嗅覚と味覚のない世界で気づいたこと
10年ぶりに風邪をひいた。
職場の冷房が強くぶるぶる震えながら仕事をした日から、高熱を出し風邪の状態が続いた。
風邪は良くなったが、今現在5日間ほど嗅覚と味覚がない状態が続いている。
(コロナではなかった。)
コーヒーの香りや食事はもちろん、風の匂いや季節の香り、大好きな朝の匂いもしない。
しかし、私の場合は食欲がある。
食べても味がわからないのに今までと食べるものは変わらず、量も変わらない。
そこで私は気づく。
今までたいして味わって食事をしていなかったのだと。
味わっているようで、実はお腹に入れているだけだったようだ。
食事をしていても仕事のことや人間関係、まざまな記憶に囚われ、食事に集中していなかった。
風の匂いなどがしないことはかなりストレスだが、食事に関してはあまりストレスを感じていない。
普段から、味がなかったのだ。
だから、嗅覚と味覚がなくなろうとさして苦労がない。
なんとなく、自分に幻滅した。
嗅覚と味覚を失ったことで、もっと今を、もっと目の前を生きたいと思った。
「あー早く嗅覚味覚戻ってきてー」と思えるような毎日を、生きなければと思った。
もっと自分の感覚に興味を持ち、五感で毎日を楽しみたい。そう思った。
とりあえず今は、失った感覚が戻ってくるのを静かに待とう。
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