Stanford大学とのオンライン講座をゼロから立上げる

 コロナウイルスの感染拡大によって、この1年は「グローバルに学ぶ」ことについて大きな制約を受けました。本校でも海外修学旅行や海外研修などについて、苦渋の決断で「延期」→「中止」とせざるを得なくなってしまいました。

しかし、長い時間軸で見れば、私たちはコロナウイルスを克服するはずです。世界の人々と日本に住む私たちの関わりが決して、この先ずっとストップしてしまうことはありません。ですから、この先の社会を生きていく生徒たちが、世界の人々とともに・世界から学ぶことを中断してはいけないと思っています。

海外に行けない・海外からの先生をお招きもできないという状況の2020-2021年にかけて、本校のiグローバル部ではアメリカの名門大学Stanford UniversityのSPICE(Stanford Program on International and Cross-Cultural Education) と協働でオンライン講座を実施しています。これは、本校・英理女子学院高等学校だけのオリジナル講座です。

よく質問いただくのが

「どうやって、スタンフォードと講座を協働開催できるようになったの?」

ということです。今日はそのことについて少し書いてみたいと思います。

修学旅行でスタンフォード大学訪問する予定、だけど・・・

全ては私の危機感から始まりました。

本校iグローバル部の生徒たちの修学旅行の訪問先に「スタンフォード大学」を予定していたのですが・・・代理店さんに依頼する形で打ち合わせを進めていった過程で

本当に私たちが生徒たちに学んで・感じて欲しい内容を盛り込んだ訪問が実現できるの?

という疑問がむくむくとわいてきたのです。

というのも、ある意味、やむを得ないところもあり・・・

学校⇒代理店⇒代理店の現地事務所⇒さらにその窓口となる代理店⇒大学の窓口

という感じで、間に入る会社等が非常に多くて、物事がどうなっているのかが分かりにくく&意思も伝わりにくいという構造があったからです。

そこで思ったのが・・・

「スタンフォードの知り合いのツテをたどって行ったほうが、私たちの想いも伝えられるし、生徒の学びの多いプログラムにできるのでは?!」

ということです。

スタンフォードに知り合いは?!

しかし、なんです。

私は大学時代にアメリカの「ジョージタウン大学」に1年間留学していたことはありましたが、西海岸に行ったことは無い。

大学院でイギリスの「ロンドンビジネススクール」には留学していましたが、スタンフォード大学に行ったことも無い。(その時はヨーロッパの学校に進学しようと思っていたので、アメリカのビジネススクールは1校も受験しませんでした・・・)つまり、

スタンフォードにツテは無い。

この事実に直面することになったのです。

しかし、だからこの先に道が開けない、と考える私ではありません。

「Small Worldって言うし、きっと誰かしらスタンフォード大学出身の人とかいるはず!だから、そこから相談に乗ってもらえるんじゃない?!いや、相談できるはず。」

と、あっさり思いました。そこで、知り合いに

「スタンフォード大学の在校生、卒業生、どなたでもお知り合いいる方いらっしゃいますか?!」

と、超・ざっくり!な感じで聞いてみることにしたのです。

すると・・・

「私、スタンフォードの卒業生です!」「自分、卒業生の〇〇さんという人と親しいよ。」などの連絡を続々頂いたのでした。やはり、聞いてみるものです。

これをコールドコールと言わずして何という

2019年の夏は、スタンフォード関係者の方々と、何人も初対面でお会いしました。(当時はまだ、ランチミーティングなるものができた時代でした・・・今となってはあんな時もあったんだなぁと思ってしまいますが・・・。)そして、

「高木さんが生徒さんたちのためにやりたいと思っていることを実現するには、この先生に連絡してみると良いんじゃないかな」

と、スタンフォードのある教授のお話をうかがったのです。なるほど・・・!たしかにその先生にご相談してみるのは良いかもしれない・・・ということで

何の面識も無い、何者でもない私が、突然サンフランシスコにいるその教授にメールをお送りすることに

しました。突然何の前触れもなく連絡したり、指名したりすることを「Cold Call」と言いますが、まさにこれぞ究極のCold Call。

若干緊張でお腹が痛くなりながら・・・メールを

送りました!

I would be happy to discuss this idea with you.

そして待つこと数日。その教授からお返事メールが届いたのです。

"Dear Ms. Takagi,
Thank you for your very interesting inquiry. I admire your great grandmother and her vision and your desire to carry on her legacy.

I would be happy to discuss this idea with you. ・・・"

!!!

これって、これって・・・前向きに考えて頂けるということだよね?!と、何度も画面を見つめてしまいました。

こうして、

*スタンフォードに友達の友達はいるんじゃないか

*スタンフォードの教授に連絡してみたら、何とかなるんじゃないか

という、いつもながらの私の超・楽観主義により、先生とコンタクトできる状態になったのです。

さらにそこから先の話は、次回に・・・。

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