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人柄と力量の競演。「悩み相談」が面白い

悩み相談が好きだ。
定期的に読むのは、新聞の連載が多い。読売新聞で毎日掲載されている『人生案内』、朝日新聞・土曜版『Be』の『悩みのるつぼ』、日経新聞・土曜版『悩みのとびら』など、気がつけば必ず読む。

身近な悩みを、毎日サクッと。読売新聞の『人生案内』

読売新聞の『人生案内』は質問文も回答分も短めだが、毎日掲載されている。夫婦のことや介護、子育てなど、身近な悩みが多い。相談内容がわりと重ためなので、「うわ〜、これ、どうやって回答するんだろう」と胸をざわつかせながら、回答欄に目を移すことも頻繁にある。
回答者は、いしいしんじさん、パトリック・ハーランさん、増田明美さんや、精神科医の方、ライターの方などさまざま。
悩みを深く受け止めて、相談者に寄り添うような回答もあれば、問答無用の辛口コメントで突き放すような回答もある。時によっては、自分が想定する回答と真逆なことがあり、「人生、まだまだ勉強が足りていないな」なんて反省する。毎日いろいろな人生をのぞけるのが面白い。

相談例:毒親との関係を断ちたい、という女性からの悩み

悩み相談だけど、充実した「読みもの」。朝日新聞『悩みのるつぼ』

朝日新聞・土曜版の『悩みのるつぼ』は、回答者がとにかく豪華。美輪明宏さん、上野千鶴子さん、姜尚中さんと世間的に一目置かれる識者が名を連ね、清田隆之さん、野沢直子さんがその後に続いている。
質問文にも回答文にも、存分に紙幅を割いている。相談者が置かれた状況や切迫具合が伝わってくるし、回答も丁寧だ。解決策に辿り着くまでの回答者の逡巡やプロセスが、手にとるように伝わってくるのが醍醐味だと思う。
たかが「悩み相談」、されど「悩み相談」。識者の人生観や人脈、経験が滲み出た名回答を味わえる、充実した「読み物」だと思う。

相談例:一度は自分を裏切って浮気した夫とどう老後を過ごすか、という女性からの悩み

回答者の個性が光る。 日経新聞『悩みのとびら』

日経新聞・土曜版『悩みのとびら』は、『悩みのるつぼ』を少しカジュアルにした趣の悩み相談だ。相談内容はさほど重いものではないが、時勢を得たものが多く「あるある〜」と頷いてしまう。
回答者は、石田衣良さん、『光る君へ』の脚本家・大石静さん、お笑い芸人・山田ルイ53世さん、湯山玲子さん、美村里江さんなど、顔ぶれが幅広いのが魅力だ。持論を展開したり、少し笑いに傾いたりしながらも、最後は快音を響かせるようにして「結論」を弾き出す。回答者の個性が際立つ「名・珍回答の競演」のような連載だと思う。

相談例:中学生の息子と寝室を別にするのが寂しい、という母親からの悩み


悩み相談には、書き手の人柄や文章力が如実に出るので、読み応えがあって本当に面白い。
今回は私がよく読む新聞の連載を紹介したが、作家さんが回答する悩み相談も大好きである。調べてみたら、多くの著名な作家さんが「悩み相談」の本を出している。ふむふむ、これは珠玉の読み物に違いない。


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