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バイリンガル教育 - 英語資格編

前回のnoteに、海外で生まれ育った息子たちの子育ての悩みについて書きましたが、その後親子で苦悩しながらも、彼らはそれなりに英語力を伸ばしてきました。今回はうちの三人息子の英語資格受験とその考察を記事にまとめておきたいと思います。

シンガポール育ちの息子達は、帰国してもうすぐ丸5年。
帰国子女あるあるとして、英語を忘れてもおかしくない年月が既に経過しました。

帰国子女の課題

小学1年で帰国した三男は、日本の学校に馴染むのが一番早かった分、一番最初に英語が薄れてきました。
小学4年で帰国した次男は、ちょっと馴染むのに時間がかかった分、それなりに英語を維持しています。
中1で帰国した長男は、未だに日本に馴染んでない分、未だに英語が第一言語で、海外に住む同年代の友達と同レベルの英語をキープしています。

3人とも帰国前はインターナショナルスクールに通っていたので、日本語の読み書きはちょっと遅れたスタートでしたが、日常会話としては、もう海外育ちとはわからないくらいに流暢な日本語が話せるようになりました。

我が家のこの5年の課題として、一番大きかったのはメンタルのサポート。

次に大きかったのが、息子たちがバイリンガルを維持するだけでなく、アカデミックな言語としても日英両方伸ばしていくということでした。

帰国後は3人とも日本の学校に通っているので、日本語は自然に伸びて行きました。親として特別な国語のサポートはしませんでしたが、学校の先生が小1の息子にはカタカナの補習プリント、小4や中1の息子には少しレベルを下げた漢字の宿題などを出してサポートしてくださいました。
おかげで、英語で主要科目の授業を受けられるインターナショナルクラスに入っている長男以外は、学年相当の国語はできるようになりました。

問題だったのは英語の維持です。

日本の生活に馴染むにつれて、英語を使う機会は減ってどんどん英語を忘れてしまうので、我が家では帰国子女の大学生の家庭教師に週1回きてもらい、下の二人は会話や読み書きのサポートをしてもらいました。

子供達がみている動画や聴いている音楽は今でも海外のものがほとんどで、それでリスニング力は維持できているようです。

そして、英語を忘れないうちに英語資格試験も積極的に受けてきました。

今日はその試験のことを少しまとめて記録しておこうと思います。

1. 英検

帰国後まず最初に受けたのは英検でした。
子供たちが住んでいたシンガポールでは、英検受験は日本より割高だし、あまり受ける必要もメリットもなかったので受験していなかったのですが、日本では英検が一般的な英語資格として必要ということで、長男は中一のときに準一級を受験し、2回目で合格。

中学のうちに一級も受けようかと話していたのですが、英検の公的な資格保持期間は2年なので、早くとりすぎても大学受験用に再受験しなくてはいけないということで、高校になってから受験。
あまり勉強している様子はなかったのですが、高2で一級に合格しました。
大学受験に英検一級があると、それなりに有効なようです。

次男は3級から受験して、小学生のうちに準二級合格。
中1で2級、中3で準一級に合格しました。準一級は2回落ちているので、3回目の正直!
次回は学校(公費)で英検受験できるらしく、まだ難しいと思うけど秋に一級を受験することになっています。英検1級は受験料が11,800円なので、大変ありがたいです。(中3で一級を受験するのは、次男の通う公立中学では彼一人っぽい)
高校受験には英検準一級あればかなり有効なようですが、帰国したての受験生は一級保持者もいるので、一級がとれるに越したことはないようです。

三男は5級から受験し、小5で3級に合格。
今は中学受験の勉強が忙しいので、準2級にはまだ挑戦していません。
英語での読み書きが確立する前に帰国した三男のネックは英作文。そこをかなり頑張らないと、準ニ級取得は難しそうです。

