NewYork DAY1 ブルックリンの長い夜
去年の10月に遅めの夏休みでニューヨークに行った。
軽い気持ちで行ったこの旅は、自分の価値観や考え方が大きく変わるような旅だった。
1年経ってみて、あらためて当時書いたブログを読み返し、心が動いた体験と気持ちの移り変わりを綴っていこうと思う。
海外に出ることが難しいこの時期に、次の旅へのイメージづくりや旅をした気分になっていただけたらと思い、ニューヨークで過ごした6日間を書くことにした。
3年前に行ったハワイ以来、人生で2度目の海外旅行。
ツアーではなく、初めて自分で航空券やホテル、レストランなどの予約をしたため、日本に帰ってくるまでどこか緊張感があった。
何があってもすべて自己責任。
初めていく場所、ほとんど英語も話せないというサバイバルな感覚にワクワクドキドキしていた。安定した日々を過ごす中で、どこか刺激を求めていたのかもしれない。
行きのフライト時間は12時間。楽しみすぎてあまり寝られず、映画観て、音楽を聴いての繰り返し。
機内から見えた日の出、ニューヨークに降り立つ直前の見たことのない大きさのたくさんのビル。
感動で疲れも眠気も吹き飛んだ。
飛行機の中でiPhoneに、事前に準備していたアメリカ用のSIMカードを入れてスタンバイ。
そして、ジョン・F・ケネディー国際空港に到着し、Uberを手配。迎えに来てくれたのは、とても物腰柔らかな運転手さん。車内ではセンスの良いジャズが流れていた。
ニューヨークの街を見ながら向かったのは、1日目の宿泊であるWythe Hotel。
ブルックリンのウィリアムバーグにあるWythe Hotel。1901年に建てられた、精糖所に納める木樽を製造する工場をリノベーションし、2012年に開業したホテル。
ここの内装の写真を雑誌で見たときに一目惚れ。いつか行ってみたいと思い、最初の宿はこちらへ。
壁紙や窓枠、電話まで昔の趣きを残しながら、無機質な中に温かみのある雰囲気。
プロデューサーのアンドリュー・ターロウ氏はWythe Hotel全体やホテル内にあるレストランの他に、ブルックリンの飲食店Marlow&Sons(マーロウアンドサンズ)やDiner(ダイナー)を手がけているなど、ホテルの内装だけでなくブルックリンの食カルチャーも牽引している。
廊下もアンティーク調。
部屋にはiPhoneを繋ぐことができるサウンドシステムがあったため、自分のiPhoneに入れている音楽を部屋で流すことができた。
聞き慣れた好きな音楽があるだけで、すぐに自分の居場所ができた気がした。
部屋が空いていたので早めにチェックインをして、さっそくブルックリンを散策。
まずは、VanLeeuwen Icecream(ヴァンリーヴェンアイスクリーム)へ。
2008年に屋台からスタートしたアイスクリームショップで、安定剤や乳化剤、防腐剤などは一切使用せず、地元産の素材にこだわって作られた新鮮でナチュラルなアイスクリームのお店。
今ではニューヨークに18店舗、ロサンゼルスに6店舗展開している。
定番のバニラアイスクリームをオーダーしたが、甘すぎず今まで食べたことのないバニラアイスの味に感激。
使用しているミルクは牛ではなくココナッツとカシューナッツのミルクということに驚いた。ヴィーガンの方向けのメニューも多い。
10年以上前から素材にこだわり、他のお店にはないお客様のニーズに答えるようなメニューを作っていたことで、お店がどんどん発展していった理由を知ることができた気がした。ちょうどファストフードから健康食に人々の意識が変わってきたころではないだろうか。
お客さんがひっきりなしに出入りするところを見ていて、このお店がたくさんの人に愛されているということが伝わってきた。
街を歩き回って、夕方向かったのはイーストリバー州立公園。
マンハッタンとブルックリンの間に流れる川を見ることができるのと、ミッドタウンの景色を一望できる場所。
エンパイア・ステートビルやロックフェラー・センターを見ることができた。
沈む夕日を見ながら、ゆっくり流れる時間はとても心地よいもので、早くてせわしないという想像していたニューヨークとはまったく違った。
公園の帰りに立ち寄ったのは、Wythe Hotelの向かいにあるBrooklyn Brewery(ブルックリン・ブリュワリー)。
ビール工場が併設されていて、伝統的な手法で造ったクラフトビールを飲むことができる。
たくさんの種類のクラフトビールがあり、飲み比べもできるようだった。でも、私はメニューが読めず聞くこともできず、飲み比べは断念して定番のBrooklyn Ruggerをオーダー。
天井が高く開放感があり、センスの良い音楽が流れていた。店内はとても活気があり、賑やか。
もちろん作りたてのビールの味は格別。
犬を連れた人、カップル、大勢のグループ。カードゲームをしたり、熱心に話をしていたり、人々を見ているだけで楽しい場所だった。
時差ぼけで、夜なのに朝のように目が冴えていたので、Wythe HotelのルーフトップにあるLemon'sに立ち寄った。
1日を振り返り、現実味のない夢の中にいるような状態で、隣のカップルの会話を聞きながら1杯ひっかけてようやく眠りにつけた。
とにかく長い1日だった。
この日感じたのは、街ゆく人々がそれぞれ自分のスタイルを持っているということ。
女性はクセを活かしたヘアスタイルで、細かく入れられたハイライトかバレイヤージュカラー。男性はベーシックなショートか刈り上げスタイル。そして、どちらもよく似合うベーシックなファッション。
シンプルなスタイルでも顔や身体によく似合ったものを選び、その人の内面から滲みでてくる自信によって、歩き方も佇まいもすべてかっこよかった。
そして、誰かと熱心に対話をしている人が多いということに気がついた。カフェで仕事をする人以外、街で見かける人ほとんどがスマートフォンに顔をうずめていない。
住んでいる人も観光客も、今この瞬間を楽しんでいる。
その雰囲気が不思議と懐かしくて心地よかった。
2日目に続く。
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