モリモリ青森初上陸!ァタシ的青森アートフェス見どころ
こんにちは❣️
黄金のペットボトル研究家アーティスト木村晃子です❣️
今回の記事は、黄金のペットボトルの話題から離れております。
私は、国内外問わず(国外はタイしか行ったことありませんが)
一人でほっつき歩くことが趣味でもあります。
今回の一人旅のターゲットは
「青森」
私は山形市在住。
まず、
同じ東北ではありますが、その遠さにびっくり。
青森市=山形市 413㌔ > 東京都=山形市 384㌔
なんと、東京よりも遠い。
東北地方がいかに広く、大きいかを思い知りました。
蔵王インターチェンジから乗り、十和田インターチェンジまで約5時間。
運転頑張りました!
途中、とんでもない数の黄金のペットボトルとすれ違いました。
特に、東北縦貫自動車道
宮城と岩手の県境
少し広い中央分離帯がひどかった…
中央分離帯のポール下の溝にきっちり挟まっている茶色い液体入りのペットボトル。
100キロの速さで走りながら
中央分離帯の隙間めがけて投げているのか…?
それとも、ポールに当てて隙間に落ちるように投げているのか…?
投げるのに失敗して車体にぶつかる心配は無いのか…?
出かける時も、
転がっている黄金のペットボトルに想いを馳せてしまいます。
青森県で、最初に訪れた場所
十和田湖
ねぶた祭りのため、青森市内の宿は取れず。
予算内で泊まれる宿は、十和田湖畔しか空いておらず…
十和田市に出るにも、40分以上かかります。
市街地に出向くには不便ですが、
静かな湖畔で
穏やかな気持ちで過ごすことができ、
とても満足しました✨
国道102号の道のうねり具合には驚愕。
叫びながらの運転でした。
青森の山道はどうしてこんなにも道路が曲がりくねっているんだ…?と疑問に思っていましたが、
十和田湖や奥入瀬渓流を通り、
その訳がわかった。
木や岩に沿って道路ができている。
自然が優先。
大事な自然に迷惑をかけないように、
共生し合うための形。
そう素直に感じました。
そう考えたら、曲がりくねった道も悪くない。
自然のことを思うと、私はちょろいです。
青森といえば、りんごとねぶたとACAC(国際芸術センター青森)と十和田市現代美術館。
この程度の浅い情報で、訪れました。
日本地図覚えたて小学生並みの知識。
全てが探り探りの旅でした。
今回の一番の目的は、
「AOMORI GOKAN アートフェス2024」
晃子的に、ぐっと来た作品はこちら&ラインナップ ↓
※だいぶネタバレなのでご注意
初日、まず訪れたのは
ACAC(国際芸術センター青森)
青森市市制100周年を記念し、
2001年に設立。(私と同い年だ!)
現在は青森公立大学が運営をしており、
施設には
レジデンス棟、展示棟、アートに関する書籍を静かに読むことができるラウンジがあります。
野外にも多くの作品が。
森を散策しながら作品との出会いを楽しむことができます。
AOMORI GOKAN2024 メイン企画
currents / undercurrents − いま、めくるめく流れは出会って
ACACの展示室では、
メイン企画「currents / undercurrents − いま、めくるめく流れは出会って」が展示されています。
参加作家
Jumana Emil ABBOUD(ジュマナ・エミル・アブード)、
青野文昭、岩根愛、是恒さくら、光岡幸一、中嶋幸治、鈴木正治、Jasmine TOGO-BRISBY(ジャスミン・トーゴ=ブリスビー)、Robin WHITE(ロビン・ホワイト)ほか
会場構成 山川陸
キュレーター 慶野結香
キュレーターの慶野さんは、
DOUBLE ANNUAL2025の東北芸術工科大学担当キュレーターを務められています!
