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○○○がないと生きていけない

スーパーマーケットで何気なく買い物をしていたら
不意に耳に飛び込んできた肉声。

「私、トマトがないと生きていけない…」

ご夫婦らしき二人組の奥さまの方が
野菜売り場で好きなトマトを見つけてホッとして
思わず口にしたらしかった。
切実でトマトにまっすぐ!
正直なトーンの声だった。

そんなにトマトが好きなのか
トマトもそこまで言ってもらえて嬉しいだろうなぁ
と微笑ましくて場の雰囲気が和みに和んだけど
こういうのは意外と自分の心に体当たりしてくる。

好きな食べ物といえるものは
あるにはあるけど
「○○○がないと生きていけない!」
と言えるまでの存在は、自分にはない気がする。

食べ物が手に入ることが当たり前で
食べられて当然、好きな物がないなら仕方がない。
他の物がある。
その程度。
性格の問題なのかな?

食べ物に限らず
自分にはそれがないと生きていけないような
そんな存在ないのかも…
となぜかそんなことまで考えてしまった。

失って苦しんだ経験がないともいえるし
特定の物に執着せずに切り替えられる
他のものでも満足できる、ともとれる。

とにかく「○○○がないと生きていけない」なんて
かわいらしいセリフを一度は言ってみたい。

そんなことを思わせてくれた
些細な日常のひとコマ。

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