな問題ですし。

青山:はっきり言うとジェラシーもあり得ますしね。だいたい任意の議員グループに過ぎないですから。党の正式機関じゃないですから。こっちが逆にそれ総理大丈夫ですかっていう感じもあったんですけど、まず大事なことは、中身のすり合わせは一度も1秒もしてません。絶対しないです。裏で繋がったりしない。日韓合意反対とか、怒って電話したりすることはありますけど、消費増税反対も電話しましたけど、今回、この件については一言も何も相談してなかったです。ただ提言がまとまっていく過程で、総理直接じゃなくて官邸の事務方に、できれば直接手交して、お渡しをして直接目を見てご説明したい、と。国の根幹なんで。その時は「うーん、どっかで訊いてみましょう」って感じだったんですけど。それが、10月22日の即位礼正殿の儀があって、翌日にこれを発表して、テレビ東京でも報じて頂いて。その時の話し合いは結構、煮詰まってきた話し合いになったんですけど。要は、大嘗祭終わってからなら考えることもあり得るってことだったです。最終決定はもう直前だったと思うんですけど。で、お渡しをしましたよね。護る会は今、50人近いんですけれども、その中の15~6人だったと思いますけど。集まってお渡しした時に、総理がはっきり私と皆の目を見ながら仰ったのはね。総理は男系って言い方ですけど、「男系男子の継承のみで続けてきたことの重みは充分に踏まえながら、慎重に丁寧に検討する」と仰った。言葉としては今までの発言と変わらないんですけど、この提言を受け取りながらの男系男子の継承のみでやってきたことを、重んじるという趣旨のことを仰ったってのは、一国の総理の発言としては、もう元に戻らない、僕らはとっては良い意味で、戻らない重要な発言だったと思います。

篠原:安倍総理も男系維持について強い想いをお持ちなんじゃないかと?

青山:そうですね。総理大臣の言葉こそ、あんまりあれこれ余計な解釈で尾ひれはひれ付けない方がいい思うんです。そうすると明らかに、例えば、日本が民主主義であることを最も大事に踏まえつつと仰ったら民主主義守るって事ですね。基本的に伝統は守らねばならないっていう立場をお示しになったと。護る会のメンバーだからじゃなくて、客観的に見てそうだと思いますね。同時にこれから自由民主党内でほとんどタブーになってきたわけですから。護る会の発足の意味は、自由民主党の中でタブーにされてきた、事実上。そうは言わないけど。その問題に踏み込んで主権者に選択肢をお見せするってのが目的なんで。だから当然、総理のお渡ししたけど、その後、議論がたくさんなされれば良いと思っているわけです。

篠原:そういう意味ではですね、この三つの考え方がある中で、今、青山さんたちが活発に活動されてますけど、2番3番についてそこまで主張してる人たちが表に出てこないなという気がしますが。

青山:ちょっと申し訳ないけど、ちょっと全体に言うと話が逆だなと思うのは、もう既に前の政権の時にね、事実上、野田政権という話だけじゃなくて小泉政権、つまり自由民主党中心の政権であっても、有識者の意見って形ではあっても、女系天皇まで行ってしまって、事実上、容認論がざーっと広められたわけですよね。

篠原:2000年代半ばですね。

青山:それに対して自由民主党の中から、こととも音がしなかったのは事実だから。だからそれもあって、護る会を、他のテーマも。中国韓国の土地収用とか、あるいはスパイ防止の問題も含めて、タブーになってることにチャレンジするのが役割ですから。それで仰る意味は、まず一つは自由民主党の政権内からも、かつて。それから今ですと野党の中から女系天皇でいいじゃないかって議論が。むしろそればっかり出ているわけですよ。いや、違いますよ。それは伝統を変えてしまうことですよ、伝統を変えるって選択肢が、主権者が選ばれるなら、それはもうはっきり言うと、やむを得ないことです。主権者の選択はこうなのに絶対違うっていうのは。評論家じゃないんで。立法府の一員としては、それは言っちゃいけない事ですよね。でも、いわば伝統をそのまま守りましょうという、日本の国柄守りましょうっていう意見がどっからも出てなかったわけですから。

篠原:出てこなかったので、今、青山さんが...

