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マネージ・アップ

こんにちは。
日本秘書大学の髙木明子です。

今日は、秘書にとってすべての仕事の基盤となる(と私は思っている)マネージ・アップについてお話をしたいと思います。

「秘書は上司のためにではく、上司とともに仕事をするものだ」ということを、まだ私がジュニアな秘書だったころに当時の上司に教えていただいて以来、ともに仕事をするには上司と良好な関係を築くことが欠かせないと考え、コミュニケーションについて自分なりに調べたり勉強したりしました。その中で出会ったのが「マネージ・アップ」という言葉です。

マネージ・アップがもたらすメリット

マネージ・アップとは、上司⇔部下(ここでは上司⇔秘書とします)の間のコミュニケーションにおいて、秘書から上司への積極的かつ効果的な働きかけを通して上司の仕事(ときには人生も!)を楽にしてあげるスキルのことです。上司の立場や性格、仕事の仕方、必要としているものを正しく理解したうえで、適切かつ的確なサポートができれば、上司からの信頼を得ることができ、良好な関係で仕事ができる、というものです。

このスキルを身につけることで、上司だけでなく同僚間においても、人間関係をうまくマネジメントできるようになり、より働きやすい環境を自発的に整えることができ、業務の効率化や高い成果を生み出すことにも繋がります。秘書にとっても上司にとっても会社にとっても、多くのメリットをもたらすことになるわけです。

マネージ・アップのために身につけておくこと

マネージ・アップの最大の鍵は、上司に余計な時間をとらせないことです。

一日の時間は上司にとっても秘書にとっても均等に24時間ですが、上司は多忙なスケジュールの中で多くの判断/決断をしながらビジネスを前に進めています。上司が24時間を有効活用できるかどうかは秘書の力量による部分が多くあります。上司が30秒で即決しなければならない案件が出てきたときに、必要な情報や資料が添えられていなければ30秒で決断を下すことができません。秘書は、必要な情報を予測し整えておかなくてはなりません。そのためには、普段から周りで起きていることに注意を払い、それらの背景・原因・結果を理解したうえで情報収集をし、関係各所と連携を図っておくなど、先回りしたコーディネーションが求められます。

とはいえ、30秒で即決すべき案件の情報収集に多くの時間を費やしていては、報告が遅れ、決断の遅れや事態の悪化を招くことになりかねません。「普段から周りで起きていることに注意を払っておく」という習慣を身につけておきましょう。

それにより上司に余計な時間を使わせずに済み、結果に向けて最短かつ最良に物事を進めることができるようになります。

日常の中にあるマネージ・アップ

秘書の仕事は地道です。下調べや準備や根回しやメール捌きに追われることが多いと思います。「上司に余計な時間をとらせないこと」とは関係がないように感じるかもしれません。そんなときはこう考えてみてはいかがでしょうか。

今日私がやった仕事は、上司にとって(組織にとって)目標達成の役に立ったか、評価に値するものだったか、と。

答えがYESであればマネージ・アップに繋がっていると判断してよいのではないでしょうか。繰り返しますが、マネージ・アップとは、適切なコミュニケーションを通じて上司の仕事を楽にしてあげるスキルです。

働き方の多様化やリモートワークによってコミュニケーションが不足しがちな今だからこそ、マネージ・アップのスキルが重要になるような気がしています。上司に対してだけでなく、同僚とのコミュニケーションにおいても実践し、組織にとってより良い職場環境を整えることができたら、これもまた大きなマネージ・アップですね!

この言葉を教えてくれた一冊「仕事の流儀」(著:ロザンヌ・バドゥスキー)、私にとっての、秘書のバイブルです。


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