普段着のサウナ(いろけもしゃれっ気もなし)

私は何かにつけ「普段着」と言う言葉を使います。おしゃれな普段着もあると思いますが、「わざわざ」がなく、普段のまま、ありのまま、そのまますっといける、そんな感じではないか、と思います。

不本意ながら、フィンランドで「おっ!」と思うようなホテルに泊ったことがあります。おしゃれなホテルも私が行くと、普段着になってしまうのかもしれませんが。今まで泊まったホテルではLapland(ラップランド)、という所が、一番おしゃれだったように思えました。朝食はどこよりも贅沢でした。

フィンランドの多くのホテルにはサウナがあります。そこから出てこられるお姿によっては、やっぱりおしゃれからどこか違う方面へ行くような気がしてしまいます。バスタオルを巻いただけで、はだしで廊下を帰っていく男性を見ると、一気に温泉街を連想します。

普段の生活のサウナといえば、アパート内にサウナがあるお宅もあるようですが、私はアパートの共同サウナを利用しています。前のアパートでは、元気があれば週2でサウナに入っていました。サウナのないアパートもありますが、サウナが地下階にあるアパートもあります。・・・そういえば、アパートと言わずにマンションと言った方がおしゃれかも?

水曜は、男女で2時間ずつ順番に、誰でも入れる共同サウナがありました。私の個人サウナの番は土曜の5時で、有料です。水曜にはご近所さんと一緒になる可能性もあるわけです。ひとりでリラックスしたい、と思って個人サウナを予約しました。共同サウナで一人で入りたいときは、予定時間の30分ほど前に入ると、すでに言い温度です。人に出会う緊張が取れてからは、フィンランド語の訓練にもなり、「今日は誰が来るのかな」と、楽しみとなりました。ここで知り合った人に、冬の間の湖に泳ぎにも連れて行ってもらいました。

新しいアパートでも、サウナをすぐに申し込みました。フィンランドのアパートの鍵は万能で、どの扉でも開けられる、というのが定説ですが、ここはサウナだけ鍵が別です。ちなみに全体の入り口が数字のコードというタイプ。

サウナへのドアをあけると、廊下の左右に扉がいくつもあります。ひとつはサウナ世界への入り口。そこからシャワー室とサウナへ。でも着替えは、別の部屋。テーブルの置かれた部屋があり、家族でのんびりビールなどたしなまれることもありとか。(部屋が暑い日には逃げ込もうかしら)

サウナ内部の温度の目盛りは80度に満たないものの、水をかけたらすぐに暖まる、良いサウナです。3回ほど水をかけたら即がっつりと熱くなり、口をおさえてシャワー室に逃げました。80度で暖まったからか、着替るために一度廊下に出なくてはならなくても、案外平気でした。廊下の足元にはマットが敷かれています。外から来たら土足で歩くところを、はだしで歩いて、着替えに行きます。水はけのよいマットというのは、不思議に気持ちが良いものです。

前のアパートでは、半地下なのか、サウナもシャワー室も中庭に面しており、大きな窓がありました。夏には明るいサウナです。入居した頃には改良工事のため使えず、利用できるようになったと思ったらコロナ期にひっかかって再び使用できなかったこともありました。サウナ室の扉はひとつ。入ってすぐに着替え室とトイレ、次の扉からがシャワー室、そしてサウナへ、とまとまっていました。

フィンランドではおしゃれっぽいホテルに入っても、入り口ですることは一緒だし、子連れOKだし、サウナは似たような所にあるし、入り方も一緒だし・・・というわけで、あまりときめくことがありません。注目するのはサウナの大きさと温度の高さでしょうか。

そういえばヘルシンキの某ホテルのサウナは最上階にあります。3人くらいしか入れない小さなサウナです。シャワー室はガラス張りで、よい眺め。ですが、逆に言ったら・・・そんな暇な人はいないのかもしれませんが、日本人にはちょっと抵抗があるかもしれません。古くから存在するホテルは、上の方の階にサウナがあることもありなようです。もしかしたら、建築当時にはサウナがなかったのかもしれません。

ハメーンリンナの某ホテルのサウナも、上の方の階。小窓から外光が入り、とてもいい感じです。温度も高め。着替え室にはテーブルも椅子もあり、サウナのあと、外を見ながらのんびりするのに、一番の推しです。グループや家族で貸し切りもあるのだそうです。サウナだけとか、食事つきとか、温泉旅行みたいです。ただ、ハメーリンナ駅周辺はどんどん開発され、かなり建物が増え、雰囲気が変わってきています。サウナの窓から今何が見えるのでしょうか。いつか確認する機会があるかもしれません。

ハメーリンナにはシベリウスの生家や、いくつか博物館があります。ヘルシンキから100キロだそうで、泊りに行くほどでもなく、寄り道したいタイプ。でも駅のロッカーがないのです。これが増えていたら、荷物をおいて途中下車ができるのですが・・・そう思って以来、変わったかな?(ハメーリンナのホテルは高いのだ)

このハメーリンナ駅前近くのビルには大きな三角コーンが付いています。漫画家のやしろあずきさんに喜ばれそうです。

やっぱりおしゃれになりそうにないので、おしゃれじゃない観光についてもいつか書こうと思います。


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