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全く接点ゼロからスタンフォード大学のオンライン講座を立ち上げた話-part2

何のツテもないところから、世界の名門大学と協働で講座を立ち上げるーそんなんことが可能になるの?と、普通、思いますよね。
前回は、アメリカのスタンフォード大学と全く縁もゆかりもない私が、本校の生徒たちの教育プログラムのために、スタンフォードの大学の先生に突然メールをお送りしてみた(&なんと幸運にもお返事をいただくことができた)ところまでをご紹介しました。

今回はその続きです。スタンフォードの教授に連絡してから、実際に協働のオンライン講座をスタートさせるまでに、どのようなことがあったのか、振り返ってみたいと思います。

私に15 分頂けませんか?

そもそも無謀なご連絡をしたのは、生徒たちの修学旅行でスタンフォード大学訪問する際にキャンパスで実施するプログラムを(代理店さんに任せきりにするのではなく、直接大学の方にご相談することで)より充実させたいという思いがあったためです。

修学旅行のプログラムについて考え始めるうち、実はより包括的なプログラムが必要ではないかと思うようになりました。

修学旅行の「1日」だけ、スタンフォードのキャンパスで何か話を聞いたりしても、その日が「面白かった」という印象で終わってしまうのではないか、それよりももっとじっくりとスタンフォードの先生や学生さんから学ぶことのできる連続講義のようなものを創ることができないだろうか、と考えました。

そこで、先方の教授にそのことをふまえてご相談するメールを突然お送りしたのが前回のお話です。そして、教授から「前向きに考えますよ」という返事をいただいたのでした。

さて、その先,どうやってご相談すべきか・・・

やはり自分の考えを理解していただくために、教授に直接お会いできたら・・・(←コロナウイルスの存在は全く想像もできなかった2019年のことです)と思っていたところ、やりとりしていたメールの中で教授が

「来週は、日本に出張する予定なので、それが終了してアメリカに戻ってから詳しい話をしましょう。」

とさらりと書かれていたのです。

日本に出張!

このチャンスを逃すわけには行かない気がする!ということで、教授に

If you come to Japan next week, could you give me 10-15 minutes? I would appreciate if I can talk to you directly.(日本に来週いらっしゃるということでしたら、10-15分で良いので、お時間をいただけないでしょうか?直接ご相談できれば大変光栄です。)

と、ダメもと(←私は育ってきた過程で、常に親から「ダメもと」で挑戦しなさい、と言われ続けてきました)でお願いしてみることにしました。

すると、教授から

「では○月○日の18:00に○○ホテルのロビーに来てください。日本での予定はかなり詰まっていますが、その日のその時間帯であれば15分くらいは大丈夫です。」

とお返事をいただきました。

よく、「エレベーターピッチ」と言って、エレベーターに乗っている数分の間に意思決定者にプレゼンをして物事を前に進められるような力をつけることが大切だと言われますが、これぞまさにその実践の場!

時差のキツかった教授に最初の15分

そうして、教授に指定された日時に、そのホテルのロビーへ。少しすると、「あの方だろうな」という先生がロビーに登場されました。

第一印象は、

「なんだか、教授、疲れている?」

自己紹介をしてロビーのカフェで話をし始めましたが、教授の疲れている様子は変わらず、私は少々不安に陥りました。

ですが、いただいた15分に何とか想いを込めなければなりません。

私はそもそも何者なのか、私の経営している学園はどのような学校か、そして私自身の想い

「日本の女性が、世界でより活発に生きていくための教育を新たに創っている者であること、その彼女たちに日本だけでなく世界の一流大学の先生からも学ぶことのできる場を提供したいと考えていること、世界の課題SDGsについてスタンフォードの講師の方からの視点を日本の生徒たちに学んでほしいと思って、ここにうかがったこと」

などをお話しました。(なんとか15分にまとまるように、と必死でした。)

教授は一通り話を聞いてくださり

「君が話していることは、非常に重要だと思う。なんとか実現できるように考えて行こう。ただし、いくつかクリアしなければならない点もある。」

とおっしゃいました。

これって!結構感触良いってことだよね?!(でも先生、やっぱり疲れてそう・・・いや、機嫌悪いのか?!)

などと、思っていたところ

「僕は今日、ひどい時差でね・・・ただ、君の話は非常に興味深いですね。このあと、良ければご飯でも食べながらもう少し詳しい話を聞かせてもらえますか?!」

!!! 喜んで!

焼き鳥屋で初対面での教授と3時間熱く語る

そこで、日本食が大好きだという教授を焼き鳥屋さんにご案内して、そこで

なんと3時間も!教育について熱く語ってしまいました。

「いやぁ〜、君とは初対面な気がしないですねぇ」

と、先生はもうこの頃には時差ボケもすっかり直りつつあり、日本の教育のこと、アメリカの教育、スタンフォード大学についてなど、色々お話してくださいました。

こうして、初対面の教授に15分だけ頂くはずだったところが約4時間、じっくりお話をさせて頂きました。この教授が、私の想いに共感してくださったおかげで、全くツテのないスタンフォード大学と本校の協働講座の構想が具体的に動き出すことになりました。

Stanford背景で

やはり、本学園の創立者(私にとっては曽祖母にあたります)が言っていた通り

なせば成る

ということを、実感したのです。

こうして立ち上げることになったStanford e-Eiriというオンライン講座でどのようなことを行なっているか、については、次回以降ご紹介したいと思います。

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