Photo Story｜待宵-まつよい-/Matuyoi
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「待宵-まつよい-」
夕暮れに咲き翌日朝にはしぼんでしまう
一夜限りに咲く待宵草の花。
朝日の暖かな光を浴びながら
花びらをくしゃくしゃにさせつつ
もうそろそろ眠ろうかという頃合い。
きっと夜の間は
きれいに花を咲かせていたのだろう。
眠そうなその姿に
おはようそしておやすみと声をかけながら
その場を後にした。
Photo Story
前回の続き。
落としたカメラのバッテリーを探しに出かけた大井川河口。
結局見つかることはなく
肩を落としながら海を後にして
駐車場へと歩いていく。
その際も、
入念に足元を見渡しながら
黒い四角いものはないかと探していた。
途中、カラスの群れに
カーカー、ヤーヤーと声をかけられるも
目先は足元から離すことはなかった。
どんどん浜辺へ出る入り口へと近づいていく。
もう無いよなぁと
ため息が出そうなその時に
一輪の黄色い花が目に入り込んできた。
それはコマツヨイグサの花だった。
眠そうなくしゃくしゃの花弁。
「そう俯きなさんな。」
なんとなくそう言われている気がした。
すでに朝日が昇って2時間程度は過ぎており
他の同じ種の花は萎んでいるものが多く、
しかし目に入り込んできたこの花だけはまだ
黄色いその姿をなんとか保っていた。
・・・めっちゃきれいだ。
すかさず、
片手に持っていたカメラで撮影。
どこか慰められている気がして、
それがめちゃめちゃ嬉しかったのを覚えている。
最後の最後に見つけた小さな幸せ。
バッテリーを落としていなければ
この美しいしわしわの一輪の花を見つけることはなかっただろう。
全ては最善。
落としたバッテリーには
本当に申し訳ないけれども
美しい朝日に
どこか印象的な黄色の花と出会えて
それだけでも十分に幸せなことだ。
この花のおかげで
その場で気持ちを切り替えることができて後にした。
・・・
バッテリーよ。。。
いつかまたその姿を現しておくれ。
壊れていてもいいから。。。
ご覧いただきありがとうございました
どうぞ倖せが繋がりますように！
2023年12月3日
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