この企画で晃子的にグッときた作品をピックアップします。
作家:是恒さくら
手製本版
<「伴走者」、「鯨道」、「標」、「足跡」>
是恒さくらの手製本版
<「伴走者」、「鯨道」、「標」、「足跡」>
表紙に直接刺繍が施されいます。
縫われた糸は
波のようにも、人の足跡のようにも捉えられます。
表紙を縦断する捕鯨と人の営みの様子。
青森の漁港では鯨に対して特別な捉え方をしていました。
魚群を引き連れてくるエビス神、
あるいは
浜辺に打ち上がった恵み。
鯨と関わることが生活。
鯨が漁村の経済を回す。
人と鯨。
自然サイクルの中で成り立つ関係だったそう。
今回の作品テーマとして盛り込まれているのは、
子守る母鯨の凄まじい力
それは祟りとして捉えられ、
自然の畏れを伝える教訓として次世代へ語り継がれていきます。
着物やハギレを縫い合わせ染められた巨大な作品は、母鯨の胎内と海を彷彿させました。
季節の海流に乗りやってきた鯨を「いただく」
浜に打ち上がった鯨の死体を「いただく」
古代から継がれる 日本の「いただく」概念と、
環境保護活動の対立。
是恒さくらがフィールドワークで訪れた港で聞いたこと、
捕鯨の歴史や保護活動の内容などがエッセイやドローイングになり、
日本語と英語の二か国語で読むことができます。
この作品のエッセイを読んでいて、思ったこと。
現代において、
生活の中で自分が自然循環のサイクルの中にいる感覚を掴むことは難しい。
食物連鎖から外れた立ち位置にいることを思い知らされる。
今と昔では「消費」の概念がかなり違うとも感じました。
「子を守る」
「暮らしを守る」
「伝統を守る」
「法律を守る」
「環境を守る」
人と鯨の間に発生する様々な「守るべきもの」
自分はどの視点から何を守りたいと強く思うのか。
私は
どの「守りたい」も尊重したい。
あなたは何を尊重する?
国際芸術センター青森
〒030-0134 青森市大字合子沢字山崎152-6
JR青森駅からJRバスまたは青森市営バスにて約40分
「モヤヒルズ、青森公立大学行」乗車
「青森公立大学」下車
青森自動車道 青森中央I.Cから約5km
青森空港からタクシーで約20分
開館時間:9:00~19:00(展覧会:10:00~18:00)
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)及び大学入学試験に関わる日程
入場料:無料
お次は、
十和田市現代美術館
道がわかりやすく、走りやすい十和田市内。
突如現れた草間彌生の作品。
斜向かいにある白い建物。
一瞬で十和田市現代美術館だとわかった。
AOMORI GOKAN アートフェス 2024 メイン企画 十和田市現代美術館
野良になる
縄文時代から自然と共生する姿勢を尊重してきた青森。
この展示会のタイトルになっている
「野良」
野良犬、野良猫などの言葉が浮かびます。
野良と聞くと、人間が解き放たれて自由になった動物を想像するでしょう。
東北の方言で「野良こく」という言葉があります。
野良こく=暇している ほっつき歩く 仕事がなくウロウロしている
つまりは、人間に与えられたやるべき仕事や役割を離れて野生的な動きをすること。
人間にとって
野良の境界線って…?
野良になるってどういう感覚?
「野良になる」晃子的注目作品
アーティスト
丹羽海子 にわ・うみこ
作品
《メトロポリス・シリーズ:太陽光処理施設》2024年
展示室入り口すぐに目に入った、
錆びた鉄色のペットボトル。
一瞬黄金のペットボトル…?
と思いましたが、どうやら違うよう。
錆びた網の上に
黒光りしたコオロギが。
並びに規則はなく、
立ち話をしているようにも見えるし、どこかへ向かっているようにも見える。
自由気ままに動いています。
進んでいくと、
通路下のペットボトルの中身が錆色から黄色へ、
そして透明な液体へと変化しています。
私的には、微生物あふれる豊かな川の水が人の手によって
濾過され、塩素で消毒されていって、再び川(野良)に戻ろうとしているのでは…?と考えました。
鉄網の平地を抜け出すと
電子基板やタンク、実験で使用されるような金属器具が組み合わさった場所にたどり着きます。
それらは、ビル街や工業団地を彷彿させます。
ここではコオロギが塊になって行動しています。
写真を見てお気づきの方もいるかもしれません。
金色 のコオロギがいる!
金色のコオロギは、数匹のノーマルコオロギに指示を出し、入り口の警備を行い、セカセカと働いているノーマルコウロギを監視しています。
上層部は、金色コウロギで占められています。
元々金色なのか、
それとも染まっていったのか?
労働を与えられ、野良から解き放たれたコオロギ。
コオロギには
現代社会を生きる人間のメタファー的な要素を感じました。
労働がなければ、人間は野良になるということなんだろうか。
同時に展示されている
写真と文字で構成された丹羽自身のエッセイもとても面白かった。
不自然に添付された画像と文字の大きさがバラバラな文章。
まるで、お年寄りがワードで初めて作った日記のよう。
丹羽の鋭く、繊細な視点で捉えた日常の違和感を
世界中で起きている悲しい出来事(戦争)と紐付け、
率直な言葉で描かれています。
丹羽のエッセイを読み、
再び立体作品を鑑賞する。
そうすることで、
コオロギに馳せる思いが変わっていく様子を感じられました。
十和田市現代美術館
【休館日】
月曜日(祝日の場合は翌日に振替)
※ただし、4月22日(月)・30日(火)、5月6日(月)、7月15日(月)・29日(月)、8月5日(月)・13日(火)、9月16日(月)・23日(月)、 10月14日(月)、11月4日(月)は開館
【観覧料】
◎一般:1,800円(1,600円)
※()は20名以上の団体料金
〈以下の方は無料〉
高校生以下の方
障がい者手帳をお持ちの方と付添者1名
最後に、
晃子的
青森アートフェス
最大級最高級にオススメなシークレットスポット
をご紹介!
