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"ITベンチャー業界の意思決定層のジェンダーギャップに取り組む"コミュニティをつくる理由

昨年から、じわじわとコミュニティをつくり始めている。

掲げている活動テーマは「ITベンチャー業界の意思決定層のジェンダーギャップ」

集まってくれた素敵な仲間と濃い時間を重ねながら、複数社で協同したとしたら何が出来るか、模索している。

なぜコミュニティか。

私は、自分自身のビジョンを「まだ見ぬ可能性を最大化する構造をつくりたい」と表現しているのだが、まだ見ぬ可能性が含むひとつのテーマとして、意思決定層に女性が少ない現実に対して、社内でのアクションだけでなく、社外とのつながりとしてコミュニティをつくりたい

なぜコミュニティをつくるのか。

なにしろ、この領域について議論が成熟していない。コミュニケーションの仕方、進め方や表現を誤ると、ざざーっと一線が引かれる。あるいは、とんでもない感情論や持論に引きずりこまれて沼にハマる。

時差があるのだ。強烈な。

さらに、経営課題として優先順位を高く持っている経営者にお目にかかることは稀だ。(稀だが、課題意識を持っている経営者もいることは記しておきたい。)そんななかで声を挙げたところで、時間軸も認識感も合わなかったりして、あっという間に行き詰まる。

(話は聞いてくれるけど、)経営層は変わらない。となって、以上、終わりだ。

ここまで偉そうに綴ってきたが、私自身も、捉え方が変わったのは昨年からだ。身をもって、この領域と自分自身の内面の変化がクロスするには時間差があることを感じている。

今日明日で変わらない。

それでも、10年後には必ず変わっている未来が描けるところまで社会の目線も高まってきているように思う。足音は確実に聞こえる。

トップダウンとボトムアップと、社内と社外の合わせ技で、時間軸に耐えていく仕組みとして、コミュニティをつくりたい。

なぜITベンチャー企業か。

いったん、ITベンチャー企業をどう定義するかは横に置かせてもらい、日本を代表するような会社の動きとして、30%Clubの動き方は興味深く拝見している。取締役会を含む企業の重要意思決定機関に占める女性割合の向上を目的に、TOPIX100企業で構成されている。最近ますます精力的に活動されていて、大いに刺激を受けている。

上場企業を取り巻く動きとしては、コーポレート・ガバナンスコードの改訂により、2022年に再編されるプライム市場(仮称)の上場企業に対して、取締役会の多様性が求められる見通しもある。取締役会の多様性に対する社会からの要請に関する大きな議論形成は、30%Clubさんが牽引していってくれるだろう。

私は、これらの動きを捉えつつ、ITベンチャー業界において取り組みたい。私がずっとベンチャー畑にいることと、経営資源が限られた中で新しい価値提供をしようとしている私たちだからこそ、多面的な意思決定がされるようになったなら、それは大きなことではないかと思うのだ。

書籍『存在しない女たち』に例示されているような、データの時点で発生しているジェンダーギャップにも興味がある。各社が事業を展開している産業あるいはビジネスモデルにおける構造的な歪みについても扱えるようになりたい。

「女性による女性のための」の構図にしないこと

ひとつ気をつけたいのは、会社も社会も、男性で意思決定がされているという現実を忘れずにいたい。ここから切り離された活動となってはいけない。

こういった取り組みは、女性が中心となって構成されることが多いが、旗振りも実行も効果測定も、当事者である女性に任されるようなやり方は息切れする。女性だって、このテーマを推進するにあたって大きな葛藤を抱えているのだ。

私自身、数年前に一度メディアを立ち上げさせてもらったものの、継続して運営することができなかった。コミュニティメンバーと話していたときに出てきた「数年後ごとに取り組みがなされては消えていく黒歴史」という表現は、思いあたる節しかない。ぐさり。

まずは、複数社の女性役員メンバーで時間を重ね、始動に向けて動いているが、しかし、いずれかの早いタイミングで、性別が意識されない運営体制にしたい。

* * *

2020年は、"コミュニティのビジョンを耕す期間"と称して、立ち上げメンバーと時間を過ごすことに重きを置いていた。

きっと、自分自身が、果たして腹をくくっているのか。逃げないか。自分で自分を試していた期間でもあった。

2021年は、具体的にアクションしていきます!


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