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払うか、払わないか、それが問題だ

仕事をしていて心が折れることに、コンサルタントとの関係、というのがある。仕事を進めていくうえでの関係にはそれほど心が折れることはないんだけど、プロジェクトが終わりに近づいてくると、大抵のコンサルタントは「いやぁ、それはきついですね。なんせもう予算が少なくなってきてまして」ということを言い、私らが、というか最終的には私の働いている組織がさらにプロジェクトに予算を足すようにと促す。そういうコメントを聞くたびに、またか。。。とかなり白けた気分になる。

今回もそうだ。1年半前から続いているプロジェクトで、もう最終段階というところでめんどくさい事態が発生。

去年の4-5月の話だからもう1年以上間にさかのぼるけど、私の上司の上司が、あるアイディアをかなりイケル!と思ったらしく、そしてそのアイディアをさらに進める為に私が進めているプロジェクトのコンサルタントのサービスを使いたい、と言ってきた。彼のアイディアの趣旨と私が進めていたプロジェクトの趣旨が合うので、それもスコープのうち、とみなせないこともなかった。ただ、私が白けすぎている、と言われればそれまでかもしれないけれど、彼の話を聞いていて、内心、「今までにも似たようなアイディア何度も聞いたことあるんだけど、そのどれ一つとして話が進んでないし、それに話を聞く限りではかなり詰めが甘いような感じするけど。。。現実はそんな簡単にいかないと思うんですが。。。」と思う私がいた。

結局のところ、その上司と、私の直属の上司がアイディアを気に入って、コンサルタントにリサーチをしてもらったり、ミーティングをセットアップしてもらったり、という風にことは進んでいった。

もちろんもともとのスコープと重なる部分やそれ以外の部分もあったので去年の終わりごろには予算が残り少なくなる、という事態に出くわす。その時点では契約書にかかれているプロジェクトの予算の10%、あるいは$100,000までは足すことができたので、その手続きをしてその他の終わらせないといけないタスクを終わらせましょう、という話だった。

その以前からも、私の上司たちはこのコンサルタントが大好きらしく、今のプロジェクトにさらに予算を追加してこのコンサルタントチームを引き続き利用したい、というようなことを言っていた。

私はといえば、うちの上司なんでこんなにこのコンサルタントを買いかぶるのか?と思っていたし、さらに仕事を回したいのなら、新たにスコープを書いて、予算をたてて、コンサルタントを雇う手続きを行うべきだ、と伝えた。彼らは Sole Sourceといって「このコンサルタントチームにしかできない特技があって、他に誰もこの仕事をできる人やチームはないんです」という非常に特殊な契約手続きをしたがっていた。私にはなんでそれほどこのコンサルタントがいいのかわからないし、彼らでないとできない、という内容ではないよな、と思っていた。おまけにSole Sourceはいかに特別技能があるか、ということを打ち出さなきゃならんので、めんどくさいっちゃあないのだ、とくに他にも同じことをできるチームがいる場合。

なんにしろ、今の契約にあるスコープが終わりに近づいたころに、さらにスコープを加えて、予算も足す方向で行きますという風に話は進んでいった。そこへ来てCOVIDによる経済危機で、うちの組織の収入がガックリと減った。なんせ収入の大半が郡の消費税の一部で賄われているから、失業したり、家で仕事をする人が増えて、お買い物に使うお金も減れば消費税の収入も減るのだ。

それと時期を同じく、他の組織の人達にもいろいろ懇談していた上司たちは、彼らからこのコンサルタントチームじゃなくてもいいんじゃない?とかいや、このコンサルタントチームよりはどこそこのほうがお勧めだよ、とか言われ、結局のところ気持ちがぐらついた、というか「ではとりあえず今やってもらってる仕事だけ終わらせてもらって、次はまた新しくいつものプロセスを通して契約をすることにしましょう、その際このコンサルタントチームに決るかどうかは今のところわかりませんが」という流れになった。

とどのつまり、組織の収入が減って、予算を足せるかどうかの見通しが悪くなり、さらに、このコンサルタントチームじゃないほうがいいかもしれない、ということをアドバイスされ、気が変わったというところか。

それを告げると(告げたのは予算の都合上先の見通しが悪いから、とりあえず今携わっている仕事だけ終わらせてくれということ)、コンサルタントチームは了解してくれたが、実は今までに毎月請求してきた分とは別に、このアイディアを進める為に費やした人件費とかかった旅費があって、それはまだ請求していないから、それを清算したい、と言ってきた。

そんなん初耳だし、知らんぜ、私は。上司たち知ってた?と聞いても彼らも知らん、という。なんなの?!?!

しかも、じゃあいくらぐらいの話してるの?と金額を提出してもらったらふ・ざ・け・る・ナ!!! という金額。そして納得いかないから当てはまる仕事の詳細も提出してもらったら、いやいや、これってもともとの契約に書いてあるスコープの内容と同じじゃないですか。それにいままで毎月請求書を受け取って、その時のプログレス・リポートにもこの件に関する仕事をしました、って書いてあるんだから、私はこの仕事に毎月お金払ってますよ。というと、それ以外にも費やした時間があって、それがこの金額なんだ、という。

ま~~~ったく納得いかないので、何度も上司たちと話し合いをした。彼らもこの金額にはびっくり、という状況で、しかも今まで請求してきた以上にこんなに金額あるなんて全く知らされていなかった、という。しかも、なんで今まで請求してきた分とは別にこの時間をトラックする必要があるの?と府に落ちないことばかり。びっくり、というかこんな請求してくるなんて心外だ、というふうである。そら私だってそうだよ。