店名
松本茶舗
1904年創業の老舗茶店、松本茶舗。
現在はお茶だけではなく、陶器や日用雑貨など幅広い商品が販売されています。
実はここのお店、寄る予定は元々ありませんでした。
十和田市現代美術館に行くことを友人に話したところ、
十和田市が地元の大学の友人曰く
「十和田市現代美術館に行くなら松本茶舗にも行け!!」
青森県立美術館でばったり出会い、一緒に三内丸山遺跡を巡った東京の友人曰く
「松本茶舗が一番面白かった。絶対行ったほうがいい。店主が面白い。あっという間に時間過ぎるよ!」
知る人ぞ知る、アートスポット。
二人の知り合いに松本茶舗に行くことを強く勧められ、
急遽予定を組みました。
訪れてみると、外観はなんの変哲もない地域の雑貨屋さん。
しかし、入り口横には食用虫の自販機が…
どうやら、フツウ ではないようだ…
13時からの営業に変更と張り紙があったので、腹ごしらえしておこう。
商店街近くの
大晶園食堂にて十和田市名物「バラ焼き」を堪能しました❣️
汗かきながら自分で焼くスタイルか。
周りを見ると、汗ひとつかかず慣れた手つきで焼いている。
甘めの味付けの柔らかな豚肉と、モリモリの玉ねぎ。
元気出た〜〜〜〜〜
コミュニティセンターの噴水をゆっくりと眺めた後、
いざ松本茶舗へ。
中へ入ると、松本ご夫妻がカウンターに。
私を見て、
「十和田市現代美術館のアートフェス見てきた方?」
と声かけられ、
店の奥へと案内された。
顔パス!?!?
まるで、高級ブティックのVIP待遇のようです。
まず案内されたのは
『第60回ヴェネツィアビエンナーレ ジャパンパビリオン』出展作家・毛利悠子の作品
「モレモレ ヴァリエーションズ」
店にあるバケツや菜箸、泡立て器、リサイクルショップで手に入れたという中古のティンパニやシンバル、
それらをチューブで繋ぎ、構成されたインスタレーション。
電源を入れると、サーサー、シャンシャン、ドンドンと音が鳴り、
演奏が始まる。
チューブで繋がり合った物同士の反動で音を奏でています。
何か一つでも動作が止まれば音は鳴らない。
日常では関係のないもの同士がアーティストによって
関係づけられ、楽器の役割を持った。
その瞬間に立ち会いました。
次に案内してもらったのは、
地下へ続く梯子。
恐る恐る降りていくと、
そこには地下室が。
大きな火災が発生し、たくさんの店が燃えてしまった過去を持つ商店街。
大切な命や財産を守るために、地下室を設ける対策が取られたそう。
その名残り。
湿気を逃す構造ではないため貯蔵には不向きだそうで、使われずに蓋をと閉じていた。
その地下室に、展示が…???
店主に案内されるがまま、
降りてみると、冷んやり空間。
地面には、
ライトで照らされたゴツゴツと盛り上がった土が連なっている作品がありました。
栗林隆が十和田市滞在し制作した作品。
地下室に水を送ったり、煙を送り込んだりすると
連なった土は、日本列島になる。(店主に見せてもらった写真)
二つの作品の解説だけではなく、十和田市の商店街の歴史や商店街の変容の様子、アートと生活の関係などの話を聞き、作品を鑑賞することで理解が深まります。
それから、トマソン物件の話で最高に盛り上がった。
今の時代、新しいものを作るよりも
「視点を変える」「新しい視点を作る」
日常を異常に変える要素に気づくことが何よりも大事だよねーーー
という意見は私の思想と完全一致。
店主松本さんは、とにかく喋る!!
マシンガントーク炸裂。
作品鑑賞する時間よりも、松本さんと話時間のほうがずっと長い!
アートとこの街が好きなんだな。
すごく伝わりました。
訪れる際は、時間に余裕を持っていらしてください。
今回、一番人と対話しながら鑑賞できた展示でした。
松本茶舗
【住所】
十和田市稲生町17-5
>Google map
【営業時間】
9:30〜19:00
【定休日】
なし
【TEL】
0176-23-2138
メイン企画も裏企画も
とにかく
見どころ盛りだくさんの
「AOMORI GOKAN アートフェス2024」
期間は9月1日まで。
残りわずか。
青森へ急げ!
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