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『読まれたいひとりごと』#2 誰かの言葉に救われて

自分からは上手く説明出来ずにいる不安や不満を誰かが言葉にしてくれるとスッキリする。他の人が書いた本やnoteを読み、似たような辛い経験をした人の言葉に「私はそれが言いたかったんだよ!」と、助けられる時もある。そして「どうしてこんなに素晴らしい表現が出来るのだろう」と感動する。

私は就活が大嫌いだ。あまりにも苦痛で対処法を考え続けた結果、今では得意になったものの、好きではない。正直なところ、前向きな気持ちで転職をした記憶なんて殆どない。たいていは現状に行き詰って、精神的に限界を感じて仕方なく転職をしている。それなのに志望動機や退職理由を聞かれるのが嫌だった。直近の仕事の話なら退職理由が必要なのもわかる。それよりもずっと前の事なんて思い出したくない。うっかり思い出せばその頃の嫌な出来事全てが一気に頭の中に流れ込んで来て苦しくなる。「今の私には関係ない」「その後の仕事が楽しかったからどうでも良い」そうやって何度も自分に言い聞かせても、転職をする時の私は気持ちに余裕が無かった。こんな私を救ってくれたのが、ある芸能人が発した一言だった。本当はそのまま書きたいのだけれど、結果として人を責める形になってしまうので、少し遠回しに言う。もう何年も前、ある人が私の為に取った行動に深く心を削られた。それが親切心でも思いやりでも、全てを否定された気持ちにしかならなかった。「それはやってはいけない事なんだよ」というのをテレビに出ていた芸能人がズバッと一言で言い切ってくれたのだ。私の悩みを番組に相談したわけでもなく、似たようなシチュエーションを偶然見ただけなのに「その通りだーーー!」なんて大声で反応してしまった。やっと長年の傷が癒された瞬間だった。

本でもネットでもテレビでも、それが見る人に向けられたものではなく、遠くの誰かの自分語りだったとしても、私の心の奥深くにある言語化出来ずにいた感情を説明してくれるような作品に何度も救われてきた。いつか私の言葉も誰かの救いになってくれたら良いなと思いながらnoteを書いている。

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