結局、上司たちだけでは話に拉致があかなくなってきたので、コンサルタントや業者との契約書をすべて取り扱う部署に相談することに。

そこの部長さんとも何度も話をした。彼が言うには、結局何に煮詰まるかというと、このコンサルタントと私らの組織との契約書、というのは、これこれの値段の中で、これこれという仕事をし、こういうプロダクトを提出します(これがスコープになる)というものである。なので、何時間働いたか、ということに対して報酬をだすのではなく、受け取ったプロダクトに対して報酬をだすのであって、今更何時間オーバータイムで働いたからこれだけ支払ってくれ、というは筋違いである。それはコンサルタントも十分に承知の上のことである。この会社は今回初めてうちの組織と仕事をしたのではなく、現在でもいくつもプロジェクトの契約をしているし、過去にも契約をしているので、今更知らなかったとは言わせない。

やっぱそうだよね、だって予算が底をついてきたからって度に予算足してたらいくら予算あったって足らないじゃん。それになんかいやらしい感じがするのだ。予算が少なくなってきたから仕事ができないって、それはあんた、うまいこと予算をマネージしてないからじゃないの?と思ったし、何より私の中では、終わりに近づくと金を足せって言ってくるんじゃないんだろうか、という予感があった。私的には、この扱われ方って、まさに私ら(組織をふくめて)舐められているし、カモネギぐらいに思われていて、押せばすぐ折れて金を出すと思われているってことだ。ムカつく。許せない。

そこで上司たちには、この未支払いだとコンサルタントが言ってる金額ですが、私は払う気ありません。もうすでに支払った分の中に十分含まれているものだと判断しました。却下します、というか受け付けませんと伝えます。その際この決断をサポートしてください。と言ったら最終的にはサポートすると言ってくれたけど、それは散々あれはできないのか、これはできないのか、業者契約部の部長の言ってることって前に彼が言ってたことと違わない?とか考えあぐねた末でのことだった。却下するって選択肢が今までの彼らのキャリアの中でなかったのかしら。。。と思えた。

いざ、コンサルタントと話をする日になり(ビデオミーティングだけど)、かくかくしかじかで、この請求額は受け付けることができません、と伝えた。その前にメールで内容は伝えてあったけど。そしたらもちろん、コンサルタントも引き下がらない。どうにかならないのか?せめて半額でも支払ってもらえないか?と。結局その日は何も決断はおりず、とりあえず話を持ち越すことに。

そのミーティングの後も数日、何度も何度も考えた。私の決断って間違ってるの?私らには契約書にかかれている以上の金額を支払う必要はないし、実際それ以上の費用が派生していた、なんていうのも最近になるまで伝えられていなかった。おまけに。。。いいわけではないが、このアイディアと上司たちとコンサルタントの間で交わされた会話やミーティングの内容、私はずっと関わっていなかったのでよく知らないのだ。たとえ上司に訪ねてみたって、彼らが自分の立場が悪くなるようなことは何も伝えないだろうし。

業者部の部長にもう一度電話して話を聞いてもらった。彼が言うには、コンサルタントがこういう風にしてうちの組織から少しでも多く予算を引き出そうとするのは日常茶飯事であり、大概のプロジェクト・マネージャーはコンサルタントが言うままに予算を追加するのだと。それはたとえプロジェクトの予算が私のものように小さなもの($825,000)(←規模的には小さいが、家が買える値段だ、ロサンゼルスで)から数百万ドル(>$1,000,000)以上のものまで。そしていくら契約書が上限はこの金額です、この範囲でこれらのプロダクトを制作して提出します、と記載してあっても、あってないようなものなのだと。だから私のように、コンサルタントの言いなりに予算を追加しようとしないプロジェクト・マネージャーがいることは嬉しい、とまで言ってくれた。

そこまで言ってもらえると私も舞い上がるけど。。。現実はと言うと、まだ最終決断に達していないし、改めてまたビデオミーティングが今月末にある。胃が痛いし、逃げ出したい、この仕事辞めたい、気分。

なんでそこまでするのかな、とも思う。払っちゃったほうが楽だよね。私の上司たちもどっちでもいいような感じがする。

結局のところは私の、この先も簡単に金出すやつだと思われたくない、見くびられたくない、というプライドと、どう見ても不正やん、この請求 と思うものに対して、それを受け入れてこの先も助長させるのが許せない、という正義なのかどうかよくわからんが、頑なな気持ちがある。

意固地になってるのかも、とも思う。特に心が弱くなってる時は。毎日もう支払おうか、と思ってしまう。自分が正しいと思うことをしたって何が変わるってわけでもないし。←これがさらに心が折れる現実。

けれど、やっぱり払う気にはなれない。だって、ふ・ざ・け・ん・なっ!!て思うから。

さらに心が折れることには、私らがこの請求額を支払う必要は全くないんです、と説明してもなかなか受け入れれない上司たち。あ~でもない、こ~でもない、と何とか支払う方法はないか、と検討する彼ら。そして、ビデオミーティングの際、顔を出すことすらしない私の直属の上司。あんたとあんたの上司がやっちゃったことの片づけを私やってるんだけど、こんな後味悪いお金の話なんて誰もやりたくないよ、なのに顔を出すだけの度胸もないの?彼は全く他人事のように一言も話さなかった。

払うか、払わないか。

コンサルタントに払う必要のない金は払わん。

そして尊敬できない上司には敬意を払わん。



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