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【もしベビ】プロジェクト・マネジメントの知識で家事を効率化

仕事と育児の両立ライフに突入して2年。こどもがゼロ歳のときからフルタイムで働いている、しかも夫は単身赴任で週末しかいないというと、ほぼ100%「大変ですね」と言われます。私も出産前は自分がこんな生活を回せるとは思いませんでした。でも、実は「思っていたほど大変ではない」とも感じています。その理由は、育児自体は初めての経験なのでそれはもちろん大変なのですが、家事の効率化にかなり成功していて、こどもが生まれる前に費やしていた「家事時間」がかなり減っており、「育児時間」が増えた分を相殺してくれているからです。これから両立ライフに突入する誰かのお役に立つかもしれないので、少し形式知化しておこうと思います。

家事の効率化で役に立ったのは、プロジェクト・マネジメントの知識です。家事をプロジェクトと捉え、プロジェクトのゴールを「自分がイライラしない程度のクオリティと手間で家庭を回す」と設定しました。なお我がプロジェクトチームは、片方のリソース(夫)は遠隔または週末しか労働力が期待できない、という制約を抱えていますので、これも踏まえてマネジメントします。

まず最初にすべきことは、家事にまつわるもろもろのタスクを可視化します。それには作業分解図(Work-Breakdown-Structure/WBSといいます)を利用します。たとえばこんな感じ。ポイントは、「やっているタスク」を洗い出して整理するというより、MECEで「やるべきタスク」を要素分解していくことです。

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次にそれぞれの分割した最少単位の作業(Work Package/WPといいます)ごとに、対策を考えていきます。ここのポイントは3つ。1つ目、こだわるところと徹底的に合理化を進めるところとを明確に分けること。合理化しないと自分が大変になりますが、あまり合理化しすぎても生活が味気なくなりますので、どこに時間と手間をかけてどこにかけないというのを明文化するのは大事。手間をかけるところとそうでないところを決めておくことで、手間をかけない部分がゴタゴタになっていてもまあいいかと思えるという精神的な効果もあります。2つ目、自分がやるタスクは最後に決める。例えばうちの場合は夫が遠隔or週末しか戦力にならないのですが、全てのタスクでまず最初に「遠隔タスクまたは週末タスクにできないか?」を検討し、できないもののみ私が拾う、という感じにしています。逆順で考えると私にタスクが集中しがちですが、まず夫でダメなら私という順で考えると、かなり量的にも気持ち的にも不公平感が減ります。3つ目、ある程度お金がかかるのは仕方ないと割り切る。アウトソースが増えるので自分で全部やるときに比べて当然お金はかかります。でも、近視眼的に目の前の出費だけを考えてはいけません。ここにお金をかけることで仕事を辞めずに済むわけで、仕事を辞めてしまうと失う生涯年収は1~2億です。月数万円は誤差の範囲だと割り切りましょう。たとえ月に2万円をアウトソースに使ったところで、年間24万円です。その金額で今の数百万円の年収を維持している、と考えましょう。

以下、我が家の例で具体的に説明します。

まず「2.1食事」については、私は料理は好きなうえ中食が続くと体調が悪くなるので、今のところお弁当含め3食すべて作っています。ただ私の拘りは「2.1.3料理」だけで、それ以外は可能な限り合理化を進めました。たとえば「2.1.1献立作り」は週末に1週間分のメニューを考えてしまいます。スーパーではなく自宅で、かつ複数食をまとめて考えるので、料理本の材料別インデックスや検索機能に優れたネットを活用しています。なおこの作業をやる場合は、曜日ごとにメインの素材(豚肉・鶏肉・牛肉・魚・ひき肉とか)を決めてしまうと、あとはその素材で作れるものをピックアップするだけなのでかなり楽になります。ある程度の制約があったほうが意思決定は楽になるので、このやって枠を決めてしまうのはかなりおすすめ。冷蔵庫に献立表を貼っているのですが、ついでに自分の仕事の予定も書きこんでおり、この日は遅くなりそうだからお寿司を買って帰ろう、この日は時間がありそうだからちょっと手の込んだハンバーグを作ろう、というふうに考えています。献立も最初に枠を作ってしまうのがオススメで、例えば私は「ごはん・汁物・メイン・副菜+あれば納豆やもずくなど調理不要のもの」と枠を決めてしまっています。で、副菜は週末につくりおきをしておくとさらに楽になります。(なお現在は、毎週の献立リストは作らなくても頭の中で同じ作業ができるようになりました)

