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“およそ大さじ3杯”のおまじない

 年齢が上がるにつれて、自分の健康について少しは考えるようになりました。ポイ活や節約、資産運用も気になるけど、病気をするとお金もかかるし、体と心を健康に保つことは、自分の財産を守ることなんや!と思うようになりました。とはいえ、長年の習慣はそんなに簡単には変わらないんですよね。甘いものもお酒も大好きだし、なんでもモリモリ食べてしまう私は、油断するとすぐに太っては反省する日々です。

 
 先日ある機関の広報誌*に、美味しそうなチョコレートの写真を背景に糖尿病の話が載っていました。何となく読でいると、65キロ成人の血液中の糖の量はおよそコーラ大さじ3杯と同じとありました。コーラを大さじで量って飲んだことがない私は、大さじ1杯が15mlで、それを3杯だと‥‥そ、そんなんひと口やないかい!!と呆然としました。
 何でも過剰に摂りすぎると、体に悪いことは知っていましたが、私にとっては、大さじ3杯のコーラの例えはわかりやすく、じゃあ自分がどれだけたくさん糖分を摂っているのか?と考えるきっかけになりました。
 
 体内では血糖値を一定に保つために、インスリンというホルモンが頑張って調節してくれています。昔、学校で習ったホメオスタシスと言うやつやなあと遠い記憶をたどります。 
 せっかく頑張ってくれている体の生体恒常性の機能ですが、甘い炭酸飲料やジュースのペットボトルを1本飲めば、過剰な糖分が体内に行き渡るのです。たまになら大丈夫なのかもしれませんが、もしそれを毎日続ければ、体にどのくらい負担をかけることになるんだろう?と今さらながら、そらあかんわ!!と自分の体に申し訳なく思うのです。糖分だけでなく、口から入るものすべてが自分の体を作っていることに、あらためて考えをめぐらせました。
 
 毎日をだらしなく過ごしがちな私ですが、節約と並行して健康という財産を減らさないために、まずは「およそ大さじ3杯」をおまじないのように唱えて、なるべく糖分を減らすべく甘いものの誘惑に抗います。
 そして「およそ大さじ3杯」は、愛する人たちのために元気でいられるように、努力を忘れないためのおまじないです。

 だがしかし、わかってはいるけれど!もっと食べたいと今日も身をよじるのです。

*大阪大学免疫学フロンティアセンター(IFReC) 広報誌イムネコ vol.4-5 2021.Sep

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