青山:出たばっかりですよ。

篠原:2番3番はむしろ、もう。

青山:山のように出てますよ。

篠原:政府与党の中で、野党も含めて、山のように出てきて論調になってきてたので、そこに危機感を持たれてってことですね。

青山:少なくとも、公平な選択肢が無い中で、知らされないまま主権者が、何となくこうじゃないですかというのはおかしいし、僕は記者出身として言うと、世論調査の中身ももちろん知ってます。知り尽くしてると自信持って言えますが、要するに、愛子内親王殿下が天皇陛下になられるのをどう思いますかって訊き方だと、前提条件全部飛んでしまってて、愛子内親王殿下におかれては、そうなられた時に、さっき僕が言ったような、非人間的なようなことまでついてきますというのが全部抜けてて、それでいきなり聞かれたら、普通やだと言いませんよね。だから、これを客観的な、アンフェアとまでは言いませんけど、客観的な調査と言えるのかっていうのは、記者19年近くやって、大いなる疑問ですよね。

篠原:世論調査というのは設問の仕方によって、随分、回答の割合が変わるんじゃないかということが巷間(こうかん)言われていまして。

青山:変わるんじゃないかが巷間言われてるんじゃなくて、モロに変わるんですよ。(篠原:モロに変わる笑)それは現場を見てますからね。それはなるべく変わらないように、引っ張るために調査するんじゃないので。選択肢を主権者のお示しして、選択していただくのが趣旨ですから。それ抜きでは民主主義はありえないので。そういう意味では敢えてご質問だと思うですけど、逆にようやく違う意見が一個出てきたに過ぎないです。でも、仰ることがもう一つ分かるのがね。自由民主党の中から、総理の反応も含めて、もっと活発な議論が...

篠原:もっとあっていいんじゃないかと、思うんです。

青山:そう思います。でも、水面下では結構あります。大いにあります。それだけでも僕は、随分前進したと思います。

篠原:それは青山さんに直接言ってくるとか?

青山:も、ありますし、護る会は執行部だけで5人居て、全体ではもう50人近いわけですから、色んな意見が届くし、党内からもありますし、例えば、宮中行事があった時などに、宮中行事のときにはその話はしないですけど、終わって帰る時なんかに、やっぱり宮中行事にちゃんと来られる方って、あれは自由参加ですから、関心の強い議員も多いでしょ。そうすると異論反論も含めて色々聞かれるんで、これが良い機会なんです。国会って、官邸キャップには僭越だけど、審議だけで決まるんじゃなくて、当然、世界どこでも目に見えないところでたくさんの、ああでもないこうでもない議論があって、その上で審議が出てくるわけですから、今はそういう段階なんで、これと違う意見がこととも出ないって状況では全く無いです。かなり活発になりました。

