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一緒に楽しめることを見つける

「(自閉症の娘は子供の頃)ブロックを床に並べるのも好きだったが、法も大好きだった。助かったよ。お父さんが一緒に楽しめることだから。」

Netflixシリーズ 「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」第3話 より

上記は、自閉スペクトラム症の弁護士の女性が主人公の韓国ドラマの中で、主人公の父親が自閉傾向のある人と一緒に暮らす孤独や、自閉傾向のある人と繋がりを持つ方法について当事者の主人公(娘)が子供の頃を回顧しながら話す中で語るセリフです。

このセリフを聞いた時、私の中で、「ああ、もしかしたら、そういうことなのかもしれない」と胸がすっきりする気持ちになりました。(上記のセリフが出てくる、閉店後ののり巻き屋さんでのお父さんと娘のやりとりのシーンはこのドラマの中で一番好きな場面です^^)

発達障害関連の書籍やサイトではよく「お子さんの好きなことを探して応援しましょう」と言われるが、これが中々難しい。。。どう難しいかと言うと、ドラマのセリフに出てくる「床にブロックを並べる」然り、自閉傾向のある子供の興味の対象が独特すぎて、一緒に楽しむのが難しいことが多い。

娘の場合にもこれまで、大好きで、何度も何度も繰り返す独特な遊びが沢山ありました。

  • 映画館ごっこ(3歳台〜4歳台前半頃):床にKAPLAの木片を規則的な形で並べまくり、その上に小さなお人形を100体ほど並べる遊び。お人形が全員並び切るまで数時間終われない。そして、やっと全員並んだら、娘と大きなぬいぐるみ達によるショーが始まります。。٩( ᐛ )و

  • プリンセスと魔女ごっこ(4歳台):私はもちろん魔女役で、セリフ指定で、フィジカルに魔女の振る舞いを求められる。これも長くて中々終わレません。。。(´ཀ`)  私が本物の魔女になってしまいそう。

  • 歴代プリキュアの "変身アイテムのおもちゃ" の模写(4歳台):WEBでおもちゃの写真を検索して、ひたすら模写。(思ったように描けずに癇癪を起こすこともままありました。)色を塗り、切り取った後は、自作のおもちゃを使って、プリキュアごっこが始まります。。。( ´Д`)

上記はほんの一例です。子供の好きな事に寄り添いたい。好きな事を通してなら子供と繋がれるかもしれない!と期待したい。でも、上述のような遊びを一緒に楽しむのは、私には難しかったです。( ;∀;)

それが、5歳を過ぎた頃から、少しずつ一緒に楽しめることが出てきました。粘土や折り紙、絵の具を使ったお絵かき、ジブリ映画、そして、私が一番大好きな音楽も少しずつ。できれば、これらの分野のうち、音楽(ピアノ・ソルフェージュ)は自分自身も4歳からお稽古を始めたように、専門家の先生に付いてお稽古という形で少しでもアウトソースをしたいところなのですが。。。今の所、難しいです。

子供の好きなことや得意なことを探して、伸ばしていく方法として、習い事に取り入れることは一般的なやり方だと思うのですが、こだわりが強く、更に、癇が強い、となると、本当に難しい。これまでにもいくつか挑戦はしたけれど、グループレッスンで他のお子さんの学ぶ権利を奪ってしまう事も気になるし、一対一の個別レッスンだとしても、「指示に従う」事自体が難しく、「思ってたのと違う」スイッチで癇癪を起こしてしまう今の我が子に根気よく、しかも、虐待にならずに教えられる先生。。。いないよね( ;  ; )

ということで、一旦は外注を諦めて、自分で教えてみようかな、と思っています。方法も、一般的な方法とは異なる形で、試行錯誤しながら娘が受け入れられる方法を模索して、以下の形を取っています。これが、今のところ、私も、娘も、楽しい!

  1. 練習曲はジブリアニメの中から、娘が好きで、歌える曲を使用する。(先ずは全音に慣れることと、「弾けた!」という達成感を出来るだけ容易に得ること優先でハ長に編曲された楽譜を選びます。)

  2. 「ディズニーピアノえほん」のドレミの各音に割り当てられた色に、楽譜の音符にクレヨンで色を塗る(私が「ディズニーピアノ」でメロディーを一音ずつ弾いていくのに合わせて、娘は楽譜に該当の色を塗っていきます。色を塗り分けながら、少しずつ、音の高低と五線譜の位置の関係を理解し始めており、娘の理解に合わせて私も少しずつ、少しずつ、楽譜の読み方を説明しています。)

  3. 「ディズニーピアノえほん」もしくは同じ色のシールを貼ったKORGのTiny Pianoで楽譜の色と歌で覚えたリズムに合わせて鍵盤を弾いていくと、大好きなジブリの曲が自分で弾けた!となります^^

*ちなみに、「ディズニーピアノえほん」は3歳の頃、コロナ禍に伴い店内で比較的高額な絵本やおもちゃを売り出し始めた近所のコンビニで、「どうしても欲しい!」と信じられない激しさの癇癪を起こして、収拾がつかず、渋々買ってしまった3,000円強の絵本型のおもちゃです。私の生涯の中で、最も高額なコンビニでのお買い物となるでしょう。私が娘の特徴と向き合い始めるキッカケにもなった忘れられないお買い物でもありますが、保育園に行けなかった時期も娘の相棒となり、単音・ゆっくりではありますが、ほぼ自習のみで(教えようとするとものすごく怒るので放っておくしかなかった)収録曲を概ね弾けるようになっています。

お互いに無理しなくても一緒に「好き」を共有して楽しめることを見つけて、とても嬉しい!


私自身は4歳から高校2年生まで、一貫してあまり練習せず下手なまま13年間もピアノを習い続けていたのですが、そのお陰で成長してから楽しめることの幅が広がって有難い気持ちの反面、ピアノ自体は「楽しい」と思えるまでに10年間も掛かってしまい、勿体ないことをしたなぁ、という気持ちもあります。

クラシックピアノの世界の課題曲は「好き」・「嫌い」関係なく、教則本の順序が概ね決まっており、私の場合には、自分が好きと思える曲が弾けるようになるまでツマラナイと思いながら10年以上過ごしてしまいました。(この辺りは師事する先生によってもやり方は色々です。私が最初の10年間お世話になった先生は規範通りのやり方を徹底するタイプの先生で、2番目に師事した先生は、発表会で未就学児にも少し弾きやすくアレンジしたリストの「ラ・カンパネラ」を弾かせてしまったり、下手な私にも、色々なピアニストのCDを貸してくださり、ブラームスを弾かせてくださる先生でした。)

娘の場合には、特徴から仕方無く、一般的なやり方を諦めざるを得ず、別の方法を探している訳ですが、やってみて、最初から「五線譜のお勉強」が受け入れられなくても、楽しめるピアノがあっても、良いよね、と思っています。


一緒に楽しめることを、一緒に楽しめるやり方で。あと数年すれば、自分で自分の世界をどんどん広げていけるようになると思いますが、今はこんな感じで、少し風変わりなやり方かもしれないけれど、一緒に楽しめることを増やしていけたらいいな、と思います^^





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