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今なら笑える過去の大失態

こんにちは。日本秘書大学の髙木明子です。

前回の記事に、昔苦手だった英語について書きました。今日は、もう一つ、昔苦手だったことを書こうと思います。

人前で話すこと?

まさか!笑。講演したり講師をやったり、イベント司会・ファシリテーション、ラジオパーソナリティまでやっているのだから、それはない、、、はず。

、、、え?

はい、そのまさかです。
8年ほど前までは、人前で話すことがとんでもなく苦手でした。特にマイクは恐怖を感じるレベル。マイクを向けられた瞬間に緊張で全身が固まり、言葉は喉に詰まり、声が震えるどころかそもそも発することができない、といった状態でした。壇上に立ったり大勢の前で話すことは人生で最も避けたいことでした。今の私を知っているほとんどの人は「嘘でしょ!」と思うでしょうが、本当です。

吃音症に悩まされていたからです。幼少時からずっと。

マイクが恐ろしい

成長と共に少しずつ症状が解消された部分と、吃音をごまかす術を覚えた部分とで、20歳頃には日常会話はそれなりにやり過ごせるようになっていました。それでもマイクへの恐怖だけは拭えずに避けて避けて避け通してきましたが、ある日避けきれずに大失態を冒すことになるわけです。今振り返ると大事故すぎる笑い話です。

実は私、フルートが趣味で、フルートアンサンブルのグループに所属していました。年に2回コンサートホールで演奏会を行っていて、ある本番の開始直前、慌ただしいさなかにリーダーに呼び止められ、こう頼まれたのです。「髙木さん、急で申し訳ないのだけど、影アナお願いできる?誰も手が離せないの、お願いっ!」。

*影アナとは、本番開始直前に会場に流れるあのアナウンス、「まもなく開演となります。お手元の携帯電話の電源は、お切りいただくかマナーモードに、、、、、、、」という、アレです。

「いやいやいやいや、無理です!!できません!!!」
「大丈夫、原稿が置いてあるから。読めばいいだけ」

吃音症だとか、マイク恐怖症だとか、そんなことは全く知らないリーダーは「読むだけだから大丈夫、安心して」と。そして「もう時間だから、お願いね!よろしく!!」と、反論の余地もないままにその場に一人残され。。

どうする?!

この状況、やるしかないのか、これは、、。意を決して一人マイクの前に座り、影アナなので客席からも誰からも姿は見えない場所なのにも関わらず、、心拍数がどんどん上がり、、緊張ドMAX、、、息を吸い込み、、、震える手を伸ばし、、マイクスイッチ、、「ON」!

「ま、ま、ま、ま、もなく、、、か、、か、、か、かいえん、と、な、、ななります、、、。け、けいたいでんわ、、、、、」

エェェェーーー?!というリーダーの悲鳴と、頭に「??????」が並ぶ客席のざわつきが聞こえてきそう。

喋ってる私も悲惨でしたが、私に頼んだリーダーと客席で聞いているお客様の方がかわいそうになったほど。これはもうギャグでしかない、笑!!

という、こんな大失態を冒した2~3か月後に突如転機が訪れるわけです。

変わった!

とあるきっかけがあり、“あ、私これなら喋れるかも!”、と突如ひらめいたのです。まったく根拠のない自信でしたが、できそうだと思ったら本当にできる気がしてきて、アンサンブルグループの練習時にメンバーに「あのー、、次のコンサートで、私、司会進行やってもいいですか?」と。(自分でもビックリ!「私何を言っているんだ?」と、笑)

つい3ヵ月前にあんなダメダメ影アナを演じたばかりだったので、私の言葉にみんなポカンとしていました(そりゃそうだ!笑)が、「あ、そう、、うん、、いいんじゃない?やりたいなら、」「そうね、いいんじゃない、どうぞー」と応援(?)してくれて。(みんなやさしいーーー)。

そして3カ月後のコンサート、丸2時間、何のメモも持たずに舞台の上で、マイクと楽器を持ち替えながら司会と演奏をやりきったのです。なぜか吃音が顔を出すこともなく。自分で言うのもナンですが、意外と評判がよかったようで褒めてもらえて(嬉しかったし、ホッとしました)、それ以降ずっと司会を担当することになりました。

でもやっぱり少し怖い

それからは、他でもイベントの司会をするようになったり、講師や講演で登壇したり、2年前からはラジオパーソナリティもやったりと、あのときのひらめきとコツのおかげで、世界が広がりました。自分に少し自信が持てるようになりました。人前で話すことが楽になりました。マイクが怖くなくなりました。

ただ、今でも苦手な音があります。どもりやすい“音”があって、それは少し怖いです。講演中、司会本番中、ラジオ収録中、そんな音に直面すると吃音が顔をのぞかせて、ドキッとします。普段の会話の中でもあります。

私の講演中や会話中に、今後もし放送事故のような不自然な沈黙やどもりが出てしまったときには、この記事を読んでくださった皆様には、あたたかく笑い流していただけるとありがたいです!

今回はこんな私的なことを書いてしまいましたが、苦手なことがあっても、悩まされる症状があっても、人生何があるか分からないので、吃音やあがり症など、似たような不安や苦しみを抱えている方に、何かお伝えできることがあったらと思い、思いきって書いてみました。

上記にでてきた「ひらめいたコツ」についてご興味のある方はコメントまたはメッセージください。
日本秘書大学: info@japan-hisho-academy.com

おまけ

「英国王のスピーチ」という映画がありましたよね。2011年に公開された映画です。吃音症を抱えたイギリス国王ジョージ6世が、言語療法士の助けを借りて障害を克服し、第2次世界大戦開戦にあたりラジオ放送を通じて国民を勇気づける見事なスピーチを披露し人心を得たというお話。国王の苦難と努力と成長が描かれ、アカデミー賞に輝いた作品です。

私の好きな映画です。

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