「2.1.2買い物」はOisixの定期ボックスを使っています。仕事をしていると週末にしか買い物に行けないのですが、子連れで1週間分の食材をまとめ買いするという行為を2,3回やってみて、その大変さと付加価値のなさにうんざりしまして、ネットスーパーに切り替えることにしました。いくつかあるネットスーパーでOisixを選んだのは、お魚の品ぞろえが豊富なこと(うちはお魚好きなので)、定期ボックスという自分でカスタマイズした定番セットを定期的に届けてもらえること(まとめ買いだと実はあまり内容に変化がないです)、がアンド条件で揃ったのが理由です。正直、スーパーだと考えるとOisixはかなり高いんですが、使っているうちにこれはスーパーではなく働く人向けのサービス業なんだということがわかりました。スマホで電車移動中に買い物ができるので、お金で時間を買っていると思っています。注文締切のリマインダーとか(配達日と注文日が中2日空いているので絶対忘れる)、ほどよく変化のある商品提案とか(こちらが指定した定番品とOisixの旬のおすすめがデフォルトで、その上で毎回変更して注文確定する)、時間がない人がやりがちなポカミス対策とか(デフォルトが変更されていないとアラートが飛ぶ)、一回このサービスレベルに慣れるとロックインされます。肝心の価格ですが、うちは荷造手数料がかからない4,000円以上の注文を週1で届けてもらっていますが、それ以外に買い物に行かないのでちょこちょこ買いをしなくなったこと、出産前に比べて外食費が激減しているので、トータルの食費は産前よりかなり下がりました。

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定番買い物リスト、献立計画、スマホのOisixサイト。

そして「2.1.4洗い物」は食洗機フル活用です。うっかり勿体ないマインドが出て手洗いをして本末転倒になってしまう大きい食洗機より、毎回の食事分を洗うのに罪悪感のない小さ目サイズがよいと私は思います。時間は手洗いと変わらないけど、自分の手が空いて別のことができる(絵本を読むとか)ことが食洗器の価値です。

「2.2洗濯」は、「2.2.1洗う」「2.2.2干す」までは、当然全自動洗濯乾燥機ですよね。ここは迷いがないところです。が、「2.2.3たたむ」に苦労している人は多いかと。“全自動”洗濯乾燥機っていうんならたたむところまでやってくれよって思うよね。でも我が家は検討の結果、このタスクに対しては「たたまない」というソリューションを導入することにしました。要は、たたまなくていいようなオペレーションに変更するということで、しわにならないものはメンバーごとに用意した「洗い終わった洗濯物入れ」に突っ込んでおく、しわになるものはハンガー干しで乾してそのままクローゼットに突っ込む、という感じです。で、洋服を使うときはこのバケツから直接取り出して使います。

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白の大きいサイズが「洗う前の洗濯物入れ」、ピンクがムスメ、ブルーが私、緑がオットの「洗い終わった洗濯物入れ」です。

「2.3掃除・片付け」ですが、私は掃除がめっちゃ嫌いなので、「掃除へのモチベーションが低くても回せるオペレーション」を目指しました。まずものが多いと掃除する気が失せやすいので、物を買わない・置かないを心掛けます。物が少ないとルンバが使いやすいこともあり、「2.3.2 週1」のルンバを基本オペレーションにできますので、私は出勤前にスイッチ押すだけです。そのうえで「2.3.1 日1」で気が付いたところをさっと掃除するようにしてます。しかし基本的にモチベは低いので、「さっと掃除」のハードルを下げるところに投資します。たとえばマキタのコードレスクリーナー。コードレスはいくつか使いましたが使いやすさと吸引力はマキタがダントツで、ツールの使い勝手がいいとモチベーション低くてもさっと掃除ができます。あと雑巾は使わず、使い捨てのペーパータオルやティッシュで代用。重たい掃除機を出してかけるとか、雑巾を洗うとか、モチベーション高くない人には出来ません。で、ここまで頑張っておけば、他に特に掃除をしなくてもまあまあきれいな状態が保てますが、さらにここ1年は仕事が立て込んできたので「2.3.3 月1」で家事代行を頼んでいます。試行錯誤の結果、我が家は隔週で1回2時間、キッチンと水回りの掃除をダスキンさんにアウトソースしています。あー汚れてきたなーと感じる頃に、プロが汚れを一層してくれる気持ちよさったら。おかげで掃除に関するイライラも夫婦喧嘩もほぼなくなりました。これが月1万円ちょっとで実現できるなら安いものだなあと思っていますし、余裕がある分、ムスメと遊んだり、彼女の好物をつくろうという気持ちにもなります。

以上、参考までに。

【オススメ書籍】 キャンベル&ベーカー(2011)「世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント 第3版」総合法令出版

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こくぼあきこ。経営学者でありフルタイムワーキングマザーの日常を綴っています。2014年生まれのムスメを育てながら、企業と人材の交点「職場」で使える経営学を研究したり教えたり。趣味はこどもとのキャンプや旅行。静岡県立大学准教授。 http://akiko-kokubo.com/