アメリカ西海岸は、ラベンダー好きにはたまらない場所だった

私は小さな頃からラベンダーが好きだった。

リラックスや鎮静作用を持つアロマテラピーのその効用や、フレンチラベンダーのほんのり濃い紫色の蕾だとか、日本だと切り花として売られないその希少さも、爽やかでどこか懐かしい余韻のあるその香りもお気に入りだった。

日本では私ほどラベンダーの香りや印象は大きく評価されていないようで、コスメ売り場を見ても国内で発売されたラベンダーの香りはどこか媚のある香りに調整されていたり、自然派でも他の香りとブレンドされていたりで、なかなかフレッシュなラベンダーの香りを押し出したプロダクトは存在しない。(存在しないことはないんだけれど、パッケージがお土産物屋のように古臭かったりして惹かれない...)

しかし、このあたりでは、ラベンダーは割りとウケの良いものとして色んな商品が存在しているようだ。

フェリービルディングというサンフランシスコのフェリーの発着場では、定期的にファーマーズマーケットが開かれる。街の中でも大きな市場で、野菜や花、オーガニックコスメやオリーブオイルなど地元で作られたさまざまなものを購入したり味わうことができて、ここではラベンダーで作られた石鹸やドライフラワー、エッセンシャルオイルの他に、生花のブーケも売られていた。

またナパ・ヴァレーにあるナパソープカンパニーという人気のせっけんブランドの本店では、ラベンダーの手作りせっけんの他にシアバターボディクリームやソープなんかも売られていた。

スーパーマーケットやドラッグストアでもラベンダーの香りは一般的のようで、数種類の香りの展開がある商品ではラベンダーがそのうちの1つにはいっているのを見かけることができた。

AVEDAなどのちょっといいラインの化粧品だけでなく、デイリーユースな価格帯の商品についても、ラベンダーは結構愛されている印象。

そんなわけで、私はフェリービルディングのファーマーズマーケットでラベンダーのエッセンシャルオイルを購入し、ナパソープカンパニーで石鹸とボディバターを購入し、たまたま入った花屋で見つけたラベンダーの切り花もゲットし、ベッドのある部屋の隅っこにそれらの商品を美しく並べた祭壇を作りあげ、嗅いだり触ったりして癒やされる日々を送っている。地元で作られたラベンダーのエッセンシャルオイルをバスタブやバスタオルに垂らし、温まった空間に素晴らしいラベンダーの香りが満ちていく癒やしのシャワータイムを送ることだってできている。

「このコーラとテクノロジーしかなさそうな街に、こんな素敵なオアシスがあるなんて!」と、びっくり感動した出来事だった。


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