篠原:そういう意味でいくとですね、二階幹事長が先ごろ会見で、男女平等も踏まえてみたいな発言をこの皇位継承について。

青山:踏まえてと仰ったんじゃなくて、男女平等が当然じゃないかっていう、これも発言通りじゃないと思いますけど、ご趣旨ですよね。僕はあれが問題だっていう雰囲気が、あるいは、護る会の提言と違うという雰囲気があるのが非常に摩訶不思議なのは、もしあのご発言が、幹事長の発言が、女系でもいいよ、母系でもいいよってお話だったとすると、これは僕らの立場じゃなくて、もう一度言いますが、全くの事実、客観的なこととして新しいことですよね。それが男女平等をもし踏まえると仰ったのならば、今までの2千数百年の126代の皇位継承は男女差別があったんですか?そうなるでしょ?んなわけないじゃないですか。さっき出して頂いた、この紙じゃないけど、女性天皇も含めて、男女差別じゃないっていうか、逆にやっぱり天照大神から始まってる国の根幹は私達揺らいでなくて、さっき申しました皇室典範の15条を見ていただくと、女性はどなたでも皇族と結婚なされれば皇族になれる。男性は決してなることはできないとあるんですから、僕逆だって言ってるんですよ。一人の女性がお子様を産む産まないに関係なく、母性、命の源としてのまさしく象徴としての天照大神から始まった国ということの意識が、戦争に負けてこうなって、僕らもお互い敗戦後教育しか受けてないけど、やっぱり魂のどっかに残ってるから。だから男子優先の女性を不当に差別した皇位継承だったって事実がないわけだから、幹事長が、二階幹事長におかれては、新しいやり方は男女平等を踏まえるんだって発言なわけがない、と。既にずっと男女平等で母性を大切するってことできたんじゃないですかってご趣旨だろうと僕は思っていますし、そういう意味では基本的にきちんと事実や伝統を踏まえられた発言なんで、どうしてそれが違う趣旨になるのかなって非常に不思議なんですよね。

篠原:問題発言じゃないかとする報道がおかしいんじゃないかと。

青山:ええ。かつて言論活動を始めた時に、逆説的な言い方をするとある評論家に言われて、僕は「あぁ、そういう見方あるんだな」と思いつつ、逆説を言ってるんじゃなくて、違う角度から見るってことですよね。もう一度言いますと、二階幹事長のご発言を逆の方向から見たら、じゃあ今までは男女差別であったと。男女差別に基づいた皇位継承だったと。二階幹事長が仰った話になっちゃうでしょ。これは客観的に見て。そのはずがないじゃないですか。伝統を大事になさってる方ですよ。だから自由民主党の幹事長なんですよね。

篠原:それと、意外とそうなんですよね。天照大神、女性の神様を皇祖神としているので、結構、宮中の大事なところは女性しか入れない、鏡が置いてある部屋は内掌典(ないしょうてん)と言われる女性しか入れないとか。結構女性が。

青山:篠原キャップは例外的によく勉強されてる。女性男性っていう、セクシュアリティっていう西洋的な概念よりも、母性っていう命の源の、これは僕の個人的見解ですけど、敢えて多少哲学的なとこに踏み込んで言うと、そもそも僕らは、例えば憲法って言葉を、constitutionっていう言葉を明治の始まりに和訳しただけで、西洋のconstitutionは、王様がめちゃくちゃするから、最初は貴族が制限をかけて。貴族もやるから、庶民が制限かけて。これを立憲主義と言っているわけですよね。でも、日本の天皇陛下は、例えば英国のヘンリー8世みたいに、嫁さん気に入らないからクビ切りました、って人は居ないわけですよ。人間でいらっしゃいますから個性はありますけどね。そうすると、立憲主義って言っても本当は西洋的な概念で、日本の本来の憲法、17箇条憲法の意味と違うんじゃないですかということ。それがずーっとあって、女性男性ってのいうも実は、セクシュアリティにすごく対立的な概念を持ってる、西洋を好きでよく歩いてますから余計よくわかるんです。でも日本は元々、性別で対立する社会では本来ないので、もちろん日本の産業革命がやって来たりで、色んな変化を起きてますけれども、基本的には母性、命の源っていう概念が日本的な哲学だろうと思っていますから、そういう意味では男系女系っていう誤解を招く言葉よりも、母系父系に。つまり、これ直そうと思ったら一箇所だけでいいんで。皇室典範の第1条に「男系の男子が」と、あそこを「父系」にしていただければ。

