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京都の春の風物詩「都をどり」

京都に移住してからずっと気になっていた、祇園甲部の「都をどり」を観てきました。
想像以上に素晴らしく、とても感動しました。


祇園甲部

京都に五つある花街かがいのうち、最大規模を誇る祇園甲部。
八坂神社の氏子域で、四条通の南側に祇園甲部歌舞練場があります。
大正2年に建設された祇園甲部歌舞練場は登録有形文化財となっています。
富岡鉄斎の筆による扁額「場練舞歌」は写真の左奥に写っています。

都をどり

祇園甲部の春の公演「都をどり」
毎年4月の1か月間、毎日3回、約60人の芸舞妓さんが1時間の舞台を公演しています。

都をどりの初回公演は明治5年。東京が首都になって、人が流出してしまった京都を再興するべく行われた京都博覧会の附博覧として行われたことが始まり。以来、毎年春に公演されています。

天皇即位の年やオリンピックイヤーには、春と秋の年に2度公演されたことがあり、戦争やコロナで開催されなかった年もありました。
2024年は150回目の記念公演。

衣装

都をどりは浅黄色あさぎいろをベースに毎年演題に合わせた衣装が作られています。
2024年の演題は「都をどり百五十回源氏物語舞扇」
衣装には御所車と簾があしらわれていて、帯にはひし形の雲がデザインされていました。

浅黄色のお衣装でつくられた都をどりグッズ

チケット

座席は6,000円の一等と4,000円二等の2種類
さらに一等には7,000円のお茶券付き席もありました。

座席表もWebサイトで公開されていますが、ほとんどの座席が一等席です。
そして当日会場の様子を見ていると、ほとんどの人が7,000円のお茶券付き一等席のようでした。
都をどり初心者の私は今回は6,000円の一等席にしたのですが、次回は7,000円のお茶券付きにしてみようと思います。

お茶券付きにすると、虎屋のお饅頭と京都の有名茶店(一保堂、辻利など)のお抹茶をいただけ、お饅頭がのせられているつなぎ団子模様のお皿がもらえます。
公演が行われる場所とは異なる会場でお茶を楽しむそうです。
芸妓さんがお抹茶をたてて、舞妓さんがお客さんに運ぶ様子を見ることができ、運がよければ舞妓さんがすぐ近くまで来てくれるみたいです。

つなぎ団子のお皿は会場内お土産売場で600円で販売されていました。
虎屋のお饅頭は400円くらいするでしょうから、1,000円のお茶券はとってもお得感があります。

公演内容

五花街はそれぞれ流派がありますが、祇園甲部は京舞井上流。
常に指閉じて、顔の表情を付けずに舞うのが特徴。芸舞妓さんのしなやかな動きと、きりっとした力強い動きが織り交ぜてあって、食入るように見てしまいました。
8つの場面で構成された1時間の舞台はあっという間でした。

隣の席に座っていた方も「すごくいい舞台を見せてもらった」とお話しされていたのですが、本当に素晴らしい舞台でした。
普段、舞台などはほとんど見ないのですが、すっかり大ファンになりました。

是非皆さんも、祇園甲部歌舞練場に行って都をどりを観てみてください。

会場内

お茶券付きのチケットを持っていれば、過去の都をどりの衣装やポスター展示などを観れたようです。

都をどりグッズの売店は大盛況でした。
過去の衣装で作ったポーチやカバンが魅力的でした。

タオルやペンなどを買っている外国人の方がたくさんいらっしゃいました。
売店エリアはチケットを持っていなくても入れるので、祇園観光の時に立ち寄ってみるのも楽しいと思います。

おススメ

イヤホンガイド(700円)がとってもよかったです。片耳にイヤホンつけて説明を聞きながら舞台を観れたので、よりよく理解できました。
公演開始前には人間国宝の井上八千代さんの解説も聞けました。

プログラム(700円)もおススメです。8つの場面の説明、芸舞妓さんのお顔写真、今年の舞台衣装、季節のかんざしなど情報満載でした。
英語の説明も併記されているので、伝統芸能の英語表記の勉強にもなります。

来年は

来年はお茶券付きの一等席にしようと思います。
左右に花道があるので最前列よりも5~10列目が一番見やすい席になると思います。
上手に地方の三味線の皆さんが、下手にお囃子の芸舞妓さんがいらっしゃいました。私は三味線に魅了されたので、上手側の席の方がいいなぁと思いました。

格天井と提灯も素敵でした



祇園でおみかけする芸舞妓さんは本当にお綺麗で、艶があり、歩く芸術品のような気がします。
日ごろの鍛錬の賜物なのでしょう。

祇園の、花街の、京都の文化が次の世代にも引き継がれていくといいなと思いました。


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