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自分で選ぶから自分の人生になる だから旅はおもしろい【POOLO卒業生インタビュー】

TABIPPOが運営するPOOLOは、ニューノーマルトラベラーを育てる学校。現在は4つのコースがありますが、POOLOの始まりとなったのは「仲間と学んで自分と世界を豊かにする」ライフデザインコースです。

今回はPOOLO ライフデザインコース3期の卒業生、コージーさんにインタビューさせていただきました。

岡村幸治(コージー)さん
貯金17万円から世界一周した旅人、ライター、Voicyパーソナリティ。スタバのフラペチーノが大好き。

2020年 3年務めた新聞社を辞める
2021年 ライターとして独立
2022年 POOLO 3期(1月~9月)
2023年 世界一周の旅(3月~11月)

11月に世界一周から帰ったばかりのコージーさんに、POOLOの魅力と、世界一周、そして今後の活動についてお聞きしたいと思います。POOLOを経て、卒業生がどんな人生を歩んでいるのか。知ってもらえたらうれしいです。


世界一周の前にPOOLOで得たもの

「貯金17万円から世界一周」という印象的なキャッチコピーと、海をバックに視線を斜めに流したプロフィール写真。文章ほど人柄がにじみ出るものもないけれど、コージーさんのX投稿やnoteを読めば、確固たる自分を持っている人だと分かります。

そんなコージーさんが、POOLOの3期生だったと知った時、私は少し意外でした。好きなものは好き、嫌いなものは嫌いと言えて、他人に迎合しない人。コミュニティに入らず、1人で旅に出そうなタイプに見えたからです。

POOLO3期のメンバーでディズニーシーへ

ーーPOOLOに入る前に、2023年に世界一周の旅に出ることは決めていたようですね。旅に出る前にPOOLOに入ろうと思ったのはなぜですか?

世界一周したいと思ったのは会社員時代の2019年で、翌年の2020年末には退職していました。何もなければ、すぐ旅に出ていたかもしれません。でも当時はコロナ禍の最中で、世界一周は2023年まで見送った方がいいと判断しました。

どうせ待つなら、時間を無駄にしたくないと思ったんです。POOLOは旅好きが集まるコミュニティで、「豊かさ」をキーワードに講義とワークが行われます。豊かな旅、豊かな人生について対話をすれば、僕も世界一周のテーマが見つかり、より深い旅ができるのではと考えました。

ーー素晴らしいですね。旅のテーマは見つかりましたか?

いえ、いろいろと考えてみたのですが、結局「これだ!」というテーマは見つかりませんでした(笑)
でも、それよりも大きな収穫がありました。旅好きとか関係なく、一生付き合っていきたいと思える友達が10人くらいできました。卒業後も遊んだり、会社をつくって一緒に仕事したりして。そんな友達、簡単にできないですよね。POOLO生は同期じゃなくても繋がるし、ものすごく価値を感じています。

▽POOLO3期生の5人で設立したクリエイター集団は、2023年8月に株式会社クリエスタとして法人化。コージーさんもメンバーの1人で、ライターとして参加している。

株式会社クリエスタのホームページより

本質的な問いから生まれる友情

POOLOはたしかに社交的な人が多いイメージがあるけれど、コージーさんは誰とでも友達になるようなタイプには見えません。初対面なのに失礼かと思いつつ、正直に伝えてみたところ「そのとおりです」と笑ってくれました。そういう人に、一生付き合っていきたい友達がいっきに10人もできるのは、ただ事ではないはず。その理由を知りたくなりました。

POOLO3期の他のメンバーが企画した熊本・人吉のスタディツアーにて

ーーPOOLOでそこまで特別な友達ができたのは、なぜだと思いますか?