篠原:今までずっと男系男子維持の意味を語っていただいて、敢えて質問させて頂きますが。

青山:敢えて嫌な質問してください。

篠原:女系天皇を容認。何で女系じゃだめなの?と。こういうのあまり特定の方で言うとよろしくないんですけど、女性皇族が民間の男性なりと結婚した場合に、そのお子さんが天皇に就くのは何でだめなんだと思っている方も、まだまだ世の中には多いと思うんですね。男系男子を理解できないという方も多いと思うんですが、そこはなぜだめなんでしょうか。

青山:今までの話ともちろん関係しててですね。例えば今上陛下、今夜もお祈りをされると思います。その時にご自分のために祈られることは決してないわけですよね。あくまでも民のため、敢えて言うと人のためにお祈りになる。要するに、天皇陛下のご存在っていうのは、祀り主ですよね。敢えて英語で言うと、大文字で書くTHE PRAYER、祈る人、祈る方。それがいわば、今の概念に無理に多少合わせて言うと天皇家っていうお家の務めなんですよね。そうすると、母系、あるいは女系でもいいですが、母系、女系で新たな皇位継承者が生まれると、お家が変わりますから。お家が変わると、普通そのお家の務めも、考え方も変わるはずです。むしろ違うお家の考えをそのまま新しいお家に全部入れろっていうのも、さっきの愛子内親王殿下が即位された時に起きることと同じで、少なくとも近代の人権の観念からしたらおかしいですね。お家が変わると考え方も変わるし、例えば学者さん中でね、皇學館大学の新田先生がずっと仰っていることですけれども、だんだん天皇陛下は普通の人になります、と。普通の人になったのに、税金をつぎ込んで、例えば宮殿を維持するんですかって話になって、やがて天皇陛下そのものはいなくなるでしょうって事を仰って。これはもちろん推測ですけど、僕は基本的にその考えは当たってると思うんですよね。祀り主、祈る人、それもご自分や、敢えて言うとご自分の家族のこともあまり祈られないで、顔見たことがなくても、日本国民、あるいは世界中の人々のために祈ってくださる存在と、お家の伝統、祀り主は、その伝統でしか、普通の人間ですから、受け継げないでしょうっていう当たり前のことを言ってるだけですね。もう一つは、例えばヨーロッパ大陸、もちろんみんなと同じように歩いてきたんですけど、王家の国籍が変わってもいいわけですよ。

篠原:向こうはそうですよね。

青山:というのは、もう国自体が当然、スッテンコロリンいっぱい変わってるわけですから。ハプスブルク家っていう大きなお家も、今は四分五裂っていうか、違う国になってるわけですからね。オーストリアとかドイツとか。

篠原:イギリスの王様が英語話せないとかっていうことも。

青山:いうことも別におかしくないし、むしろ、そうやってなんとかやや戦争を回避しようとしてきたわけですね。でもそれは、まさしくそれが伝統であって、それを悪いと言うんじゃなくて、日本はそうではなくて、一つのお家がずっと祀り主のご負担を背負ってくださって、こういう政治の世界で私利私欲に走る人を含めていっぱいあっても、いや、人のために祈ってる方がお家としていらっしゃるっていうのが私達の根幹の支えではないですか、と。これも選択肢です。いや、そんなの要りません、と。ヨーロッパと同じのほうがむしろ良いっていう人が、保守の論客の中にいて、僕にそれを意見をインタビューの形でおっしゃりに来られて、やっぱり予想通りそういう考え方が、この74年で育ってるなと思ったんですけど。あくまで、もう一度言いますが、選択肢をフェアに、できるだけ多く全てをお示しをして、主権者に決めていただくということだと思います。

篠原:今、これが今の皇族、天皇陛下と皇族の皆さんの構成になります。本当に男性の皇位継承者が皇嗣秋篠宮殿下と悠仁親王殿下、常陸宮殿下の三人。常陸宮様に関しては、もう相当なご高齢でいらっしゃるということを考えたら、この問題はなかなか喫緊の課題であるようにも思いますけれども、いつぐらいまでにこれは結論というか見通しをつけたらいいと、国会議員としては思われますでしょうか?

