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【もしベビ】定時に帰るためのロジックツリーとフリーライダー脱却のススメ

出産後は、18時までにお迎えにいけるように仕事をしています。足りない部分は、(私は夜は眠くて生産性が上がらないので)早朝のムスメが起きる前の時間にこなしていますので、具体的には5:00-6:30と8:30-17:00が基本のワーキングアワーです。早起きだねって言われるけど、ムスメと一緒に20:30に寝ているので8時間睡眠です。

出産前は仕事が楽しくて時間がある限り仕事をするような生活だったのですが、復帰してからはコソダテタスクがあるため、ワーキングアワーに制約を受けるようになりました。その制約条件の中でこれまで通りの仕事量をこなせるのか復帰直後はとても不安だったのですが、一方でその制約を受け入れると覚悟を決めた瞬間から「制約の中でどう成果を出すか」という思考に切り替わりまして、そういう頭の使い方をするようになったら意外とできることが見つけられるようになりました。営業ウーマンのママ友が「時間に制約があることで戦略的に動くようになったので、出産前より営業成績が上がった」と話しており、へええーと思っていたのですが、これ、十分ありえる話だと思います。

ちなみに言語化しておくと、私の場合はその理由は次の3点だと感じています。

1) 勤務時間内のアイドリング時間が一切なくなったこと
2) 作業時間の最初に、効率的なタスクの進め方を考えることに時間を割くようになったこと
そして意外と大きいのが 3) 完璧主義をやめたこと、です。

3つ目について補足すると、これは今までならすべてのタスクで100%の完成度を目指す働き方をしていたのを、最終的な成果に影響する部分以外(たとえば内部ミーティング資料の図表の美しさとか)は80%くらいの出来でOKとしてタスクを進めるようになりました。0%を80%にするのと、80%のものを100%にするのとでは、後者は必要な労力のわりに成果に与える影響が小さいということを知ってはいましたが、時間があるときはどうしても100%を目指してしまうんですよねえー。しかし時間的な制約を前提としたことで、完璧さより「タスクを先に進めること」を優先するようになりまして、これが大きく生産性をあげる要因となっているように感じています。

ただ、タスクを若干荒い状態であげるので、小さなミスや配慮不足が多くなったのも事実です。ですが、一緒に働く人たちが指摘やフォローをしてくれるので何とかやっていけており、感謝しきりです。これ、関係性が悪いとミスを指摘してもらえなかったり責められたりで、組織としての生産性が下がると思うんですね。でも関係性がいいと、非難することなく必要なフォローをしてくれるので組織としては成果につながります(非難は真摯に受け止めますが、そのために非生産的な時間が費やされることは避けたいです)。

労働時間に制約があるとついついコミュニケーションの時間を削ってしまいがちなのですが、これを実感してから、制約がある身だからこそチームとして働くということを意識し、戦略的にコミュニケーションの時間を作らないとだめだなと思いました。また、必然的にまわりに助けてもらうことが多くなるのですが、助けてもらってばかりだとフリーライダー(社会的ぶらさがり)になってしまい組織成員のモチベーションを低下させます。なので、どうやってそのお返しをするか、制約の中でもどうしたら組織に貢献できるかを考えることに頭を使うようになりました。

ところで、子育て中の社員が定時退社するために必要なことは何か?をロジックツリーを使って考えたことがあります。それがこれ。

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このテーマで1回他の人とディスカッションをしたことがあるのですが、定時内で仕事を終わらせることと、定時外の突発事項対策をすることまでは思いつくのだけど、「定時に帰ることの正当性を確立すること」を皆あんまり考えないようです。定時に帰りたい人の多くは「時短制度勤務者だから」を正当性の根拠にしますが、(本人はおそらくそういうつもりではないのですが)これは当事者が言うと権利主張系コミュニケーションに見えやすいのです。例えば、夫さんが家事育児をしない理由を「仕事なんだから仕方ないだろう」というと、イラッとしません?それと一緒ですねー。

一方で組織をマネジメントする側の視点で考えると、子育て中の社員が定時に帰ること自体は構わないし残業代払わなくていい分助かるのですが、その人が定時に帰ることで他の人の仕事が明らかに増えたり、組織の中に不公平感が漂ってモチベーションが下がったり、となるのは非常に困る。こういう嬉しくない組織の状況を招いている張本人から「自分の権利ですのでお先に失礼」とか言われたら、まあ頭では理解するけどムッとするよね、と。だから、時間が限られているからこそ、その限られた時間の中で組織に貢献する方法を考えたほうが、定時退社をやりやすくなるんじゃないかと思ったのです。

じゃあ勤務制度以外に、どうすれば定時に帰ることの正当性を確立出来るのか?で私が考えたのが上図の⑤⑥⑦⑧です。

まず、⑤成果をあげるのは大事ですね。定時内できちんとやることをやって組織の成果に貢献している人に、人はあんまり文句を言わないと思います。⑦は定時退社する人のせいで組織の仕事が増えないようにするための工夫で、これも回りへのマナーですね。で、けっこう大事なのに見落とされているんじゃないかと思うのが、⑥のできるときに周りを助ける・育てるです。というのも、労働時間に制約がある人は余裕がないのでなかなか自分の担当範囲を超えてまで誰かを助けるということをしないのですが(気持ちはよくわかりますが・・・)、自分が危機の時に助けてくれない人を、助けようと人は思わないですよね。逆に普段から助けてくれている人だからこそ、その人が困っているときは手を差し伸べると思います。そして、人は自分を育ててくれたり助けてくれた人の恩は忘れないし、恩返しができる機会があったら返そうと思うはず。だから周りを助けるという行為は、利他的行動に見えて実は自分のセーフティネットへの先行投資になっており、この投資をしていないと自分が大変な時に頼れるものがなくなるという状態に陥るのかな、と思いました。さらに、そのおかげで結果的に⑧他の人も定時に帰れるようになれば、もっと堂々と定時退社できるようになりますね。

というわけで、定時に帰りたい人こそ、「制約の中でどうしたら組織に貢献できるか」を考える、つまりフリーライダーから脱却するべきだと思います。そのためにも制約の中でも自分がどれくらいできるのかを正確に把握し、自分にとって負荷はそれほど大きくないけど周りには喜んでもらえる貢献の方法を見出しておくことをおすすめしたいです。

(なんて言ってますが、私もまだまだですー汗)

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