POOLOの設計が見事でした。講義も素晴らしいですけど、僕が特に好きだったのはチーム活動です。受講期間が4タームに分かれていて、ターム毎に3、4人のチームを組むんです。2ヵ月くらい同じチームで活動するんですけど、「自分の世界を豊かにするために何ができるか」みたいな課題が与えられて、それに対してワークやプレゼンをします。

それまで毎週のように、チームで「豊かさって何だと思う?」みたいな話し合いをするんです。少人数で密な話をするから、お互いの価値観がよく分かるようになるし、「あ、この人好きだな」と気づく瞬間がありました。

他にもPOOLOメンバー同士1対1で話す"1 on 1"の文化もあって、友達を見つける機会が多くありました。

第3タームのチームで行った自己決定ワークショップ

ーー「豊かさとは何か」なんて哲学的な問いですね。普段なかなか話さないですよね?

仲が良い友達とでも、ほとんどの人がしない話ですよね(笑)
僕はそういう話けっこう好きなんですけど、さすがに初対面では無理ですし。みんな最初は戸惑いながらも、POOLOの課題なので「じゃあ、話すか」という感じです。でもそういう本質的な問いってお互いを知るのにすごく良いんですよね。

第2タームのチームメンバー

ーー回数を重ねるにつれて面白くなりそうですね。

チーム活動、めちゃくちゃ面白いですよ。タームが変わるとチームのメンバーも変わって、また新しい3、4人で話していきます。同じようなテーマでも、メンバーが変わると話の展開もアウトプットも全く変わるんですよね。3人のうち1人でも変われば、チームの雰囲気も話の内容もガラっと変わる。1人の存在ってすごいなと思いました。

僕はディスカッションが好きですけど、ディスカッションできる友達って滅多にいません。そんな友達をPOOLOで見つけられたのは本当によかったですね。

自分で選ぶから自分の旅になる

POOLO 3期を2022年9月に卒業したコージーさんは、2023年3月に世界一周の旅に出ます。貯金17万という逆境ではあったけれど、海外に住む日本人にインタビューする企画をメディアに持ち込み仕事にしたり、クラウドファンディングをしたり、ピンチをチャンスに変えて出発しました。8ヵ月後の11月に帰国するまでに行った国は、以下23ヵ国。

ベトナム、カンボジア、タイ、インド、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、トルコ、ギリシャ、アルバニア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、セルビア、クロアチア、イタリア、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニア、ジンバブエ、メキシコ

ヨルダン・ペトラ遺跡にて

ーーVoicyで、世界一周しても価値観はそんな大きく変わらないと話していましたね。正直で面白い人だなと印象に残りました。

子どもではなく成人して社会に出た人なら、世界一周したくらいでそんなに大きく価値観が変わることってないと思います。世界一周といっても長い人生で考えたら一瞬だし、それ以外の時間の方がずっと長いですから。それまで積み上げてきた価値観がひっくり返るとか、性格や人生が大きく変わるなんてことは、僕はないと思います。

ーー価値観が変わるというより、自分の価値観が浮き彫りになる感覚だと言ってましたよね。

はい。旅が非日常から日常になるからです。旅も1~2週間なら非日常として楽しめますよね。でも2ヵ月以上の長い旅になると、旅が日常になってきます。たとえば、ある国で切符を買うのに列に並ばない人がいても、非日常なら「異文化だな」と面白がれる。でも日常になってくると「ちゃんと並んでよ」と思うようになります。

旅に出るからには異文化を理解しようというマインドは大切だけど、それが自分にとって心地よいか、好きかとなると別の話です。僕の場合は、秩序がある方が好きだと気づきました。

とくに気に入った町だというホイアン

ーー苦手だけど、乗り越えないといけなかったことはありますか?