青山:重要な欠かせない質問ですよね。二つ面があってですね。もう一回言いますが、この話は実は、結構単純な、複雑じゃない話なんだけですけど。ただ、いつまでにっていうのは二つの側面があって、一つは、本当の危機は、順当に行けばまだ遠い。意外にも少なくとも数十年先なんですよね。でも、国民の意識とか、それから危機管理をしなきゃいけない、何が起きるかわからない、ということをどなたにも、皇族におかれても、僕らでもどうなるかわかんない。それを考えると、こっちの方で早く方向は決めなきゃいけませんね、と。それから、さっき申しました、15歳未満の方が5人っていうのも、来年、再来年どんどん状況は変わっていくわけですから、それ考えると普通に言えば、来年の4月の秋篠宮皇嗣殿下の立皇嗣礼が無事に挙行されて、そこまで政府は当然、実は水面下で、今までもやってきてますし、検討してると思うんですが、来年の4月以降にはテーブルの上に、例えばこういう選択肢がありますということを示さなきゃいけない、と。そうすると、来年の4月ですから、もうオリンピックが迫ってくるんですけれども、通常国会、予算審議、ちょうど終わって、予算成立して、そして秋篠宮皇嗣殿下の儀式も一応終わって、そして通常国会が終わるまでに、提示をして。本格議論はやっぱり東京オリンピックをみんなで無事に終えて、その先ですから、来年の秋以降、秋の臨時国会から、できれば立法府でも審議すべきだと思います。逆算すると、今年の即位礼正殿の儀が終わるとすぐに発表しないと間に合わないってことで、ある程度僕らはお尻を切って議論してきたわけです。逆に言うとですね、まだ充分間に合うんです。だから何も今はまだ国民の中に必要な、敢えて言うと相手と知識が行き渡ってないとか、学校で僕らも教わってないんで、篠原さん良く勉強されてるんで驚きましたが、みんな忙しい仕事なさりながら勉強もしていただかないといけないというのは時間取るんですけど、そういう意味ではあんまり焦る必要ないです。総理が「男系男子の継承のみでやってきた伝統を重んじながら、丁寧に慎重に」と仰ったのは、これは一部の新聞に逃げたとか、先延ばし(と書かれていたが)、先延ばしじゃないです。今、ちょうど適切な時期で、決して暗い話じゃない。あんまり皇位継承のことを難しいとか暗いとか、下を向いて考えないほうがいいと思う。ある女性週刊誌がですね、この提言を出した後に、「あなたは愛子内親王殿下を天皇陛下にしたくないんですか?あなたは邪魔する人じゃないか!」という記者がお見えなって。僕はそういうの大歓迎で。で、一時間半経って退去されて、僕と議論して。で、記事見たら、全く公平に書いてあって。ただし、けしからんって大学教授の見解を後ろに同じページ数でありましたけど。でも、取材した結果は公平に書いてあったんで、青山さん言ってるから正しいって書いてあるんじゃなくて、公平に書いてあるんです。ということは、たった一時間半、初対面の人と議論して、通じ合うところ、一致できる点が見つかっていくんですから、決して焦る必要はないし、下向く必要がない。むしろ、日本にはこんなに他の国は全くない伝統を先人の知恵でも持ってきたって事実があるんだな。私達の光であり、誇りであり、根っこであり、どんなに社会は混乱しても、ここが安定してるって言うね、心の拠り所になりうることだと思います。

篠原:それを政治課題に乗せるのが、ここ1年だというのが。

青山:そうですね。キャップらしい切込みで。来年秋の通常国会(注:臨時国会の間違いと思われる)でできるだけ審議したいですねってことは、ここ1年になりますね。

篠原:予定をかなりオーバーして、1時間に渡って話をさせて頂きました。すいません、今日はありがとうございました。

青山:丁寧な話を聞いて頂いてありがとうございました。

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書き起こしここまで

るんるーん♪