帰国から5年以上経過すると、ほぼどの中学校も帰国枠受験はできないので、一般受験をする三男にとって英検資格はあまり有効でない感じです。

2. TOEFL

高3の長男は、英語で受験できるAO受験をメインで大学受験をする予定なので、英検以外の英語資格も受験時に求められます。
TOEFLは高2の時に初受験して以来、昨日で4回受験。
1回目より2回目の方がスコアが落ちて、受験料高いのにどういうこと?!となり、TOEFL対策の塾に入って勉強したところ、3回目で100点を超えることができました。
今は受験したあとすぐにListeningとReadingのスコアは出るらしく、昨日はこの二つはほぼ満点だったとうれしそうに話していました。
SpeakingとWritingはイマイチの出来とのことなので、スコアが伸びるかどうかは結果が出るまで分からない感じです。

TOEFLは受験料が245米ドルなので、レートによって受験料が変わります。昨今の円安で受験料も爆上がり。今の140円越えのレートだと一回受験すると3万5千円近くになるので、英検一級の3倍の値段!
親にとってTOEFL受験はかなりの投資です。

3. TOEIC

TOEICは一般的に社会人向けの資格なので、大学受験でも高校受験でもあまり問われないのですが、いいスコアが出れば書いておけばそれなりに有効らしく、まさに今日次男が初めて受験しています。
英検は塾に通って対策してたんですが、TOEICは対策する時間がなくて、過去問を一回やっただけ。どこまでスコアがでるか謎ですが、とりあえず初回は試験慣れということで。
TOEICはListening & ReadingのみのL&Rだれば、受験料は7,810円と他に比べるとリーズナブル。でも、S&W と言われるSpeakingとWritingを受けると別途10,450円かかるので、4技能を受けると英検より割高になります。

4. IELTS

アイエルツはイギリス発祥の英語資格で、イギリスやオーストラリアといったイギリス連邦系ではTOEFLよりも有効な資格です。この資格は移住の際に求めれるスコアだったりするので社会人が受験することが多いですが、大学受験でも有効なようで、長男の通う高校では学費と一緒に受験料を徴収され、高3で初めて受験しました。

最初のReadingとListeningの試験と別の日にSpeakingの試験があり、その日がSAT受験と重なったので長男はSpeakingが受験できず、最初に受けたReadingとWritingが無効になってしまいました。
IELTS協会に連絡したところ、Speakingを別日程で受験するにあたり、ReadingとWritingは追加料金なしで受け直しができたので、試験慣れという意味ではラッキーだったかなと思います。
こちらは先週Speakingが終わったばかりで結果待ち。
*結果速報:17歳長男が初めて受けたIELTSのスコアは8.0でした。それっていいの?!とわからなかったので調べてみたところ、TOEICの満点でIELTSが7.5レベルらしいので、なかなかハイスコアだそうです。

IELTSの受験料は25,380円でした。こちらも英検の約2倍で、お安くない受験料です。

最後に

息子達をみていると、どの英語資格試験も、英語能力というよりも時間配分や試験のスタイルなどの「試験慣れ」と「集中力」がかなり結果に関係しているようです。

もちろん、語彙を増やすことや、作文能力を付けるための練習も重要です。
どの資格があればいい、ということは一概に言えませんが、進学に有利という面では、日本では英検、海外ではTOEFLがあればそれなりに英語力は証明できるのかな、と思います。

帰国子女は海外生活の下地があるから受験も楽でいいね、と一般的に思われがちですが、夫も私も生粋の日本人なので家庭での言語は日本語。英語力の維持や証明には、それなりの努力と投資が必要です。

この先うちの息子達はどの国で暮らすことになるかわからないけれど、どこで暮らすにしても困らない程度に、(欲を言えばその土地の文化や現地の人々との交流を楽しみ、どこでも仕事できる程度に)、そしてどの国でも自分らしく豊かに生きていける語学力を伸ばして行ってほしい。

進学先や就職先や居住先を選ぶとき、選択肢が日本だけに留まらず、世界に広がっていてほしい、と願っています。


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