人見知りですかね。初対面の人に話しかけるのが、すごく苦手です。海外で一人旅だと、切符の買い方とかバスに乗る場所とか、その場で誰かに聞かないといけないですよね。日本にいれば、そもそも知らないことも少ないし、人に聞かずケータイで調べれば済むけど。海外だとそうはいきません。

ーー人見知りのコージーさんが、ウズベキスタンの列車で出会ったブルガリア人のおじさんに、POOLOの仲間の話をしたエピソードがすごく好きでした。

ありがとうございます。人見知りは変わらないけど、心に残っているので記事にしました。ウズベキスタンの列車でお茶をしながら、富士山に登ったことがあるか聞かれて、「POOLOの仲間と登る予定だったのに僕だけ体調を崩して登れなかったけど、今回の旅のお守りに富士山のストラップをもらった」と話をして。「いい友達がいるね」と言ってもらえました。

ブルガリア人のミットさんと
心強いお守りになった、POOLOの仲間が作ってくれた富士山のストラップ

↑こちらの記事です。すごくステキな内容なのでぜひ読んでいただきたいです!

ーー旅をしていて好きだと感じたことは何ですか?

決めることが好きです。旅って選択の連続ですよね。この町に何泊滞在するのか、どこに行くのか、宿はどうするのか、ツアーに参加するのか。ゲストハウスで出会った人に一緒に観光しようと誘われたけど、信用していいのか。

次々と決断が迫ってくるし、すぐ決めなくちゃいけないから疲れます。でも、めちゃくちゃ好きなんです。生きてる感じがする。自分で決めるから自分の人生になると思っているし、僕が旅を好きな理由の1つです。

ある人について行くことを選んだら、ぼったくりバーに連れていかれたこともあります(笑) 後悔するかもしれないけど、違う選択をしてたら旅の内容が変わって、ぼったくりバーの経験は無くなりますよね。自分の選択によって物語が変わるって、すごく面白くないですか。

ヨルダン・ワディラム砂漠にて

ーー何事も正解を探そうとすると、迷うのかもしれないですね。

究極どっちを選んでもいいというか、正解も不正解もないと思います。インドのニューデリーで組織的な詐欺にあって、大金を取られそうになったこともあるんですけど、今思い出しても腹が立つし、その時は何より怖かった。

でもその経験がなければよかったかと言えば、違いますよね。僕は世界一周するにあたって「無事に帰ってくること」だけは重要だと思っていたので、生きてさえいれば何を選んでも正解だと思ってます。

1日1日を燃えるように生きたい

今の状況が1年後2年後も同じとはかぎらないし、自分がいつまで生きているかも誰にも分からない。その貴重な人生で、正解を探して迷っている時間が1番もったいないと話すコージーさん。2023年11月に帰国したばかりですが、これからのことを聞いてみました。

コージーさんはとても正直な人。だからこそPOOLOや旅の話をする時の笑顔がいい

ーー世界一周から戻って、旅は非日常として楽しみ、これからは日常をどう生きるかを大切にしたいと言ってましたね。

人生を変えるのは非日常ではなく、日常だと思うからです。2020年に会社を辞めてから、フリーランスになり、旅をして、すごく頑張るというよりはゆるりと過ごしてきました。だからこれからは燃えるように生きたい。死ぬ気で頑張りたいと思っています。

世界一周したら本を出したいと思ってたんですけど、実際にはまだまだ力が足りないと感じました。ライターとしての腕をもっともっと磨きたいので、1月から尊敬している方のライティング講座を受けます。旅も2週間から1ヵ月の中期的な旅を続けたいですね。

ーーPOOLO卒業時のnoteに、POOLO10期の講師としてカムバックしたいと書いてありましたけど、気持ちに変わりはないですか?

書きましたね(笑) はい、変わってないです。
POOLOを経て世界一周をして、やっぱり旅が好きだし、旅は自分の人生の軸だと思いました。まずは書く仕事1本で食べていけるだけの力をつけて、自分のやりたい旅を思いきり楽しんでいく。それが今の目標です。

POOLOの卒業生である僕がそういう生き方を実現して、POOLOの講師として戻ってこられるように頑張ろうと思います。

コージーさんのXはこちら


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